Heart. Beat. Pulse. Dance.

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
June 12, 2018 in Orlando, Florida. JOE RAEDLE GETTY IMAGES

June 12, 2018 in Orlando, Florida. JOE RAEDLE GETTY IMAGES

 

アメリカ、フロリダ州のクラブPULSEで銃撃があり49人が殺され53人が怪我を負った事件から5年が経つ。2016年6月12日、ディズニーワールドやユニバーサルスタジオがある観光地のオーランドで起こったその事件の犠牲者の半数はプエルトリコ系、他多くもラテン系のクィアの人たちだった。その夜は“ラテンナイト”だったから。この事件をきっかけに同年5月にはメキシコのゲイクラブに乱入してきたグループが180人でうまる会場に向けて発砲、7人が殺されていたことも報じられた。友だちに会うため、踊るため、安全で安心できる空間を求めて彼らが集った夜を想う。

ノーマルの気になる催し物リスト2021年6月

June 2021
Normal’s List

内容や開催日/期間が変更されたイベントなどが多くあります。
それぞれのウェブサイトをチェックしてください!

4/17(土)〜6月19日(土) 展示「ジギタリス あるいは1人称のカメラ」(石原海、遠藤麻衣子、長谷川億名、細倉真弓)  ◎Takuro Someya Contemporary Art https://tsca.jp/ja/exhibition/digitalis-or-first-person-camera-umi-ishihara-maiko-endo-yokna-hasegawa-mayumi-hosokura/

4/20(火)~ 6/13(日) 展示「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる-リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント―」 ◎渋谷区立松濤美術館 https://shoto-museum.jp/exhibitions/190bacon/

4/22(木)~ 9/26(日) アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人 ◎森美術館 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/anotherenergy/

4/24(土)〜8/29(日) 「イサム・ノグチ 発見の道」展 ◎東京都美術館 https://isamunoguchi.exhibit.jp/

5/15~2022/5/8 展覧会「Keith Haring: 360°」 ◎中村キース・ヘリング美術館 https://www.nakamura-haring.com/

5/21(金)〜6/20(日) 海老原靖個展「Garden—隙間をうめること」 ◎KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/garden-to-fill-in-the-spaces

5/27(木)〜6/13(日) 映画『アグネス 〜過去から今へ〜』 ◎オンライン http://normalscreen.org/events/agnes

5/30(日) 雑誌「エトセトラVOL.5」(特集:私たちは韓国ドラマで強くなれる|小山内園子&すんみ責任編集) https://etcbooks.co.jp/book/vol5/

映画『アメリカン・ユートピア』(デイヴィッド・バーンのブロードウェイショー) ◎全国公開 http://americanutopia-jpn.com/

6/1(火)〜6/20(日)「居場所はどこにある?」(磯村暖、UGO、岡田裕子、小林勇輝、竹村京&鬼頭健吾、中谷優希、松田修、MOM+I、室井悠輔、リー・ムユン) ◎東京藝術大学大学美術館 陳列館 https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2021/where_is/where_is_ja.htm

6/4(金)〜 6/20(日) サエボーグ個展『LIVESTOCK』 ◎PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO) https://art.parco.jp/museumtokyo/detail/?id=666

6/5(土) 映画『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(レズビアンのポップスター、香港デモ、ドキュメンタリー) ◎シアター・イメージフォーラム http://deniseho-movie2021.com/

6/6(日)& 6/13(日)村岡由梨 映像個展「眠れる花」 ◎イメージフォーラム3F http://imageforum.co.jp/cinematheque/1038/index.html

6/6(日) NOT ALONE CAFE ◎オンライン https://twitter.com/notalonecafe

6/7(月) 『これからのクィアポリティクスを考えよう~否定性の複数性について~』(千葉雅也|ICU、R-weeks) ◎オンライン https://twitter.com/icu_prism/

6/8(火) ~ 6/13(日) キム・ミョンファ個展「CONTEXT」 ◎ギャラリービス(同時代ギャラリー) https://www.dohjidai.com/gallery/exhibition/20210608_0613b_b/

6/13(日) akta活動報告 ◎オンライン https://akta.jp/information/3406/

6/16(水) & 6/27(日) 映画『最も危険な年』 ◎オンライン https://peatix.com/event/1914856

6/19(土) 足立レインボー映画祭 ◎東京芸術センター天空劇場 https://adahirainbowfilmfestival0619.peatix.com/

6/20(日) ぷれいす東京 2020年度活動報告会 ◎オンライン https://ptokyo.org/news/13527

6/23(水)〜 6/27(日) 子どもと大人のフライングステージ「アイタクテとナリタクテ/お茶と同情」(座・高円寺 夏の劇場05|劇団フライングステージ) ◎座・高円寺1 http://www.flyingstage.com

 

映画『アグネス 〜過去から今へ〜』 6/13まで配信
http://normalscreen.org/events/agnes

その頃、インターネットでは...

・For a Free Palestine: Films by Palestinian Women|パレスチナ人の女性アーティストによる映像作品配信(日本語字幕つき|Another Gaze / Another Screen)https://another-screen.com/films-free-palestine-women

・「見えない侵入者 ~米軍基地から漏れ出す 永遠の化学物質~」(テレメンタリー2021|QAB琉球朝日放送|24分) https://youtu.be/seZ3TeFfzuY

・TRANS INCLUSIVE FEMINISMトランスフォビアへの抵抗とトランスインクルーシブなフェミニズムのためのリソース集 https://transinclusivefeminism.wordpress.com/

・古橋悌二 Artist+ Registry (Visual AIDSデータベースに追加) https://visualaids.org/artists/teiji-furuhashi

・「キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜」 (ドキュメンタリー|配信|MadeGood)https://www.madegood.com/keith-haring-street-art-boy/

・Spotify Japan #PRIDE プレイリスト (監修:木津毅) https://twitter.com/tsuyoshi_kizu/status/1399674612661637122

・Heart. Beat. Pulse. Dance. http://normalscreen.org/blog/pulsebeat

溝口彰子さん [ S/N ] イントロビデオ日本語原稿の公開

「S/N」記録映像世界初配信にあわせて、作品解説を提供してくださった溝口彰子さんに以下の文章を提供していただきました。

本イベント <"LIFE WITH VIRUS": Teiji Furuhashi in New York> 日本語詳細はこちら:http://normalscreen.org/events/lifeteiji 

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2021年5月9日まで以下のURLから登録することによってダムタイプのパフォーマンス「S/N」が無料で視聴できます。同サイトでは私の「前説(introduction)」も視聴できますが、英語のみのため、日本語の概要を読みたいというご希望をいただきました。

https://www.eventbrite.com/e/life-with-virus-teiji-furuhashi-in-new-york-tickets-148996569751

そこで、以下に、事前に作ったメモ書きを公開します。なお、こちらは、「だいたいこのような内容で話します」ということを、ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんとノーマルスクリーンの秋田祥さんに伝えるために作ったものなので、動画の内容と完全に合致はしません。9割程度として参考にしていただければ幸いです。(テキスト公開にあたって出典など注を加筆しました。また、日本人名はカナ表記、敬称略になっています)

***

ハイ、I’m あきこ・みぞぐち、ヨコハマ在住のクィア・ビジュアル・カルチャー・セオリストです。ハウ・アー・ユー?

主にパフォーマンス「S/N」を配信で初めてご覧になる英語圏のみなさんに向けて、私がこれから話すのはあくまでも私個人としての経験や見解だが、みなさんの参考になればと思う。

*スナップ写真 1995年6月下旬NYC(手書きキャプションも見せる)

パフォーマンス「S/N」と時期が重なって発表されたテイジ・フルハシのソロ・インスタレーション作品 “LOVERS”がMOMAで展示された時に、NYCの、たしかグリニッジヴィレッジのカフェ書店前で。(注1)

一番左のサングラスをかけているのがテイジ。そのとなりがヨウコ。ひとつあいて、体をかがめているのがダムタイプメンバーでLOVERSにもかかわったシロウ・タカタニ。その次の、赤い麦わら帽が私、右端が私のパートナーのナオコ。店内のスツールの左側も友達のアヤノ。

テイジ本人とシロウはMOMAでの仕事での滞在だが、それ以外は私も含めて、自費で日本からNYCに来ていた。アヤノとヨウコは京都から。ナオコと私は横浜から。他にも京都からNYに来ていた友達がいたと思う。

私は、ていじが1992年に「LIFE WITH VIRUS」という手紙を送った友だちと合同制作者friends and collaboratorsのなかには入っていなかった。だが1995年6月時点では友達になっていた。

よく覚えているが、6/29(日)のプライド・パレードの日について、テイジが、「MOMAに行っている場合と違うよ」と言ったこと。もちろん、私はパレードにもMOMAにもそれぞれ別の日にいった。

少しさかのぼる。

先述したように私はテイジからの1992年の手紙は受け取らなかったが、ダムタイプの「S/N」の前の作品「pH」の1990年の初演時から、1996年末まで東京のスパイラル(ワコールアートセンター)で働いていたため、ダムタイプの人たちとはアーティストと、プロデュースやVENUE側のスタッフとして、知り合っていた。彼らは、フレンドリーでチャーミングな人たちだったし、ほぼ同世代だったので話しやすかったけれど、「友達」という関係ではなかった。

1993年の「S/N のためのセミナー・ショー」でテイジがゲイでHIVポジティヴだとカミングアウトし、セミナーショーなので客席からレズビアンの観客からのコメントも出たりしたのには、驚いた。実は、私は1992年から、レズビアンとバイセクシャル女性のためのミニコミ「LABRYS」で、ペンネームで活動していたレズビアンだったからだ。当時はソーシャルメディアどころかインターネットも普及していなくて、紙のミニコミが有効だった。

*「LABRYS」を手にもって見せる

1995年まで続いたLABRYSの購読者は日本全国で最大1,700人。それだけの数を数人で封筒に入れて郵送作業をすることを想像してみて欲しい。……ともかく、当時は顔と名前を出して活動するレズビアンは半ダースくらいしかいなかった時代。私は、職場スパイラルではレズビアンであるとカミングアウトしていなかったし、したいとも思っていなかった。

だが、そのままだと、自動的に異性愛者女性だとみなされ、「同性愛者」を「他者」とみなした語り方をすることになる。それは耐えられなかった。そこで、仲の良い同僚から始めて、スパイラルでも徐々にカミングアウトしていった。1995のNYCの写真の時点では、職場の人たちも、私がダムタイプ「S/N」の担当のひとりで、テイジをはじめメンバーやその周辺の人たちと友達で、休みをとってNYCに行くということは知っていた(一部の人は私がレズビアンであることも)。

このように、「S/N」との出会いで大きな決断をして行動をした人は、ほかにもたくさんいた。

今の日本では写真のエイキ・モリなどゲイだとカミングアウトしたアーティストは数人いるが、1993年時点の日本においては、テイジはアーティストでゲイとしてカミングアウトしたほぼarguably初めての人であった。また、アート界だけでなく日本全体を見ても、HIV+だとオープンにしている人は数人もいなかったはず。したがって、テイジのカミングアウトはとてもセンセーショナルだった。覚えているが、美術やパフォーマンスの評論家何人かが、スパイラルの私に電話をしてきて、「S/N」で古橋くんがゲイでHIV+だと語ったけどあれは本当なの? それとも作品上の設定? などと、質問したほどだ。ダムタイプ・オフィスに電話するのではく。(カクテル療法が登場したのが1996年。U=Uな今日とはまったく違う、HIV +になるとは、時間の問題でAIDSを発症するという時代だった)

と、言ったそばから付け加えないといけないが、「S/N」のおしゃべりchit chatのシーンでテイジと、アレックスとピーターはゲイだとカミングアウトするが、ブブは、かつて結婚していた異性愛者の女性として「カミングアウト」する。そして、事実としてダムタイプのメンバーはパフォーマーもテクニカルスタッフもマネジャーもふくめて、異性愛者のほうが多かったのだが、彼らは全員異性愛者として「カミングアウト」をした上で「S/N」を作っていた。だからこそ、作品が、「カミングアウトしたゲイを受け入れ、応援する」といった次元にはまったくとどまっていない。「S/N」が扱う問題系は人種やボーダーや科学の申し合わせなど幅広いが、セクシュアリティという要素ひとつをとっても、その複雑さに踏み込んで、ひとつの答えを出すのではなく、思索し、分け入る、その意味で刺激的だ。ゲイの肯定的な表象を作り出すことはもちろん大事。だけど、そもそもゲイって何?

作品中ではミシェル・フーコーの「われわれは懸命に同性愛者になろうとするべきであって、自分は同性愛の人間であると執拗に見極めようとすることではないのです」「彼らは、いまだに形を持たぬ関係を、AからZまで発明しなければなりません」が引用されている。(注2)が、ここで私は、ジュディス・バトラーの「模倣とジェンダー不従順(Imitation and Gender Insubordination)」(1991)にも共鳴すると言いたい。(注3)バトラーの論文としては珍しく、「16歳からずっと、レズビアンであることが私である」と、レズビアン当事者の立場から綴っている。

さらにバトラーはこう述べる。

私はずっとレズビアンであるのに、では、なぜ不安なのだろう? 居心地が悪いの だろう? イェール大学に、レズビアンになるために行く、と言えるような、その繰 り返しに関連しているだろう。レズビアンとは私が長年、そうであるものだ。では、私 がレズビアン“である”ことができ、しかしながら、同時にそうなるために努力しうる、 というのはどういうことだろう? 私がレズビアンであることは、いつ、どこで作用 するのだろうか、この、レズビアンを演じる(play)ことはいつ、どこで私の本質(who I am)のようなものを構成するのだろうか。私がそうであることにおいて“戯れる(play)” と言うことは、私が “本当には(really)”そうではないということではない。むしろ、 どのように、どこで私がそうであることにおいて戯れるのかによって、 “である” こと が確立され、正常な制度の一部とされ、流通され、確認される

しかも、このパフォーマンスからは本人の意志で距離を保つことはできない。もちろん、政治的な場で「レズビアン」として活動することはできる。だが、「レズビアンという記号」が何を意味するのかは、永遠に、本人にもはっきりとはわからない。そして、それはレズビアンに限らない。ソウル歌手アレサ・フランクリンが「あなたは私に、私が自然な女であるかのように感じさせてくれる(You make me feel like a natural woman)」と異性愛女性として歌っているが、「結局のところ、これは一種の隠喩的代替であり、ペテン行為であり、誇張された異性愛のふるまい(heterosexual drag)というありふれた活動によって生み出された存在論的な幻影に、ほんの一瞬、崇高たる参加をなしたようなことである」ともバトラーは述べる。同性愛者にせよ異性愛者にせよ、セクシュアリティの中身は本人にもわかりえない。「S/N」においては、男性同性愛者というマイノリティがカミングアウトし、それを肯定するというポリティカリー・コレクトな次元と同時に、セクシュアリティとは、本人を含めて誰にも完全にはわかりえないということ、だけど人は人を求めながらpeople need people、問題にフタをするのではなく~これはテイジの言葉だが~新種のふたを発明しなくてはならないということが、表現されている。(注4)

日本にはカミングアウトしたゲイのアーティストがいなかった時代に、「S/N」がここまでの複雑でニュアンスにとんだ次元に到達していたのは驚くべきことだ。

私は今、クィア・ビジュアル・カルチャー・セオリストとしてフーコーやバトラーをはじめクィア理論を読み、論文を書き、大学で教えたりしているが、1994年11月にモントリオールで初めて見て、1995年1月にスパイラルで複数回見て、その後も何度か記録映像を見ているパフォーマンス「S/N」というリッチな作品とはずっと対話を続けているし、テイジとも対話を続けているなあ、と感じている。

さて、私が理論トレーニングを受けたのは、アメリカNY州ロチェスター大学のビジュアル&カルチュラル・スタディーズ、故ダグラス・クリンプのもとでだ。ダグラスはもちろん、1977年の「ピクチャーズ」展で「アプロプリエーション・アート」概念を提示したことで知られ、さらに、1980年代後半には自らACT UPにも参加し、AIDS Cultural Analysis Cultural ActivismというHIV/AIDSと表象の政治的往還についての極めて重要な論文集を手掛けていた、オープンリー・ゲイで、セオリストでありアクティヴィストであった人だ。実はダグラスとの出会いもテイジのおかげだった。

*ダグラス著者近影(本のカバーより)

ダグラスは1994年の国際AIDS/STD会議(横浜)のサテライト企画としての、哲学者で美術評論家のアキラ・アサダとのシンポジウムのために来日した。ダグラスをNYのアパートメントに訪ねてアサダと一緒に招待を申し入れたときのテイジはsemi dragだったと、後日ダグラスは語っていたが、そのテイジの姿とはこの写真のようなものだっただろうか。京都のトラディショナルな旅館の庭の前で、左がアサダ、右がテイジ。

*ブルータス (撮影:キシン・シノヤマの手書きキャプションも)

ともあれ、Gregg Bordowitzのビデオ作品 “Fast Trip, Long Drop”(1993)やStashu Kkybartasの “Danny” (1987)などについて、AIDS患者を肯定的に描けばいいというものではない、という複雑さを真摯に語ってくれたダグラスの姿がとても印象に残り、レズビアンとして美術史やクィア理論を学びたいと思った時にぜひ彼のもとで、と思ったのだ。大学院に入ったのは1998年秋。そして、「レズビアンとして」の研究が、美青年キャラクター同士の恋愛を中心に描く漫画などのボーイズラブと女性たちのセクシュアリティーズ研究となり、中国語や韓国語でも出版される本の形になったのはどういう経緯か、

*『BL進化論』 日本語、中国語、韓国語版を見せる

それはまた別の機会に英語圏のみなさんにもお話しできたらと思う。そう、今年秋からウェルズリーカレッジでフェローとして滞在するしそう遠くないうちにできるような気がする。

最後に、映像版パフォーマンス「S/N」を視聴するにあたってのテクニカルなtip(コツ)をひとつ。

できるだけ重低音low-register soundが響く、よい音響acousticの機材を使ってください。私は、BOSE SOUND LINK MINIのスピーカーを使います。

*スピーカーを見せる

これが最低限かな。というのも、「S/N」は非常にパワフルなサウンド・アートでもあるからです。音に、音楽に、観客が溺れることが想定されています。

OK, that’s it from me. Thanks for listening. (最後はさらっと)


(注1)
この写真の撮影者はレギーネです。動画では口頭でもキャプションでも示し忘れてしまいました。おわびとともに追記します。(ヨウコとシロウの間が1席分空いていますが、そこに座っていたレギーネが撮影してくれました)

(注2)
ミシェル・フーコー(増田一夫訳)『同性愛と生存の美学』(哲学書房、1987): p.10&11

(注3)
Judith Butler, “Imitation and Gender Insubordination,” Henry Abelove et al. eds, Lesbian and Gay Studies Reader (Routledge, 1993): 307-320 (Reprinted from Inside/Out (ed. Diana Fuss, 1991) 和訳は溝口による。その際、以下を参考にした。ジュディス・バトラー(杉浦悦子訳)「模倣とジェンダーへの抵抗」『イマーゴ』vol.7-6, 1996:116-135

(注4)
正確には、「この場合の芸術とは、 “くさいものにふた“ のふたではなく、くさいものにすら変容を与えるような新種のふたを発明する力」。古橋悌二の言葉を引用するというよりも、自分自身の表現になっているが、古橋の影響の強さということでお許し願いたい。「1994年12月、西堂行人によるテキストとインタビュー」『メモランダム 古橋悌二』(リトルモア、2000)p.78-86

"LIFE WITH VIRUS": Teiji Furuhashi in New York
http://normalscreen.org/events/lifeteiji
https://visualaids.org/events/detail/life-with-virus
April- May 2021

ノーマルの気になる催し物リスト2021年5月

May 2021
Normal’s List

今月は延期や中止になっているイベントがたくさんありますが、その情報は反映されていません!
現場と今後の予定は、それぞれのウェブサイトを確認してください。

〜5/9 ダムタイプ「S/N」記録映像」世界初配信 ◎オンライン http://normalscreen.org/events/lifeteiji

〜5/9(日) 展示「澤田知子 狐の嫁いり」 ◎東京都写真美術館 http://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3848.html

〜5/10 展示「人間臭さを勝ち取るための実践」(パク・サンヒョン、寺田健人、ホン・ミンキ) ◎高田馬場・ギャラリーAlt_Medium https://realizing-humanness.webflow.io/

雑誌 Over vol.03(【特集】サヨナラ反知性主義)発売 https://www.overmagazine.net/items/43162345

5/1(土) “LIFE WITH VIRUS”: Teiji Furuhashi in New York(ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、山中透、バーバラ・ロンドン、秋田祥) ◎オンライン http://normalscreen.org/events/lifeteiji

5月2日(日) NOT ALONE CAFEオンライン ◎オンライン https://www.facebook.com/NotAloneCafe

5月3日(月)~5日(水) 映画『迷い子たちの物語』(Rainbow Reel Tokyo Online ― 台湾のクィア映画を見よう!語ろう! ―) https://rainbowreeltokyo.com/2019/archives/3653

5/4(火・祝) トーク「#PrEP 17から学ぶこと~2017年制作の映画をいま改めて鑑賞して」(カラフル@はーと)  ◎オンライン https://lgbtcath2021prep17.peatix.com

5/5(水・祝) #入管法改悪反対デモ0505 ◎大阪・中之島公園女神像前広場 https://bit.ly/2Se4lnZ

5/5(水・祝) Pride Book Shop(loneliness books+Over magazineミニブックフェア) ◎Tac's Knot https://www.overmagazine.net/blog/2021/04/21/170018

5/5(水・祝) トーク&ショー「DIAMOND ACADEMIA」 (ダイアモンズ・アー・フォーエバーにおけるラウンジ・ミュージックとは?) ◎オンライン https://twitch.tv/metro_kyoto

5/7(金) 入管法改悪に反対する緊急アクションシットイン ◎衆院第二議員会館前 https://migrants.jp/

5/7(金)〜 映画『アメリカン・ユートピア』(デイヴィッド・バーンのブロードウェイショー) ◎全国公開 http://americanutopia-jpn.com/

5/7(金)〜 映画『モンスター: その瞳の奥に』 ◎Netflix https://youtu.be/HYDx1YsQ0kk

5/14(金)〜 ドラマ『地下鉄道(The Underground Railroad』 (バリー・ジェンキンス監督) ◎Amazonプライム・ビデオ https://amazon.co.jp/dp/B08XC423TK

5/20(木)〜23日(日) 映画『未来は私たちのもの』(ドイツ映画祭 HORIZONTE 2021) ◎渋谷ユーロライブ https://www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/h21.html

5/21(金) メグルセカイ 1st Album「世界回遊」発売記念LIVE(メグルセカイ、めぐ留vo.+田ノ岡三郎acc.+立花秀輝sax.+堀越彰dr.、SNATCH、若林淳) ◎オンライン https://t.livepocket.jp/e/apia210521

5/22(土) フォーラム「想像力という<資本> - 来るべき社会とアートの役割」◎京都文化博物館別館、オンライン(オードリー・タン、ラウリン・ウェイヤース、岩崎秀雄、占部まり、奥野克巳、四方幸子)  https://alternative-kyoto.jp/

5/23(日)〜 『マスターオブゼロ』シーズン3 (Master of None) ◎Netflix https://youtu.be/BxSyrK28MJI

5/28(金) 映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』 ◎Bunakmura ル・シネマほか https://gaga.ne.jp/amazing-grace/

4/17(土)〜 5/29(土) 展示「ジギタリス あるいは1人称のカメラ」(石原海、遠藤麻衣子、長谷川億名、細倉真弓)  ◎Takuro Someya Contemporary Art https://tsca.jp/ja/exhibition/digitalis-or-first-person-camera-umi-ishihara-maiko-endo-yokna-hasegawa-mayumi-hosokura/

5/30(日) 雑誌「エトセトラVOL.5」(特集:私たちは韓国ドラマで強くなれる|小山内園子&すんみ責任編集) https://etcbooks.co.jp/book/vol5/

〜6/6(日) 展示「まみえる 千変万化な顔たち」 ◎丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 https://www.mimoca.org/ja/exhibitions/2021/03/20/2237/

4/6日(火)〜6/13(日) 展覧会「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ─あなたの眼はわたしの島─」 ◎京都国立近代美術館 https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2021/441.html

4/20(火)~ 6/13(日) 展示「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる-リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント―」 ◎渋谷区立松濤美術館 https://shoto-museum.jp/exhibitions/190bacon/

5/21(金)〜6/20(日) 「Garden—隙間をうめること」海老原靖個展 ◎KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/garden-to-fill-in-the-spaces

4/24(土)〜8/29(日) 展覧会「イサム・ノグチ 発見の道」 ◎東京都美術館 https://isamunoguchi.exhibit.jp/

4/22(木)~ 9/26(日) アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人 ◎森美術館 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/anotherenergy/

Photo: Kazuo Fukunaga|"LIFE WITH VIRUS": Teiji Furuhashi in New York * ダムタイプ『 S/N 』記録映像 世界初配信(4月26日〜5月9日)

Photo: Kazuo Fukunaga|"LIFE WITH VIRUS": Teiji Furuhashi in New York * ダムタイプ『 S/N 』記録映像 世界初配信(4月26日〜5月9日)

その頃、インターネットでは...

・『POSE シーズン2』 on Netflix https://tv.foxjapan.com/fox/program/index/prgm_id/22033

・『クリティカル・ワード メディア論』刊行記念オンライントーク(フィルムアート社) https://youtu.be/x7hx4EIb_Qg

・中村キース・ヘリング美術館 Instagramライブ(ゲスト:アキラ・ザ・ハスラー) https://www.instagram.com/tv/CN6lsExnbZ1/?igshid=174z7v3ic0pjk

・レイ・ハラカミ DJ Funnel MIX(dublab.jp rings radio) https://youtu.be/2pxS_UhAt8c

・在日コリアン女性と語る、収容所のある社会(#FREEUSHIKU|ハン・トンヒョン、朴沙羅) https://youtu.be/IiU6Gjsq8QA​

・LGBTIQA性暴力サバイバーも声を上げやすい社会を作ろう(クラウドファンディング|Broken Rainbow - Japan) https://syncable.biz/campaign/1630/

・レズビアンであることを「引き受ける」 沖縄のLGBT活動の中で(砂川秀樹|現代思想 特集エスノグラフィー) https://www.gradi.jp/posts/17211855

・ 「自分自身でいられる場所」 イギリスのレズビアンバーの現状 on BBCニュース(ビデオ3:26) https://www.bbc.com/japanese/video-56884939

・基礎から学ぼう!労働問題とハラスメントに関する勉強会(Filmground、グッチーズ・フリースクール) https://youtu.be/2n5Ztvb-6RE

・ドラマ『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』配信(ルカ・グァダニーノによるテレビドラマ) on スターチャンネルEX(Amazonプライムビデオチャンネル) https://www.star-ch.jp/drama/wearewhoweare/

・ドラマ『ヴィダ 故郷の母が遺したもの』on STARZPLAY(Apple TV, Amazonプライムビデオ) https://youtu.be/k0Ha20Njsf0

・てんかんを聴く ぽつラジオ ’21年4月号「最初の一杯」 https://youtu.be/AEqAhv09HH8

ノーマルの気になる催し物リスト2021年4月

Normal’s list
April 2021

3/26(金)〜 4/11(日) 展示「IWAKAN MAGAZINE 2nd EXHIBITION −愛情−」 ◎tata bookshop/gallery  https://tata-books.com/gallery/167/
3/3(水)〜4/18(日) 井原信次展「Love Your Neighbor 2021」 ◎KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/love-your-neighbor-2021
3/10(水)〜4/18(日) 「星空と路(みち)」 ◎3がつ11にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク) https://recorder311.smt.jp/information/59863/

4/1(木)〜 映像上映「西2丁目地下歩道映像制作プロジェクト」(STUDIO ROCCA、 大木裕之、野口里佳、アピチャッポン・ウィーラセタクン) ◎札幌文化芸術交流センターSCARTS https://www.sapporo-community-plaza.jp/news_scarts.php?num=309

4/2(金)〜 映画『僕が跳びはねる理由』 ◎角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺ほか https://movies.kadokawa.co.jp/bokutobi/

4/3(土) トーク『マイノリティの政治とポップカルチャー、視点の交換 〜クィア、エスニシティ、交差性をめぐって〜』(NEW ERA Ladies|プンクトゥム:乱反射のフェミニズム|鈴木みのり、ライムスター宇多丸 ) ◎オンライン、本屋B&B http://bookandbeer.com/event/organized-by-new-era-ladies-20210403/

4/4(日) NOT ALONE CAFE ◎オンライン https://notalonecafe.com/

4/3(土)〜9(金) 映画『ナイトレイト・キス』『サンクタス』『テンダー・フィクションズ』(「バーバラ・ハマー追想」イメージフォーラム・シネマテーク) ◎シアター・イメージフォーラム http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/4268/

4/4(日) トーク『移民・難民・外国ルーツの女性や性的マイノリティとともに生きる〜草の根なめんな〜』(NEW ERA Ladies|プンクトゥム:乱反射のフェミニズム|春日そら、髙谷幸、崔江以子、長島結) ◎オンライン、B&B http://bookandbeer.com/event/organized-by-new-era-ladies-20210404/

4/6日(火)〜6/13(日) 展覧会「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island ─あなたの眼はわたしの島─」 ◎京都国立近代美術館 https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2021/441.html

4/6日(火) 本「東南アジアと「LGBT」の政治 性的少数者をめぐって何が争われているのか」(明石書店) https://www.akashi.co.jp/book/b577172.html

4/8(木)〜11(日) 『私がこれまでに体験したセックスのすべて』(True Colors DIALOGUE ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル) ◎スパイラルホール https://truecolorsfestival.com/jp/program/all-the-sex-i-ever-had-mammalian-diving-reflex-true-colors-dialogue/

4/9(金)〜 映画『アンモナイトの目覚め』 ◎TOHOシネマズ シャンテほか https://gaga.ne.jp/ammonite/

4/10(土)〜 映画『デカローグ デジタル・リマスター版』 ◎シアターイメージフォーラム  http://ivc-tokyo.co.jp/dekalog/

4/10(土) WAIFU @ DOMMUNE #2「DORA♡ARIGATO 〜DORA DIAMANT追悼イベント」 ◎SUPER DOMMUNE https://waifudommune.peatix.com/

4/15(水) 入管法改悪に反対する緊急アクション(国会議事堂に対するスタンディング、リレートーク) ◎国会議事堂前 https://note.com/nyuukanhou/n/n43ac81b875c4

4/17(土)〜 5/29(土) 展示「ジギタリス あるいは1人称のカメラ」(石原海、遠藤麻衣子、長谷川億名、細倉真弓)  ◎Takuro Someya Contemporary Art https://tsca.jp/ja/exhibition/digitalis-or-first-person-camera-umi-ishihara-maiko-endo-yokna-hasegawa-mayumi-hosokura/

4/17(土) 『オリンピックという名の虚構:政治・教育・ジェンダーの視点から』刊行記念トーク(井谷惠子、井谷聡子、田中東子) ◎オンライン https://readinwritin210417.peatix.com/

4/20(火)~ 6/13(日) 展示「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる-リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント―」 ◎渋谷区立松濤美術館 https://shoto-museum.jp/exhibitions/190bacon/

4/22(木)~ 9/26(日) アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人 ◎森美術館 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/anotherenergy/

4/24(土)〜 映画「とてつもなく大きな+川添彩監督作品 特集上映」 ◎シアターイメージフォーラム http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/4241/

4/24(土)〜8/29(日) 展覧会「イサム・ノグチ 発見の道」 ◎東京都美術館 https://isamunoguchi.exhibit.jp/

4/25(日) 本「テレビは見ない」というけれど   エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読む(青弓社) https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787234865/

4/25(日) 上映+トーク「I Am Here-私たちはともに生きている-」(浅沼智也、畑野とまと、三橋順子|TransGender Studies) ◎AMARANTH

4/28(水)〜 映画『ラスト・シフト』デジタル配信 https://www.sonypictures.jp/he/11224534

その頃、インターネットでは...

・基礎から学ぼう!労働問題とハラスメントに関する勉強会(Filmground、グッチーズ・フリースクール) https://youtu.be/2n5Ztvb-6RE

・高田冬彦 個展『LOVE PHANTOM 2』インスタレーション記録映像(WAITINGROOM) https://vimeo.com/524163542

・「ことばとセクシュアリティ」をめぐる有識者会議──メディアに根付く役割語をアップデートせよ! (2020年 VOGUE CHANGE) https://www.vogue.co.jp/change/article/sexuality-in-language  

・ドラマ『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』配信(ルカ・グァダニーノによるテレビドラマ) on スターチャンネルEX(Amazonプライムビデオチャンネル) https://www.star-ch.jp/drama/wearewhoweare/

・映画『ハッピー・オールド・イヤー』 on Netflix (4/10〜) http://www.zaziefilms.com/happyoldyear/

・ドラマ『ヴィダ 故郷の母が遺したもの』on STARZPLAY(Apple TV, Amazonプライムビデオ) https://youtu.be/k0Ha20Njsf0

・映画『私はあなたのニグロではない』 on GYAO! https://bit.ly/3fu6d5z¥/

・映画『影裏』 on Netflix https://netflix.com/title/81345933

・映画『私をくいとめて』onAmazonプライムビデオ https://youtu.be/f2XAxI-MPEM

・インタビュー「ドイツ国立歴史博物館での「ホモセクシュアリティーズ」展はいかにして実現したか。《前編》」 on Normal Screen http://normalscreen.org/blog/schwules1  ★

・記事「安全な空間と不適切な身体-ピョン・ヒスさんを追悼して―」(東アジアのクィア・アクティヴィズム|福永玄弥|出版舎ジグ)https://jig-jig.com/serialization/fukunaga-quaia-activism/fukunaga_extra/

(サムネイル:『ナイトレイト・キス』Dir: Barbara Hammer)

ノーマルの気になる催し物リスト2021年3月

Normal’s List
March. 2021

〜3/7(日) 高田冬彦展『LOVE PHANTOM 2』 ◎WAITINGROOM  https://waitingroom.jp/exhibitions/love-phantom-2/

〜3/14(日) バレエ映画の世界 ~日本バレエ発祥の地・鎌倉~ ◎鎌倉市川喜多映画記念館 https://kamakura-kawakita.org/exhibition/202012-balletinkamakura/

〜3/21(日) グスタフソン&ハーポヤ展「Becoming——地球に生きるための提案」 ◎京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA https://gallery.kcua.ac.jp/archives/2020/319/

〜3/21(日) 花代展「雲峯のたぬき婆さん」 ◎SYP Gallery https://sypgallery.com/

〜3/28(日) 「アーノルド・ローベル」展(「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念) ◎立川・PLAY! MUSEUM https://play2020.jp/article/arnoldlobel/

〜4/11(日) 20世紀のポスター[図像と文字の風景]――ビジュアルコミュニケーションは可能か? ◎東京都庭園美術館 https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210130-0411_ConstructivePostersOfThe20th.html

上映中 映画『夏時間』 ◎ユーロスペース http://pan-dora.co.jp/natsujikan/

上映中 映画『ステージ・マザー』 ◎TOHOシネマズ シャンテほか https://stage-mother.jp/

3/3(水)〜4/18(日) 井原信次展「Love Your Neighbor 2021」 ◎KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/love-your-neighbor-2021

3/3(水)〜 映画『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』 (クリステン・スチュワート、マッケンジー・デイヴィス出演) ◎デジタル配信 https://sonypictures.jp/he/2467676

3/6(土)、4(日) ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2021 ◎京都府京都文化博物館別館、京都新聞ビル地下1階 https://artists-fair.kyoto/

3/6(土)〜3/19(金) 『プンクトゥム:乱反射のフェミニズム』(碓井ゆい、近藤銀河、齊藤幸子、鄭梨愛、李晶玉、嶋田美子、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、super-KIKI、間部百合|NEW ERA Ladies) ◎BONUS TRACKギャラリー https://note.com/bonustrack_skz/n/ne5705eb8c386

3/6(土)〜4/5(月) 『プンクトゥム:乱反射のフェミニズム』(NEW ERA Ladies) ◎本屋B&B https://twitter.com/NEWERAladies

3/6(土)〜4/17(土) 展示「ETERNAL MEMORIES」(カナイフユキ、小玉智輝) ◎京都 COHJU contemporary art https://www.cohju.com/

3/7(日) NOT ALONE CAFE ◎オンライン https://twitter.com/NotAloneCafe

3/7(日) 『TSUNAMI LADIES ~日本とチリ、海でつながる強くしなやかな女性たちの物語~』 ◎オンライン https://womenseye.net/info/4210

3/8(月) 国際女性デー https://womensmarchtokyo.wordpress.com/

3/10(水)〜4/18(日) 「星空と路(みち)」 ◎3がつ11にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク) https://recorder311.smt.jp/information/59863/

3/11(木)- 3/21(日)『忘れる滝の家』(青年団若手自主企画) ◎アトリエ春風舎 http://www.seinendan.org/link/2021/01/7485

3/12(金) 本「キミのセナカ」発売(野原くろ|loneliness books) https://qpptokyo.com/items/601956fa3186253e6e93edc8

3/12(金) 本「向井くんはすごい」発売 (ももせしゅうへい|KADOKAWA) https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000640/

3/13(土)〜4/2(金) 『チベット映画特集』 ◎岩波ホール http://moviola.jp/tibet2021/

3/19(金)〜5/16(日) 展示「LOUIS VUITTON &」 ◎jing

3/19(金)〜 映画『ミナリ』 ◎TOHOシネマズ シャンテほか全国公開 https://gaga.ne.jp/minari/

3/19(金) 本『ぼくをくるむ人生から、にげないでみた1年の記録』発売(少年アヤ|双葉社) https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-31611-7.html

3/20(土) ~ 6/6(日) 久保田成子展「Viva Video!」 ◎新潟県立近代美術館 https://kinbi.pref.niigata.lg.jp/tenran/kikakuten/shigeko_kubota/

3/20(土) ~ 映画『夜明け前のうた ~消された沖縄の障害者』 ◎K′s cinema https://yoake-uta.com/

3/20(土) ~ 6/20(日) 展示「ライゾマティクス_マルティプレックス」 ◎東京都現代美術館 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/rhizomatiks/

3/20(土) エトセトラトーク「2000年代『バックラッシュ』とはなんだったのかを知る」 ◎オンライン https://peatix.com/event/1836299

3/21 (日) シンポジウム「フェミニスト/クィア・ユートピア&ディストピア−非規範的な欲望と身体を通して想像されるオルタナティブ・ワールド」(生駒夏美、中村麻美、ヴューラー・シュテファン、飯田麻結、清水晶子) ◎オンライン http://subsite.icu.ac.jp/cgs/event/post-95.html

3/26(金) 本「メッセージ トーベ・ヤンソン自選短篇集」 http://filmart.co.jp/books/novel/tove-jansson/

3/27(土) トーク  『ゴールデン・ゲート・ガールズ』監督S. ルイザ・ウェイQ&A生配信 (Queer Visions Virtual) ◎オンライン http://normalscreen.org/events/qvv

 

その頃、インターネットでは...

・ドラマ『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』配信(ルカ・グァダニーノによるテレビドラマ) on スターチャンネルEX(Amazon Prime Videoチャンネル) https://www.star-ch.jp/drama/wearewhoweare/

・ドラマ『ヴィダ 故郷の母が遺したもの』on STARZPLAY(Apple TV, Amazon Prime Video) https://youtu.be/k0Ha20Njsf0

・インタビュー「ドイツ国立歴史博物館での「ホモセクシュアリティーズ」展はいかにして実現したか。《前編》」 on Normal Screen http://normalscreen.org/blog/schwules1  ★

・「政府は戦没者の骨を基地建設に使うつもりなのか?」#沖縄の声は届いていますか on Choose TV https://youtu.be/bySaATlshK4

・東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻 修了制作展 配信(21日まで) https://animation.geidai.ac.jp/12comma/

・映画『ゴールデン・ゲート・ガールズ』配信(Queer Visions Virtual) http://normalscreen.org/events/qvv  ★

《後編》ドイツ国立歴史博物館での「ホモセクシュアリティーズ」展はいかにして実現したか。

《後編》目指したのは、見る人の視点を変えること

2015年、ドイツ歴史博物館とシュヴルス・ミュージアムで同時開催された「Homosexuality_ies(ホモセクシュアリティーズ)」展のディレクター、ビルギット・ボソルド(Birgit Bosold)さんに、写真家の間部百合さんがインタビュー。
後編では、この展示は、ただ同性愛の歴史を見せるだけのものではないという話に。
同性愛者や女性など、マイノリティがいかにして社会で周縁化されていくかを示したかったという、この展示に込められた意図を聞いた。

Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe

フェミニズム視点の同性愛史を見せたかった

M(Yuri Manabe):最初の展示室にあった女の人たちの古い絵が印象的でした。どうやってあれらがレズビアンにつながっているとわかったのですか?

B(Dr. Birgit Bosold):はっきりわかっているわけではありませんよ。確かに中には何人かレズビアンがいますが、ここで見せようとしている主な視点はそういうことでありません。ここでの主題は、テーマについて話すこと、そして、認識はどのようにして起こるかということです。

例えば、ヨーロッパの美術史ではとても有名な、クールベによる女性カップルの絵画があります。この絵の女性たちはほぼ裸でエロティックなポーズをしているのですが、ヨーロッパの美術史の中では誰も彼女たちをレズビアンとは認識していません。

例えば同じポーズを2人の裸の男性がしていたら、誰もが「ああ、これはゲイだな」って言うでしょう。でも、2人の女性が裸でいてもレズビアンとは言われない。レズビアンの欲望は認識されないのです。女性同士はセックスできない。女性同士の同性愛は存在しないと言うのと同じです。

これは自画像の話にも通じるものがあります。自画像の展示コーナーがありましたよね。これらの自画像のポーズは、美術史上よく描かれてきた女性のポーズとは全然違います。「私はペインターだ」っていう絵。

過去にはアーティストといえばほとんどが男性でした。女性はアートを学ぶことができなかったし、女性のアートは真面目に取り扱ってはもらえなかった。女性アーティストとして自分自身を描くことは、いわゆる“女性表象”とはまったく違う表現です。自意識についての異議申し立てとしての行為、気づきの表現なんです。

美術史の中で、“女性、レズビアン、異性愛規範的でないアイデンティティ”について、何を認識して何を認識してこなかったのかを見せることが、ここでのテーマであり目的でした。

同性愛は長い間犯罪でしたからね。公的文書の中に記録を見つけることはできないでしょう。なので、美術史自体の読み直しが必要なんです。もし読み直しを始めたら、そこにはたくさんの興味深い発見がある。それを示すことがこのセクションの目的でした。レズビアンのアーティストを見せたかったわけじゃないんです。

M:そうだったのですね。私は単純にこの時代にこんな人がいたんだ、とわくわくしていましたけど。ある意味とても複雑な、表面に出てこない視点を、インスタレーションとして見せていたのですね。

ちなみにこの展示は、かなり女性にフォーカスしているように思えたんですけど、どうしてこうなったのですか?

B:どうして女性にフォーカスしてはダメなんですか?

M:いい答えですね。

B:それはね、この展示のメインの目的なんです。今までいつも同性愛について公に話すときの視点は男性でした。たぶん日本も同じでしょう。今回の展示で、私が特に大事にしたことの一つに、レズビアン、フェミニスト、アクティビストの存在やストーリーを見せることがありました。なぜなら、彼女たちはとても重要な存在だからです。ゲイムーブメントにも、フェミニズムムーブメントにも大事な存在なんです。彼女たちに光を当てたかった。見せたかったし、感謝したかった。歓迎したかったんです。そこに気づいてくれたんですね。嬉しいですよ。

M:もちろんです。気づきましたよ。

ところで、シュヴルス・ミュージアムの中での展示に「what's next」というのがありましたよね。今活躍しているアクティビストやアーティストたちが同じ質問に答えた動画で、「クィアって何ですか?」という質問に対して「クィアにはフェミニズムの視点が大事だ」と言っている人がいたのがすごく印象的でした。

B:あのアートワークで見せている多様な視点こそ、私たちが一番見せたかった部分です。あの展示では、ゲイポリティクス、クィアポリティクス、レズビアンポリティクスの違いを見せています。こういう展示の仕方は、私がディレクターだったから、ボスだったから決められたのです。私がレズビアンでフェミニストだから、“視点”を変える必要があったんです。

M:かっこいい! それにしても、フェミニズムの視点をこんなに盛り込むことは大変だったんじゃないですか? 現実として、すごく男性中心的な世界では。

B:確かにそうです。

 
Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe

見せたかったのはマイノリティの歴史ではなく 社会の中のジェンダー規範

B:でもね、考えてみてください。同性愛はスキャンダルだった時間が長かった。ある意味では、そうでなくてはならなかったし、今でもそうなんです。男性同性愛の合法化には大変長い、100年以上の論議が必要でした。しかし、なぜ同性愛が問題だったのか、今私たちは理解できなくなっているのです。

M:なるほど、そうですね。

B:どうしてそれが問題になり、問題にすべきだったのでしょうか。それは、「ジェンダーの規範/序列」の考え方を理解していないと、わからないと思います。

いわゆる異性愛規範の世界では、ジェンダー(社会的性別)もセックス(生物学的性別)も2種類だけです。この異なる2種類がセックスすることになっている、しなければならない。この異なる2種類が「セックス」して「子ども」を作って、社会の中で特権を持っています。こうして、ある種のジェンダーが他のジェンダーより特権を持つ構造ができるのです。それは神の創造した自然である、とか言われたりして。

これは世界のさまざまな場所で基本的な見方として存在してきました。「レズビアンは本当の女性ではない」とか「ブッチは女ではない」とか「ゲイは本物の男ではない、女性である」とか。女性同性愛者や男性同性愛者の存在は、“自然”な性別役割への攻撃だと思われるんです。

同性愛を問題視する背景に、こういった広い文脈がまずあるのです。“自然”と言われているものが実は自然ではなく、“セックスやジェンダーがどうあるべきかという考え方”が存在している。

個人的なことは個人的なこと。個人的な関係や感情は、個人的なセクシュアリティ。でも、これらは本当に政治的なことなんです。政治とつながっているんです。もしあなたがこうしたバックグラウンドを知らなければ、何を議論しているのか、なぜ多くの社会において同性愛が問題になるのかを理解することができないのです。

M:とても興味深いです。そしてとてもわかりやすいですね。例えば異性愛規範の確固たる社会からしたら、同性愛のことは自分たちとは関係ないから考えない、忘れてしまっても構わないと、問題すら考えない人たちがいるのではないでしょうか?

B:そうですね。ですから、私たちの目的の一つは、こういう視点を社会に対して開くことだったのです。私たちは、マイノリティの歴史を見せたいわけではありません。変な趣味の、変わったある種の人たちの習慣を見せたいわけではありません。社会のど真ん中での、“この議論”そのもの、何が社会の原理とされているのかという基本的な考え方を、議論を見せたかったのです。「はい、私はホモです」というだけではなくて、社会に存在してきた考え方や背景、そのありようを見せたかったのです。

M:そうですね。“私”は個人であり、アイデンティティを持っています。そして同時に、自分の属するカルチャーの上に成り立っていますよね。社会は個人から切り離せるものではない。“私”は社会的な在り方から逃げることはできない。日本人であること、日本の法に則っていること、日本の慣習の則っていることなどなど。だから私は、社会と個人の関係性を考えるという意味でも、クィアシーンが面白く思えるのです。

B:そうね。ヘザー・カシルスのメインビジュアルになったポスターの写真を覚えていますか? あれは多くの人を刺激するものです。

M:ああ、はい、そうですよね。そう思いました。

B:あれは、私たちが開きたかったとてもベーシックな「問いかけ」の作品です。この展示が何についてのものであるかを、明確に見せてくれる作品だと思います。体とは、ジェンダーとは、セクシュアリティとは、規範とは何か。これらは互いにどう関係しているのかを、わかりやすく見せていますよね。

 
Schwules Museum, the exhibition “Homosexuality_ies” poster. Heather Cassils.

Schwules Museum, the exhibition “Homosexuality_ies” poster. Heather Cassils.

今もなお、女性差別は根本的な議論

M:一般的に、異性愛規範的な人たち、保守な人たちの多くは、セックスや欲望について日常の中で話すことを避けますよね。実際には彼らにとっても日常的なことなのに。そういった人たちも含めて、この展示への反応はどうでしたか?

B:反応はとても広くありました。特にメディアからの反応は多かったですね。ドイツの大手新聞、アメリカのメディア、さまざまなLGBTマガジン、ワールドワイドでした。そして、来場者は10万人を超えています。でも、この展示はやっぱり、主に若い人たちやクィア、ゲイの人たちのものだと思いますね。いろいろな視点を可視化していくといってもね、いわゆる保守的な人たちはこの展示を見たくないでしょうね。

M:……。でも、国立の歴史博物館で同性愛に関する展示をするのは、たぶん世界でも初めてだったんじゃないですか?

B:ええ、そうですね。ニューヨークの美術館でもとても重要なゲイアートの展示がありましたが、こういった文化や歴史の世界での展示は世界でも初めてだと思います。私たちが“前衛”です!(キリッ)

M:今までの活動で、仲違いってなかったのですか? レズビアンとゲイの違いや、男社会という基盤についての考察の違い、マイノリティの中での差別とか。

B:70年代は、ゲイとレズビアンの間に非常に深刻な仲違いがありました。ゲイムーブメントが始まった当初、レズビアンとゲイは一緒に活動していました。ところが70年代半ばには、レズビアンアクティビストはゲイと一緒に活動するのをやめて去り、自分たちの活動の場所を作ったんです。そしてそれが、フェミニズムムーブメントにつながっていきます。

男性が支配している世界で、男性と活動することは困難だったのですね。男性たちはお金や権力を持っているし、他にもいろいろ……。

2年前、『ジーゲスゾイレ』というゲイのフリーマガジンが、クィアシーンにおける男性支配やレズビアンポリティクスについての議題を取り上げました。70年代とは変わってきていますが、今でも議論は続いています。

シュヴルス・ミュージアムは、とても大きな博物館です。レズビアンミュージアムに比べると、すごく大きい。世界ではサンフランシスコとベルリンにゲイミュージアムがありますが、それらと比べてもシュヴルス・ミュージアムは大きくて、一番古いのです。そういう私たちですら、今でも男女差別の問題については話し合っています。日常的な議論ではありませんが、根本的にはありますね。やはり今でも男性たちには特権がありますから。

M:なるほど。そんな男性視点がとても多い社会で、女性視点で作られているこの展示は、やっぱりすごいです。この時代においても。

B:それが一つの目的でしたからね。視点を変えること。でも、すべてが変わったわけではありません。これは一つのステップだと考えていますね。

 
Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe

「Homosexuality_ies」展、その後

2016年3月、シュヴルス・ミュージアムの入り口のドアに、銃で開けられた穴ができた。何によって開けられたかはわからない。弾丸が見つかっていないから、エアガンによるものかもしれない。

「ここにいる人はほとんどがボランティアで、誰がどんな状態であっても受け入れられる、安全な場所があることを喜んで来ているんです」と、スタッフメンバーは心配している。

同年5月、「Homosexuality_ies」の展示は、南ドイツのヴェストファーレン州立美術館への巡回展が決まった。ところが、首都ベルリンよりも保守的と言われる街では、論争が起こった。ドイツ鉄道ドイチェ・バーン社が、列車内広告に展示の宣伝ポスターを貼ることはできないと言ったのだ。それも、性的で、かつセクシストであるという理由で。

この展示のオーガナイザーの一つであるシュヴルス・ミュージアムは、メディアに向けて声明を発表し抗議した。

「2015年末にケルンで大勢の女性(被害届は500件以上)が強盗・性的暴行にあったことを受けて、世論がセクシズムに敏感になっていると、ドイチェ・バーン社は言っています。しかし、その禁止は間違っているし、適切ではありません。今までヘテロセクシュアル視点のヌードであれば問題なく使用してきたことは、興味深いと言わざるを得ません。ジェンダーの概念を問う内容となると途端に検閲してセクシストと呼び、公共の展示にはふさわしくないと判断されるとは」

数日後、ドイチェ・バーン社は先の決定を取り下げたが、展示の広告掲載場所はすでに移してしまっていた。

論議が巻き起こったことについて、ポスター写真を制作したアーティストであるカシルスは「私の作品に対して嫌悪感を示すことは、より広い意味でのトランスフォビアを示すことに他ならず、それは結果的にトランスジェンダーや、ジェンダーに適合しない体を持つ人たちの存在を、公共スペースから排除することに繋がるのです」と自身のウェブサイトで訴えた。カシルスは、ドイチェ・バーン社がセクシストだといった作品を、インターネット上で無料でダウンロードできるようにし、ドイツ鉄道の駅に設置されている性差別的で異性愛規範的な広告の上に貼るよう呼びかけている。

社会のコンセンサスに内在化している規範や、検閲という権力の現れ方、あり方に対しての問いかけは、まだまだ続きそうだ。

 
Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe


ノーマルの気になる催し物リスト2021年2月

Normal’s List
Feb. 2021

ノーマルの気になるリスト、早くも2021年2本目です。

〜2/14 展示「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 ◎東京都現代美術館 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/

1/9(土)〜3/28(日) 「アーノルド・ローベル」展(「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念) ◎立川・PLAY! MUSEUM https://play2020.jp/article/arnoldlobel/

1/16(土)~3月13日(日) 展示「久家靖秀 / Mnemosyne」 ◎Time & Style Midtown https://www.timeandstyle.com/yasuhide-kuge-mnemosyne-exhibition-at-time-style-midtown/

1/22(金)〜 映画『天空の結婚式』 (原案は舞台「My Big Gay Italian Wedding」) ◎YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか http://tenkuwedding-movie.com/

1/30(土)- 3月7日(日) 高田冬彦『LOVE PHANTOM 2』 ◎WAITINGROOM  https://waitingroom.jp/exhibitions/love-phantom-2/

2/3〜3/19 SURVIVE - EIKO ISHIOKA 石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか(後期:グラフィック・アート) ◎ギンザ・グラフィック・ギャラリー https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000761

2/5(金)〜2/21(日) 第13回恵比寿映像祭 ◎東京都写真美術館、日仏会館、恵比寿ガーデンプレイス センター広場ほか https://www.yebizo.com/

2/11(木・祝)〜2/21(日) 映画「蘭若寺らんにゃじの住人」(ツァイ・ミンリャン初のVR) ◎六本木・ANB Tokyo https://theatercommons.tokyo/program/tsai-ming-liang/

2/11(木)〜3/11(木) シアターコモンズ’21(ツァイ・ミンリャン、中村佑子、小泉明郎、スザンネ・ケネディ&マルクス・ゼルク/ロドリック・ビアステーカー、バディ・ダルル、百瀬文、佐藤朋子、高山明/Port Bなど) ◎東京都港区エリア各所 https://theatercommons.tokyo/

2/12(金) 音楽、ダンス語り「いざ!廃道をゆく」(佐々木紀子、砂山典子、梅津和時、多田葉子、関島岳郎、山本芳樹、Kuniko) ◎岩間市民プラザ https://project-now.jimdofree.com/

2/13(土) 「ニューヨークのレズビアンアーカイヴ探究!」レクチャー、トーク、ディスカッション ◎オンライン http://normalscreen.org/events/lha

2/15(月)〜2/20(土) ベトナム映画の現在 ◎アテネ・フランセ文化センター http://www.athenee.net/culturalcenter/program/vi/vietnamesecinema.html

2/18(木)〜 ドラマ『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』配信(ルカ・グァダニーノによるテレビドラマ) ◎スターチャンネルEX(Amazon Prime Videoチャンネル) https://www.star-ch.jp/drama/wearewhoweare/

2/19(金)〜  映画『ベイビーティース』 ◎新宿武蔵野館、WHITE CINE QUINTOほか https://babyteeth.jp/

2/19(金) 映画『絶唱浪曲ストーリー(ラフカット版)』(川上アチカ監督|山形ドキュメンタリー道場3) http://yidff.jp/news/21/210121.html?fbclid=IwAR2flTZeG9jfyZqCqFGbJt-qAKUpYQlDidXBZAavesFbEFJUkq8NB1CweOQ#fri1

2/20(土) レクチャー「越境するBL―日本と東南アジアの事例から」(長池 一美|国際交流基金バンコク日本文化センター) ◎オンライン https://www.jfbkk.or.th/ja/j-talk_diggin_culture_10-2/  

2/20(土)~3/5(金) イスラーム映画祭 ◎渋谷ユーロスペース http://islamicff.com/

2/20(土) 上映会 デイナ・ミシェル 「Mercurial George」&「Lay them all down」(KYOTO EXPERIMENT) ◎京都芸術劇場 春秋座 https://kyoto-ex.jp/shows/2021s-dana-michel/

2/26(金)〜 映画『ステージ・マザー』 ◎TOHOシネマズ シャンテほか https://stage-mother.jp/

2/26(金)〜3/26(金) 次世代映画ショーケース2021(インディペンデント映画24本上映) ◎みなみ会館、元町映画館、出町座、シネ・ヌーヴォ  https://www.zisedai-eiga.com/  

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その頃、インターネットでは、、、
・第10回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(ユニフランス|〜2/16) https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema2001160216/

・『ヴィダ 故郷の母が遺したもの』on STARZPLAY(Apple TV, Amazon Prime Video) https://youtu.be/k0Ha20Njsf0

・『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』を翻訳出版クラウドファンディング(Thousands of Books) https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/4345

・関根信一さんが劇団フライングステージ「Rights, Light ライツ ライト」を解説する音声を公開 http://normalscreen.org/blog/rights

・Visual AIDS 映像集「トランスミッションズ」 http://normalscreen.org/events/dwa2020

・「ドイツ国立歴史博物館での「ホモセクシュアリティーズ」展はいかにして実現したか。《前編》」 on Normal Screen http://normalscreen.org/blog/schwules1  ★

・「レズビアン ハストリー アーカイブ:その歩みを振り返る」「ラブレター レスキュー隊」映画配信 http://normalscreen.org/events/lha  ★

レズビアン ハストリー アーカイブ

ニューヨークのブルックリンにレズビアンの人たちにより始まり現在も続くアーカイブがあることを知っていますか? 1970年代に、他では見つけることのできなかった自分たちの求めるもの、そして自分たちの記録を自分たちで保存するために女性たちがマンハッタンのあるアパートメントに資料をあつめはじめました。やがてレズビアンの経験に特化したアーカイブとしては、世界最大級となります。

今回は、その空間を紹介する短編ドキュメンタリー2本を日本語字幕つきで公開し、2019年に現地で同施設に何度も訪れ調査された菅野優香さん(同志社大学・視覚文化研究やクィア・スタディーズなどを研究)にオンラインでお話していただき、希望者によるディスカッションも行います!(計90分ほどを予定)

詳しくはこちら:https://normal-herstory.peatix.com/

このイベントは、歴史や記憶や保存について考える特集の1つです。

 

 

    * * *     * * *     * * *

レズビアン ハストリー アーカイブ:その歩みを振り返る
(メガン・ロスマン|6 min|2016)©Megan Rossman

歴史が作られる横で消えていく。そう気づいた女性たちが1974年に設立したレズビアン ハストリー アーカイブ(LHA)。男たちの目線で語られてきたヒストリー(his story)ではなくハストリー(her story)。彼女たちのミッションは、レズビアンたちの人生や活動、そしてその証を集め保存すること。そうすることで、先の世代が、自分たちの人生に直に関わる情報に触れることができる環境をつくってきた。本作では、ニューヨークで現在も続くその活動を垣間見ることができる。

ラブレター レスキュー隊
(メガン・ロスマン|7 min|2016)©Megan Rossman

LHAのこれまでをもう一度ふりかえりつつ、共同設立者のデボラがより具体的なエピソードを語る。若い頃に公民権運動に刺激を受けたというデボラは、ストーンウォールの反乱から数年後にアーカイブを設立。アーカイブはアクティヴィズムだ、と語りつつ、ある時は、誰かが失恋した勢いで捨てそうな恋文を “レスキュー” する隊員のようだったと、笑う。

*日本語字幕表示は画面右下【CC】をクリックしてください。

監督プロフィール
メガン・ロスマン
大学在学中からドキュメンタリーの制作をはじめ、これまでに手がけた作品は、世界中の映画祭で上映された。ワシントンポスト紙でメディアジャーナリストとして従事し、2011年にはエミー賞を受賞した。ここで公開した短編作品は、アメリカ国内のLGBTQ映画祭はもちろん、欧州や韓国でも上映され好評をはくした。2019年には、今回公開した短編2作品をベースにした長編映画『The Archivettes』を発表し、LAの大規模なクィア映画祭Outfestなど50以上の映画祭で上映された。ロスマンは、ニューヨーク州立大学パーチェス校で教鞭もとる。

Rossman at the 2017 Princess Grace Awards Gala. (photo by Matt Winkelmeyer/ Getty Images)

Rossman at the 2017 Princess Grace Awards Gala. (photo by Matt Winkelmeyer/ Getty Images)

 
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《前編》ドイツ国立歴史博物館での「ホモセクシュアリティーズ」展はいかにして実現したか。

《前編》1970年代からの資料収集がすべての始まり

LGBTQに関する展示が、国立歴史博物館で開催されるなんて、想像できるだろうか。 2015年、ドイツ歴史博物館とシュヴルス・ミュージアム(1985年に設立されたLGBTQ+の歴史と文化についてのミュージアム、アーカイブ、リサーチセンター)では、「Homosexuality_ies(ホモセクシュアリティーズ)」展が同時開催された。 そこで展示されたのは、18世紀後半から現在に至るまでの同性愛の歴史、政治、文化に関する幅広い資料の数々。
2016年2月4日、その展示を観て感銘を受けた写真家の間部百合さんが、この展示のディレクター、ビルギット・ボソルド(Birgit Bosold)さんにインタビュー。 この歴史的な展示が実現するまでの経緯を聞いた。

Photos: Yuri Manabe

Photos: Yuri Manabe

国立歴史博物館での同性愛の展示は「普通」か否か

B(Dr. Birgit Bosold):あなたはベルリンに住んでいるの?

M(Yuri Manabe):いえ、ベルリンに住んでいる子と仲良くしているので、よくベルリンに来るんです。それで、展示を観にきたんです。

B:どうだった?

M:すごくよかったです。びっくりしました。LGBTの歴史や資料をギャラリーで展示することはあっても、国の公共施設であるドイツ歴史博物館でやるなんて、ありえない! って思いました。これって、とてもすごいことじゃないですか?

B:そうですね。社会の真ん中ですからね。

M:それで興奮して、「歴史博物館で同性愛に関する展示をしてるってすごくない?」と ある男友達(ちなみに彼はドイツ人でシスジェンダー異性愛者)に話したら、「そんなに珍しいことじゃないよ。同性愛はすでに社会の一部になっているから」と……。

B:いやいや、この展示はとても特別なことですよ。歴史博物館でやることもそうですし、レズビアン、ゲイ、トランスジェンダー、インターセックスなどの社会から取り残されている人たちをテーマにした、こういう展示は初めてのことですから。

例えば、最近あったドイツ歴史博物館の展示では、7000点もの展示物の中で同性愛者をテーマにした展示物はたった5つでした。多くの作品の中に少しだけ入れても、伝えられないことはたくさん残ります。疎外された人たちの持つさまざまな視点を、包括的に見せるのは難しいと思う。「同性愛に関する展示」を歴史として見せることは、貴重だと言えると思います。

だから、さっきのお友達の意見もすごく興味深いのです。LGBTの人たちは、この展示を観て「特別だ」と言う。でも、異性愛規範的な人たちは、「ああ、普通だよ」って言う。両者のリアクションが違うんですよね。

例えば女性、同性愛者、トランスジェンダー、インターセックス、移民……。そういう社会から取り残されている人たちを、展示の中に少しだけ入れることならできます。でも、今回のようにマイノリティの視点そのものの展示は、10年に1度しかないんです。

だから、もう一度言いますけれどね、これは決して「普通」ではありません。すごく貴重であって、ドイツ歴史博物館の約25年間の歴史の中で、初めての同性愛についての展示なんです。だから、当たり前だなんて、私に言わないでほしいですね(笑)

M:よかった。私もあなたと同じような意見でした。その男性が「珍しくないよ」って言ったことにびっくりしたんです。

B:まあ、ある意味では、今の人たちにとっては珍しくないのかもしれませんね。だって、10年前、20年前は想像もできなかった展示が実現したのですから。近年になって、こういうテーマの展示を国の博物館が行うということが、普通になってきたという状況はあります。でも、日常の中で普通かというと、それは違う。


歴史を残すための第一歩は、収集すること

M:実際どのくらいの時間をかけて、どのような努力の末に、こういう展示が実現したんですか?

B:実現するのには、いろいろなレベルの努力がありました。まずは、シュヴルス・ミュージアム設立の1985年からの働きがあります。30年間のコレクション、ネットワーク、情報、研究といった活動、それ自体が準備と言えますね。

今回の展示物の70~80%は、私たちが積み重ねてきたアーカイブからの賜物です。つまり、シュヴルス・ミュージアムのコレクションから出しています。誰かに頼んだりしていたら、実現できなかったでしょうね。根本的・基礎的なコンテンツのベースがあったのです。

私は30年以上、アクティビストとしてベルリンに住んできて、2006年からこのシュヴルス・ミュージアムの取締役会の一員になって働いています。それで、いくつかの展示をキュレーションしてきました。そして今回、この展示のディレクターとして関わることになったんです。

最初の企画会議は2012年。企画書を出して、2つの大きな芸術財団のサポートを受けることができました。シュヴルス・ミュージアムは、信用ある団体としての価値を持っていたことになります。そして2013年12月に、この展示をドイツ歴史博物館で行うことが決定しました。

会期のスタートは2015年6月。シュヴルス・ミュージアムは多くのアーカイブやネットワークを持っていたので、何とか実現できましたが、準備期間は相当に短いものでした。この大きな歴史の展示をするには、1年半の準備期間は決して十分とは言えませんでしたね。

M:1年半は短いですね。

B:レズアビンアーカイブの『シュピンボーデン』って知っていますか? 

M:知りません。 アーカイブ団体だったら『ビルトビクセル』は知っています。

B:ビルトビクセルは、ハンブルグのすごくいいスペースですよね。フェミニスト、クィアアート、ビデオ、フィルム、ビジュアルアートを収集していて、とても大きなアーカイブを持っています。それとは違ってシュピンボーデンは、ベルリンにあるレズビアンに関するアーカイブ団体で、1970年代の半ばには小さくでは収集が始まっていたと思います。現在では大きなコレクションがありますね。一方で、シュヴルス・ミュージアムは大きな博物館で、6000点ものアーカイブを持っています。今回展示したものは、それらの中からのセレクションです。

最初のほうの展示室で、ポルノやボディビルディングなど250点ぐらいの写真やポストカードの展示があったのを覚えていますか? あれは私たちのコレクションの一つで、シュヴルス・ミュージアムの創立者の一人であるアンドレアス・スタンヴァイラーが、80年代に主にフリーマーケットで収集した、トランスジェンダーや男同士の友情関係を写したポストカードです。兵隊たちがお互いを触り合っているポストカードなどもありますね。

M:フリーマーケットでそんな写真を見つけることができるのですか!?

B:ええ。彼は70年代から収集を始めていました。もちろん特別な収集家からも集めていましたが、フリーマーケットで見つけることもできました。展示にも250枚のポストカードがあったということは、当時もっともっと大きなクィアシーンがあったことがわかりますよね。

M:売っている人は、写っているのがトランスジェンダーだと知って売っていたんですかね?

B:たぶん知らずに売っていたんでしょう。
この「収集する」ことの重要性がわかりますか? 集めていなかったら何もできないのです。

M:私は日本のレズビアンの歴史に関するボランティアグループを手伝っていて、歴史を掘り起こすことをとても重要に感じています。でも、歴史として残っていないのですね。日本におけるレズビアンの存在がなかなか見えてこないのです。

B:そうですね。難しいですよね。今回の展示の目的の一つは、このコレクションを見せることでした。同性愛に関する歴史、または追いやられている人たちのグループなどの記録。記録や収集を牽引してきたのはアクティビストたちです。公的な記録には、そういったコレクションはありません。セクシュアルマイノリティは病理化されていたり、国の収集にとって重要視されていなかったりして、記述には残っていないんです。

最初の一歩は情報を集めること。でないと、歴史とは呼べないんです。研究でストーリーを伝えることもできない。アーカイブすること、それを見せることが重要でした。アーカイブを作り出すことや、その中にある政治的なものを、私たちは読み直す必要があるのです。

 
Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe

男性同性愛は違法、女性同性愛は存在しないもの

M:こういった場所づくりや収集のムーブメントが、70〜80年代に始まったのはなぜなんでしょうね?

B:70年代にはフェミニズムのムーブメントがありました。たぶん日本でもそうでしょう?

M:それかーーー!! 何かつながっているのかな? と思ったのです。

B:特にフェミニズムムーブメントとレズビアンムーブメントはつながっています。フェミニストムーブメントの立役者、ラディカルフェミニストの中に多くのレズビアンがいて、彼女たちは大変アクティブだったようです。実はゲイムーブメントが起こり始めた1969年まで、ドイツの刑法175条は男性同士の同性愛を違法にしていました。

M:男同士だけ?

B:そう、男同士だけ。わかるでしょう? 女同士ではセックスできないから。

M:マジですか?

B:女性同性愛は、深刻な問題とは考えられていなかったんですよ。この法律には長い歴史があります。1800年以前には、男性も女性も同性愛は断罪されていました。1871年にドイツが統合される前は、小さな国がそれぞれ違った法律を持っていて、それぞれ違った状況にありました。同性愛を違法とする法律を持っていない、ナポレオンを皇帝とするフランスの影響を受けている小国もあった一方で、プロイセンのようにソドミー法のある小国もありました。こうした混じり合った構造が、統一前のドイツにはありました。そして1871年、プロイセン王国首相ビスマルクが中心となって統一ドイツが生まれたときに引き継がれた刑法175条によって、男性同士の同性愛が違法とされたのです。

ここでなぜ女性同性愛が犯罪とされていないかというと、2つの理由があると思います。1つは、女性は男性のペニスなしではセックスできないと考えられていたから。ペニスがなくたって何だってできますが、それは本物のセックスではないと言うんです。レズビアンポルノもありましたが、それらはレズビアン女性のためのものではなく、ヘテロセクシュアル男性のためのもの。レズビアンは「大人になるまでの準備段階」とか「これは本物のセックスではない」とか「ペニスを持っているのは俺だ」とかそういう理屈で、真剣には考えられてこなかったのです。

もう1つ言えるのは、1871年のレズビアンを含む女性たちは、参政権もなく、働くこともできず、学ぶこともできなかったので、レズビアンライフを築くことが非常に難しかったということです。女性には何の権利もなかったんです。結婚しないで生きること自体が、経済的に難しい時代でした。もし「女性とともに生きたい」と思っても難しい状況があったせいで、犯罪化する理由もなかったということではないでしょうか?

M:レズビアンが存在すること自体が難しかったってことですか?

B:そうです。そういうことです。

 
Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe

犯罪状態からゲイマリッジまで

B:1908年まで、女性は大学で学ぶことができませんでした。女性が働くことや参政権が認められたのは1918年。参政権がなければ政治にかかわれないので、存在しないことになっているレズビアンは政治的な問題にすらならなかったってことです。この時期が第一派フェミニズムのムーブメントの時期なんですね。

第二次大戦後の1970年代の第二波フェミニズムと同じように、レズビアンアクティビズムは多かれ少なかれフェミニズムアクティビズムと関係しています。レズビアンの問題の前に、女性としての基本的な権理の問題と向き合わなければならなかったのです。

M:そうなんですね。1908年に女性が大学に行けるようになって、1918年に働くことが許された後、1920〜1930年代にはすでにサロン文化があったなんてすごいですね。ベルリンの早い時期のゲイ文化って有名ですよね。成熟がかなり早くないですか?

B:そうですね。20年代にはベルリンだけでなく全ドイツにレズビアンとゲイのカルチャーが見られます。この時代に知られた、素晴らしい小説を知っていますか?

M:知りません。

B:クリストファー・イシャウッドは読まないとダメですよ!

M:あ、その人! 『さらばベルリン(Goodbye to Berlin)』。

B:そうそう! あれは、レズビアン、ゲイのサブカルチャーだったと思います。当時はバー、新聞、雑誌、パーティ、サブカルチャーがあったけど、その期間はすごく短かった。1933年あたりにはナチスが台頭してきて、終わってしまいました。その後、ゲイカルチャーが花開くのは第二次大戦後まで待たなければなりませんでした。東ドイツと西ドイツ、2つの形でね。

M:極端ですね。

B:第二次大戦の後、東ドイツと西ドイツは別々の発展を遂げました。東側と西側は、経済的にも政治的にも違っていましたからね。

西側では戦後のバックラッシュが大きかった。50年代は、現在はメルケル首相の所属している保守政党で、カトリック協会とプロテスタントを含むキリスト教の政党である、ドイツキリスト教民主同盟(CDU)がとても強かったんです。初代連邦首相はアデナウアーで、彼らはキリスト教倫理を新しく設定しました。それは、性に肯定的な姿勢とは真逆のものでした。ナチスによって遂行された古い刑法175条を、新しい民主的社会でもまた存続させて、廃止しようとはしなかったんです。

M:なんだか不思議ですね。東は社会主義に根ざしていたので、男女平等が徹底されていたって、前に聞いたことがあります。

B:そうなんです。西ドイツでは、1969年まで男性同性愛を違法とし、ナチスと同じく男性同性愛者を投獄していました。つまり、男性同性愛への厳罰がなくなったのは、1949年に西ドイツがドイツ連邦共和国として成立してから、20年も経ってからのことだったのです。

東ドイツでも刑法175条は存在していましたが、実際には刑は執行されていませんでした。つまり、どちらかというと東ドイツにいた男性同性愛者のほうが楽だったのです。西ドイツでは、はっきり犯罪として扱われていましたから。民主的な社会で、同性愛を理由に投獄するって信じられますか?

M:信じられませんね。私はどちらかというと西ドイツの資本主義のほうがいい社会だったのかと思っていましたから。自由がないと言われていた東ドイツの社会主義の社会より、西ドイツのほうが同性愛に対する扱いが酷いだなんて皮肉です。

でも、同性愛が犯罪とされている中で、どうやってゲイカルチャーが育ったのですか? ベルリンのゲイカルチャーは世界でも指折りですよね。

B:日本には同性愛を犯罪とする法律はないと思いますが、社会の差別はありますよね? 例えば60年代ごろに、同性愛者であることをオープンにするのは難しかったのではありませんか?

M:はい。まあでも、同性愛者やクィアの存在はありましたよね。江戸時代ごろにも、僧侶や武士の世界などにそういう人たちがいたという記述や絵図が残っていますよ。特にトランスベスタイト(異性装)の人たちとか。

B:それは特殊な社会においてでしょう?

M:そうですね。表には出てこなくても、アンダーグラウンドシーンにはたくさんいました。

B:そう、公式と実際とは違いますよね。たとえ公には禁止されていても、サブカルチャーとしてはたくさんのコミュニティや文化が存在している。それは、1950〜60年代のドイツも同じです。でも、公の評判になるリスクは付きまとってはいましたから、確かに難しかった。公になれば牢屋に入れられる可能性があったわけですから。

M:わー、強烈です。

B:まあ、最悪の場合ね。

70年代には第二のゲイムーブメントが起こり、大人の男性同性愛に関しては法に問われなくなっていきました。同時期に第二波フェミニズムムーブメントが始まった。そこからは、たぶん日本でも同じではないですか?

ゲイムーブメントは1969~1970年ごろから始まり、今に至る成功をしてきました。今では、準同性婚に相当する生活パートナーシップ法まで勝ち取った。異性愛カップルとまったく同じとは言えなくとも、同性カップルのパートナーシップは合法で公式なステータスとして認められています(2017年には同性婚が実現)。考えられますか? 40年前に違法だったものが今では合法となり、ドイツの歴史の一つとなっているのです。これが可視化、「社会の一部になった」ということです。それは大きな成功と許容ですよ。

 
Photo: Yuri Manabe

Photo: Yuri Manabe


 

【音声】関根信一さん:劇団フライングステージ「Rights, Light ライツ ライト」解説


ニューヨークのアート団体Visual AIDSが30年以上継続して毎年12月に行う「Day With(out) Art」という企画があります。彼らはここ数年は、映像作品集をコミッションし日本でノーマルスクリーンがそれに字幕をつけて公開しています。今年は「トランスミッションズ」という新作映像集を公開したのですが、それに合わせて特別オンライントークイベントも行いました!

ゲストは、劇団フライングステージの関根信一さん。関根さんは、2020年11月に東京・下北沢で上演された作品「Rights, Light ライツ ライト」(脚本、演出、出演)で、実際におこったHIV陽性者の内定取消訴訟を題材にオリジナルストーリーを作り上げました。

作品の内容を丁寧な場面説明とともに話してくださったので、下北沢での公演を観られなかった方にも楽しんでもらえる内容になっています。ここでその時の音声を公開します。(文字起こしは準備出来次第 公開する予定です)

 
 
「Rights, Light ライツ ライト」は、2019年に原告勝訴となったHIV内定取消訴訟を題材としたフィクションです。かつてのような怖ろしい病ではなくなったHIV、AIDSですが、偏見は今なお存在しています。LGBTの権利も世界的に認められつつありますが、犯罪だとする国も依然としてあります。タイトル「Rights, Light」は、失われるかもしれない「権利」と希望の「光」からつけたものです。
—  劇団フライングステージ ウェブサイトより (2020年9月)

「Rights, Light ライツ ライト」 千穐楽 記録映像(全編):https://youtu.be/gVwVidpwYC8
「Rights, Light ライツ ライト」 千穐楽 記録映像(36分のダイジェスト版):https://youtu.be/CybTXERiEYo

↑で言及される過去作品過去作品「プレゼント」▶︎http://www.flyingstage.com/present.html

関根さんが言及されたアフリカの映像はこちらで公開中です:
http://normalscreen.org/events/dwa2020

◾️イベントは、2020年12月11日(金)の夜に、Zoomで行われました。

ノーマルの気になる催し物リスト2021年1月

Normal’s List
January 2021



~1/15 展示「Inside/Out ─映像文化とLGBTQ+」 ◎早稲田大学演劇博物館 http://www.waseda.jp/enpaku/ex/10407/

〜1/24 エリック・スワーズ「kuchisabishii」 ◎KEN NAKAHASHI GALLERY https://kennakahashi.net/

〜2/7  ダグ・エイケン 「New Ocean: thaw」 ◎Espace Louis Vuitton Tokyo https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/detail

〜2/14 展示「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 ◎東京都現代美術館 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/

公開中 ソル・ルウィット ウォール・ドローイング(Wall Drawing #769) ◎東京国立近代美術館  https://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20201103/#section1-4

~4/18(日) 展示「世界のブックデザイン 2019-20」 ◎印刷博物館 https://www.printing-museum.org/

1/8(金)~17(日)  セクシュアルマイノリティと医療・福祉・教育を考える 全国大会2021(「ろうLGBTQ、日本と韓国のつながり」など) ◎オンライン https://queertaikai2020.wixsite.com/2021/

1/9(土) シンポジウム「〈民意〉の世紀―大衆社会の政治・芸術・文化」(生井英考、前嶋和弘、池上裕子、片上平二郎) ◎オンライン https://www.rikkyo.ac.jp/events/2020/04/mknpps0000010oqj.html

1/9(土)〜 2/13(土) 展示「islands」(アキラ・ザ・ハスラー、竹川宣彰、タン・ディシン、半田真規、さわひらき、樫木知子、照屋勇賢) ◎オオタファインアーツ  http://www.otafinearts.com/jp/exhibitions/2020/post_131/

1/9(土)〜3/28(日) 「アーノルド・ローベル」展(「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念) ◎立川・PLAY! MUSEUM https://play2020.jp/article/arnoldlobel/

1/10(日) SYNTHESE -DRAG meets CONTEMPORARY-(ゴーダ企画) ◎京都芸術センター https://godakikaku.wixsite.com/synthese

1/10(日) 『Rights,Light ライツライト』(世界エイズデーシアター) ◎オンライン https://youtube.com/watch?v=DAdfIwTUUMo

1/11(月・祝) 日本Lばなし第19話 ゲスト:下山田志帆 「シモさん、人生のどこにシュートを狙いますか?」 ◎オンライン https://paflhistory19.peatix.com/

1/15(金)〜 映画『恋する遊園地』 ◎新宿バルト9 ほか http://klockworx-v.com/jumbo/

1月15日(金) オードリー・タン氏との対話|道傳愛子(インド太平洋次世代リーダーによるウェビナーシリーズ|国際文化会館 I-House) ◎オンライン https://www.i-house.or.jp/programs/indopacific_ws20210115/

1/16(土)「エトセトラVOL.4」刊行記念 石川優実✕松尾亜紀子新春トーク「あけフェミことフェミ」 ◎オンライン https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01dq9811cv930.html

1/16〜2/16 第10回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(ユニフランス) ◎オンライン https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema2001160216/

1/16(土)~4/18(日) アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、そして、あなたの視点 ◎資生堂ギャラリー https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/tag_exhibition/future/

1/22(金)〜 映画『天空の結婚式』 (原案は舞台「My Big Gay Italian Wedding」) ◎YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか http://tenkuwedding-movie.com/

1/22(金)〜 映画『どん底作家の人生に幸あれ!』(デヴ・パテル、ベン・ウィショー出演) ◎TOHOシネマズ シャンテほか https://gaga.ne.jp/donzokosakka/

1/23(土)〜 映画『出櫃(カミングアウト)中国LGBTの叫び』  ◎K's cinema  http://pan-dora.co.jp/comingout/

1/30(土)〜4/11(日) 展示「20世紀のポスター[図像と文字の風景]――ビジュアルコミュニケーションは可能か?」 ◎東京都庭園美術館 https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210130-0411_ConstructivePostersOfThe20th.html

その頃インターネットでは ...

・Visual AIDS 映像集「トランスミッションズ」 http://normalscreen.org/events/dwa2020

・『ひつじのショーン』 on Netflix https://netflix.com/title/70155567

・『パラサイト 半地下の家族 モノクロバージョン』on Netflix https://netflix.com/title/81336373

・てんかんを聴く「ぽつラジオ」2020年12月号 https://youtu.be/cwsCUaW1P4U

・関根信一さんが劇団フライングステージ「Rights, Light ライツ ライト」を解説する音声を公開 http://normalscreen.org/blog/rights

アーカイブに関するオンライン特別企画 始動!

記憶、歴史、保存、


「歴史」という言葉は様々な角度からとらえることができます。これまでノーマルスクリーンで上映した作品すべてを「歴史」と紐づけることもできるし、学術的に深くとらえることもできるでしょう。日常の中の何気ない会話ですら、それを記録することで「歴史」になり得ます。この特集では、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの人々にとっての過去や記録/それらと向き合う表現を通して、記憶や歴史や保存について緩やかに考えていきます。

だれがどう残すかにより歴史は変化します。主流文化にないがしろにされてきた、または今もされている活動や生活にまつわる事柄を、LGBTQの人々はどのように歴史に刻んできたのか。どのように記憶を残そうとしたのか。記録がない物事をどのように想像してきたのか。それらはどのように「今」に影響をおよぼしているのか。

古今往来すべてを網羅することはできませんが、国内外のアーカイブ活動や、過去の記録と向き合う映像作品や人、記憶されているけど消えそうなものなど...。特に、あえて残そうとしなければ無視されてしまいそうなものを中心に、ロンドンのLGBTQアーカイブで発見された資料を元に脅迫を受けていたゲイカップルの緊張を再現する映画、さらにブルックリンやベルリンのアーカイブなどをいくつか紹介します。日本での出来事も振り返り、様々な角度からみつめることで、私たちの「存在」について考えていくためのきっかけがここで生まれたらと願っています。


企画:ノーマルスクリーン
チーム:秋田祥|山賀沙耶|間部百合
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

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2020年12月 *ノーマルの気になる催し物リスト

Normal’s List

December 2020

〜12/13(日) 第17回ラテンビート映画祭 ◎オンライン https://www.lbff.jp/

〜12/14(月) 「僕らのポジティブ・ダイアリー」+堀井ヒロツグ写真「Voices / からだの声を聴く」(世界エイズデー in PRIDE HOUSE TOKYO LEGACY) ◎プライドハウス東京レガシー https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1127-pride-house-tokyo-legac

〜12/19 ヴォルフガング・ティルマンス個展「How does it feel?」 ◎ワコウ・ワークス・オブ・アート https://www.wako-art.jp/2020wolfgangtillmans

〜1/24 エリック・スワーズ「kuchisabishii」 ◎KEN NAKAHASHI GALLERY https://kennakahashi.net

~1/15(金)展示「Inside/Out ─映像文化とLGBTQ+」  ◎早稲田大学演劇博物館 http://www.waseda.jp/enpaku/ex/10407/

 〜2/14(日) 展示「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 ◎東京都現代美術館 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/

延期 12/1(火) 演劇『Rights,Light ライツ ライト』(世界エイズデーシアター2020) ◎オンライン http://www.wad-sapporo.org/

12/1(火) 講演「韓国フェミニズムを〈読む〉『82年生まれ、キム・ジヨン』と社会学的想像力」(都留文科大学ジェンダー研究プログラム) ◎オンライン https://www.tsuru.ac.jp/event-list/event/5349.html

12/3(木) マンガはエイズをどう描いてきたか? –『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』を中心に(中垣恒太郎、原正人、大野稔子、織田幸子、島田恵、生島嗣|サウザンブックス) ◎オンライン https://peatix.com/event/1679010

12/4(金)〜 映画『燃ゆる女の肖像』 ◎TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開 https://gaga.ne.jp/portrait/

12/4(金)〜12/11(金) 映画「デボラ・ストラトマン特集」(山形国際ドキュメンタリー映画祭)  ◎アテネ・フランセ文化センター http://cinematrix.jp/dds2020/programs/jurys.php

12/4(金)〜1/23 展示「SURVIVE - EIKO ISHIOKA 石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」 (前期:広告・キャンペーン) ◎ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg) https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000761

12/4(金)あんにょんパンドzoom配信『日本と韓国で外国人として暮らしてみたら』https://kokuchpro.com/event/770387fb06e2febb15b6fb4ec518e12e/

12/4(金)~ 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ4Kニューマスター版 ◎東京・新宿ピカデリーほか https://www.tc-ent.co.jp/sp/backtothe4Kfuture/

12/5(土) 映画『ウィークエンズ』配信上映&トーク(Nam Cho、林夏生、生島嗣|loneliness books) ◎オンライン https://qpptokyo.com/items/5f7ff5d26e8b2b589ae92a66

12/5(土) トランスジェンダーのセクシュアルヘルス(谷口俊文、大槻知子|カラフル@はーと) ◎オンライン https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1205-trans

12/5、6、12、13 No.1031 ヤング・パースペクティヴ2020(次代を担う若手映像作家特集プログラム) ◎イメージフォーラム3F「寺山修司」 http://www.imageforum.co.jp/cinematheque/1031/index.html

12/6(日) Not Alone Cafe ◎ドラゴン/オンライン https://notalonecafe.com/

12/6(日) ぷれいす東京 ポジティブ・トーク〜HIV陽性者とかたる ◎オンライン https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1206-positivetalk

12/7(月)〜 Visual Documentary Project 2020 ◎オンライン https://vdp.cseas.kyoto-u.ac.jp/2020screening/

12/7(月)〜30(水) 舞台「チョコレートドーナツ」 ◎PARCO劇場 https://stage.parco.jp/program/choco/

12/11(金) Visual AIDS 映像集「トランスミッションズ」関連トーク (関根信一(劇団フライングステージ)) ◎オンライン http://normalscreen.org/events/dwa2020

12/12(土) トーク「カミングアウトとその観客」(竹田恵子、山﨑健太|キューピー(qp)) ◎室伏鴻アーカイブカフェShy、オンライン https://fb.me/e/7F48p980Z

12/12(土) PrEPオンライン学習会2020 for ゲイ・バイセクシュアル男性(カラフル@はーと) ◎オンライン https://forms.gle/9h2Xqfita4K4gD9J6

12/12(土) パネルディスカッション「多様なジェンダーと性の健康」(浅沼智也、ジャンジ/荒木順、砂川秀樹、畑野とまと、宮田りりぃ) ◎オンライン https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1212-crosstalk

12/14(月) 映画『海に向かうローラ』(上映&ダイアログセッション:遠藤まめた、秋田祥|SHIBAURA HOUSE、シアター・イメージフォーラム) ◎シアター・イメージフォーラム https://peatix.com/event/1720978/

12/16(水) トーク「Il y a … 存在著」オードリー・タン+四方幸子、モデレーター:シュー・リー・チェン/@ C-Lab台北 ◎オンライン https://youtu.be/3niCaHgV-Oc

12/18(金)〜 映画『私をくいとめて』(大九明子 新作) https://kuitomete.jp/

12/20(日) トーク「私たちのフェミニズム、私たちの場所」(『エトセトラ VOL.4』刊行&エトセトラブックス Bookshopオープン記念|石川優実✕長田杏奈✕田房永子✕山内マリコ✕柚木麻子) ◎オンライン https://etcbookshop1220.peatix.com/

12/21(月) 「パフォーマンスを通して考えるカミングアウト:y/n『カミングアウトレッスン』上映会+トーク」(橋本清、山崎健太|立教大学ジェンダーフォーラム) ◎オンライン http://s.rikkyo.ac.jp/e47a8c6

12/21(月) 瑛子さんを語る! vol.1「あれから9年、エイコを待ちながらーオンライン・ギャラリー解説」 (河尻亨一、北沢永志|ギンザ・グラフィック・ギャラリー) https://youtu.be/ouv8CMJV4ng

12/22(火)トーク「病と障害と、本を読むということ」(頭木弘樹、丸山正樹)◎オンライン  http://bit.ly/3lLWGXk

12/25(金)~ 27(日) ダムタイプ 新作「2020」映像配信(ロームシアター京都)  ◎オンライン https://rohmtheatrekyoto.jp/news/61032/

Las Indetectables, Me Cuido, 2020. Commissioned by Visual AIDS for Day With(out) Art 2020. Still courtesy of Visual AIDS

Las Indetectables, Me Cuido, 2020. Commissioned by Visual AIDS for Day With(out) Art 2020. Still courtesy of Visual AIDS

Jorge Bordello, Ministry of Health, 2020. Commissioned by Visual AIDS for Day With(out) Art 2020. Still courtesy of Visual AIDS

Jorge Bordello, Ministry of Health, 2020. Commissioned by Visual AIDS for Day With(out) Art 2020. Still courtesy of Visual AIDS

その頃インターネットでは…

・『荒野にて』(アンドリュー・ヘイ映画) on Netflix https://www.netflix.com/title/80209997

・『ディック・ジョンソンの死』(キルステン・ジョンソン監督新作ドキュメンタリー)on Netflix https://www.youtube.com/watch?v=wfTmT6C5DnM

・「石岡瑛子を語りつくす」トークセッション(河尻亨一、藪前知子) https://youtu.be/9HiQqZHQzl0

・True Colors Film Festival https://truecolors2020.jp/program/true-colors-film-festival-2020/

・『ディアマンティーノ 未知との遭遇』 on Amazon Prime https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07RG845Z1/ref=atv_dp_share_cu_r

・Visual AIDS 映像集「トランスミッションズ」本編配信(12/3現在、日本語字幕作成中)↓

本作について詳細:http://normalscreen.org/events/dwa2020


2020年11月 *ノーマルの気になる催し物リスト

Normal’s List
November 2020

ノーマルの気になる催し物リスト 11月版!

★=ノーマルスクリーン関連イベント





9/21(月)~11/30(月) 「Tomへの頌歌」展(TOM OF FINLANDに影響を受けた日本人作家による展示、参加予定作家:田亀源五郎、三島剛、Jiraiya) ◎中目黒The Container http://the-container.com/

9/28(月)~2021年1月15日(金) 展示「Inside/Out ─映像文化とLGBTQ+」 ◎早稲田大学演劇博物館 http://www.waseda.jp/enpaku/ex/10407/

10/17~11/21 fumiko imano個展「somehow somewhere sometimes at some place for some reason」 ◎王洲KOSAKU KANECHIKA https://kosakukanechika.com/exhibition/somehow_somewhere_sometimes_at_some_place_for_some_reason



10/31~11/9 第33回東京国際映画祭 ◎六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほか https://2020.tiff-jp.net/ja/

11/1(日) 映像上映「グラウンド・レベル・シネマ Vol.1」 ◎イメージフォーラム3F「寺山修司」 http://www.imageforum.co.jp/cinematheque/1032/index.html

11/1(日) NOT ALONE CAFE(オンライン同時開催) ◎Dragon Men https://twitter.com/NotAloneCafe

11/1(日) Double Twenty/Triple One(DEATHRO、テンテンコ、Hirano Taichi) ◎小岩BUSHBASH https://twitter.com/koiwa_bushbash

11/3(火) ”インディペンデント映画の未来と映画祭”(独立映画鍋×第21回東京フィルメックス×第33回東京国際映画祭) ◎オンライン http://eiganabe.net/?p=2476&preview=true

11/3(火・祝) トーク 第7回あんにょんパンド 「スラットウォークOSAKAから1年 あばずれSTYLEが歴史を動かす!」(竹川宣彰、げいまきまき、きむみょんふぁ、Cozy) ◎オンライン/zoom https://www.kokuchpro.com/event/0e4df0104677b3f9adeb77f0025b613d/

11/4(水) 映画『日子』(ツァイ・ミンリャン新作|第21回東京フィルメックス) ◎TOHOシネマズ シャンテ https://filmex.jp/2020/program/specialscreenings/ss6

11/5(木)〜10(火) 展示「朝露」(参加作家:琴仙姫、竹川宣彰、山本浩貴+高川和也|日本に住む脱北した元「帰国者」とアーティストとの共同プロジェクト) ◎北千住BUoY http://buoy.or.jp

11/6(金) トーク:ツァイ・ミンリャン × 片桐はいり(国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭「アジア交流ラウンジ」) ◎オンライン/zoom https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3315ASL08

11/6(金)〜 映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』(ドキュメンタリー) ◎Bunkamuraル・シネマほか全国で順次公開 http://capotetapes-movie.com/

11月6日(金)、7日(土)、20日(金)、21日(土) IMAGE FORUM FESTIVAL in the SKY(『ファイナル・カット』(監督: パールフィ・ジョルジ)など屋外上映) ◎SHIBUYA SKY スクランブルスクエア https://www.shibuya-scramble-square.com/sky/1aniv/?modal=ArticleEventTheater

11/7(土) 映画『デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング』(ドキュメンタリー|第21回東京フィルメックス) ◎有楽町朝日ホール https://filmex.jp/2020/program/specialscreenings/ss2

11/7(土)〜11/20(金) 「ドキュメンタリー・ドリーム・ショーーー山形in東京2020」 ◎K’s cinema http://cinematrix.jp/dds2020/

11/7(土) 「ジェンダー、セクシュアリティと多言語使用:教養教育における/としてのダイバーシティ」(クレア・マリィ、李琴峰 )  ◎オンライン/Zoom https://bit.ly/375eHMy

11/7(土) 講演会「川本三郎氏が語るカポーティ、その文学的魅力」(Bunka祭2020特別企画) ◎Bunkamura特設会場 https://www.bunkamura.co.jp/sp/bunkasai2020/topics/4027.html

11/7(土) 舞台『詩、踊る』(高橋睦郎、平出隆、宗左近×田村一行、鈴木ユキオ、浅井信好) ◎北九州芸術劇場 http://q-geki.jp/events/2020/siodoru/

11/7〜12/19 ヴォルフガング・ティルマンス個展「How does it feel?」 ◎ワコウ・ワークス・オブ・アート https://www.wako-art.jp/2020wolfgangtillmans

11/10(火)~28(土) ゲリラ・ガールズの日本初個展 ◎倉敷芸術科学大学11号館「ZONE」、Cafe & Bar KAG https://www.kusa.ac.jp/post20201013

11/13(金)〜 映画『詩人の恋』 ◎新宿武蔵野館ほか全国順次公開 http://shijin.espace-sarou.com/

11/14(土) 公開講座「ジェンダーと現代アート」(崔敬華、東京都現代美術館学芸員|ゲリラ・ガールズ個展) ◎Cafe & Bar KAG https://www.kusa.ac.jp/post20201013

11/14(土)〜 展示「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」 ◎東京都現代美術館 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/

11/15(日) セミナー「女性のセクシュアルヘルス 心と身体を守るために セックスする人もしない人も」 ◎オンライン https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1115-femalesh

11/15(日) 映画「最も過酷な年」上映配信&トーク(仙台市男女共同参画推進センター) ◎オンライン https://www.facebook.com/220178841491916/posts/1708015456041573/

11/16(月)〜 23(月) VIRTUAL ART BOOK FAIR https://virtualartbookfair.com

11/19(木)〜12/13(日) 第17回ラテンビート映画祭  ◎新宿バルト9/オンライン http://www.lbff.jp/

11/21(土) TAMA NEW WAVE ある視点 ―Vol.1― (映画祭|グッドバイ[宮崎彩] たまらん坂[小谷忠典] ふゆうするさかいめ[住本尚子] ムイト・プラゼール[朴正一])  ◎ベルブホール https://www.tamaeiga.org/2020/program/

11/21(土) イベント「シコシコ / 模索舎から半世紀」(模索舎50周年) ◎武蔵野スイングホール http://www.mosakusha.com/voice_of_the_staff/2020/09/50.html

11/22(日) パーティ「VITA Sportif Rises」 ◎CLUB CAMELOT https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1122-vitasportif

11/23(月・祝) 映画『虹色の朝が来るまで』上映会(今井ミカ、久保豊|「Inside/Out ─映像文化とLGBTQ+」関連イベント) ◎早稲田大学小野記念講堂 https://www.waseda.jp/enpaku/ex/11337/

11/23(月・祝) Queer Visions 2020 ◎同志社大学 http://normalscreen.org/  ★

11/26(木)〜12/25(金) 展示「U=U 2020 HIVの新常識を知ろう」 ◎コミュニティセンター akta https://aidsweeks.tokyo/event/2020/1126-uu2020

11/27(金) 雑誌「エトセトラ VOL.4」発売(特集:女性運動とバックラッシュ|石川優実責任編集) https://etcbooks.co.jp/

11/29(日) 東海林セレクト「アジア ゲイ短編まつり」 ◎代官山アマランスラウンジ https://twitter.com/Tsuyoshi_Shoji

11/29(日) 第2回「性的マイノリティについての全国調査」(平森大規、河口和也、風間孝、釜野さおり、石田仁、吉仲崇) ◎オンライン https://form-answer.com/applications/M7X2E


その頃インターネットでは ...

・ドキュメンタリー映画『タイム』(サンダンス映画祭2020 USドキュメンタリー監督賞受賞) https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08KZGZBLV/

・本「我和我的T媽媽(同性愛母と私の記録・仮)」翻訳出版のためのクラウドファンディング( Thousands of Books) https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/4012

・トランスフォビアへの抵抗とトランスインクルーシブなフェミニズムのためのリソース集 https://transinclusivefeminism.wordpress.com/

・『Disclosure』サム・フェダー監督によるここだけのQ&A映像! https://note.com/normalscreen/n/nfdecae60be22

・『ボーイズ・イン・ザ・バンド』(2020年リメイク映画) on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/81000365

・『制作・出演陣が語るボーイズ・イン・ザ・バンド』 on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/81332757

・『ディック・ジョンソンの死』(キルステン・ジョンソン監督新作ドキュメンタリー)on Netflix https://www.youtube.com/watch?v=wfTmT6C5DnM

・ポジティブ・トーク〜3人のHIV陽性者とかたる(ぷれいす東京) https://youtu.be/y7XeSHGgmgU

・ファッション通信「日本人モデル進化論 2020」(BSテレ東で8月8日に放送分) https://youtu.be/4bD1r3ZUO4E

・刷音(シュアイン) https://sure-inn.com/

・映画『パンク・シンドローム』『ブアさんのござ』(10代のための映画便(山形国際ドキュメンタリー映画祭 過去受賞4作品、期間限定オンライン無料配信|11/13〜26) http://www.yidff.jp/news/20/200929.html

台湾実験映画・その現在:参加作家紹介+作品解説



2020年10月3日~9日に東京渋谷のシアター・イメージフォーラムで行われた台湾実験映像特集で配布した資料で掲載したテキストを公開します。作家プロフィールと作品解説は作家から提供してもらったものを 翻訳しました。一部で情報の省略、アップデート、追記をしています。
イベント概要:http://normalscreen.org/events/taiwan2020

 *** *** *** *** ***

台湾新実験電影:ひしめきあう地盤の端のこどもたち
Children on the edge of itchy-tectonics : Taiwanese New Experimental Films
キュレーション:吳梓安(ウー・ツィアン) 9作品|合計80分

私たちの組曲(《隱沒帶》:〈我們的組曲〉)
雪克 |2016年|カラー|FHD|7分36秒|台湾
台湾のユニークな景観と地理的歴史は、本作のテ ーマである。ユーラシアプレートがフィリピン海プ レートとぶつかる(地盤の)沈み込み帯(サブダクシ ョンゾーン)に位置する台湾の島は、地盤沈降流の 結果、独特な地形を発展させてきた。同様に、台湾 は世界的な地理においても政治権力の境界線に 位置している。そして、見えにくい勢力は、政治、経 済、文化、イデオロギーの地勢により動き、国民のア イデンティティを形作ってきた。 このテーマで作る3作目となる本作『私たちの組 曲』は、台北市立復興高級中学の生徒と共同で制 作した。私たちは軍のパレード(今でも台湾の学校 行事では、軍のパレードを真似ることもある)から いくつかの歌を物語化し沈み込みの過程によりう まれた利吉悪地で撮影した。台湾における文化と 教育を表現するために参加した生徒たちは、彼ら の世代と文化的アイデンティティを表すこれらの歌 を彼らなりに解釈しなおした。それはこの撮影の舞 台が、台湾の地理的変化を表出しているからだ。

雪克/シェイク
パリ・セルジー国立高等美術学校で上級国家造形表 現学位(DNSEP)を取得し、後にパリ第8大学でMFA 美術学修士を取得。シェイクは、映画に関する執筆や アジアにおける個人史、文学、ポピュラーカルチャーの 地政学とアーカイブに関するリサーチを通して制作活 動をしている。他に映画の言語、象徴、表象のシステム におけるナラティブの実験について、また、集団的/個 人的記憶の関係と構築に強い関心をもつ。

ある短い歴史(短短的歷史)
徐璐 |2017|カラー&白黒|16mmフィルム2画面投影を デジタル変換|3分25秒|台湾、米国
アジアの小さな島にある国家の集団的記憶とアイ デンティティの危機を反映した、英語の児童書のナ レーションによって語られる寓話である。発見され た二つの16mmフィルムのリールの間を行き来し て、島そのもののイメージではない二つの映像が 投影される。

徐璐/エリカ・シュー
台湾で育った実験映像作家。2016年にニューヨーク へ渡り、セルロイドフィルムやインスタレーション、そ してエクスパンデット・シネマパフォーマンスを開始。 彼女の作品はトロント国際映画祭、ロッテルダム国際 映画祭、Crossroadsフィルムフェスティバル、EXiSフ ィルムフェスティバル、マイクロスコープ・ギャラリー、 フィルムメーカーズ・コーポラティブ、そして2018年の 台湾ビエンナーレの本プログラムで上映。現在ロサン ゼルスに在住し、カリフォルニア芸術大学にてMFA課 程でフィルムとビデオを学んでいる。

劣化の小史(解體概要)
林仕杰 |2014|カラー&白黒|HD|5分55秒|台湾
歴史とは、直線的な記号とシンボルで構成された 一つの解釈である。記号を脱文脈化することで、イ メージはこの因果関係の幻想から解放される。幻 想と闘うためには、欠陥を存在させる必要がある。 この映像は、第二次世界大戦後の台湾の植民地化 の歴史と米軍の設置を紹介する、70年代の米軍の プロパガンダ映画『Assignment Taiwan』からサン プリングして制作されている。

林仕杰/リン・シーチェ
台北を拠点として活動しているオーディオビジュアル アーティストであり、映像作家。カリフォルニア芸術大 学でMFAを取得。作品は、音とイメージから現実とパ ラレルワールドを映すことで、現実と神話や民話、そし て空想の世界を混ぜ合わている。

外部信号の解読(解密外訊)
陳瀅如,洪子健 |2010年|白黒、サウンド|DVCPRO HD|16分 40秒
解読された異星人の環境メッセージ。催眠術的実 験映画として構成される本作は、異星人の再来と 地球の再植民地化を力強く詩的に警告している。 スティーブン・ホーキング博士は「もし異星人が我 々を訪れることがあれば、クリストファー・コロンブ スが アメリカに上陸した時と同じ、つまり、アメリカ 先住民にとってはいい結果を及ぼさなかったのと 同じことなるだろう」と述べている。この場合、原住 民とは誰を指すのか?

陳瀅如/チェン・インジュ
社会の権力と歴史を宇宙論のシステムを通して解釈 する彼女は、占星術や神聖幾何学そして錬金術の記号 を利用しながら、人間の行動やナショナリズム、帝国 主義、国家による暴力、全体主義、ユートピアの形成、 そして集団的思考について考えを巡らせている。最近 では、スピリチュアリズム/シャーマニズムの実践によ る物質的効果と意識の形而上学的可能性について探 究。これまでに国際的なビエンナーレ展に多く参加。 2015年には台湾で、2016年にはサンフランシスコの KADISTで個展を開催した。

洪子健/ジェームズ・T・ホン
台湾拠点の映像作家でありアーティスト。 示唆に富 み、型破りでそして時に論争を引き起こすフィルムや ビデオ作品を20年以上制作。彼はハイデガーやスピ ノザ、日本の生物戦争、そして人種差別についての作 品をプロデュースしてきた。現在は東アジアにおける 道徳概念について調査を行っている。彼の作品は台北 ビエンナーレやメディアシティー・ソウルビエンナーレ などの展覧会のみならず、ベルリン国際映画祭やアム ステルダム国際ドキュメンタリー映画祭など多くの映 画祭そして展覧会に選出されている。 日本では、イメ ージフォーラム ・フェスティナル2016で長編『テラ・ ヌリウス:ナショナリストになる方法』が上映された。

プロキシー オブ ヘヴン(Proxy of Heaven)
吳梓安|2015|カラー&白黒|Super 8mmデジタル変換|7分31秒|台湾、チェコ共和国、フランス
チェコ、フランス、台湾の異なる宗教空間の観光イ メージを記録し、探求し、コラージュする。 これらの聖なる体験の通路を通り抜けること、"メメ ント・モリ"を目の当たりにすること、そして幸福へ の欲望が、私たちを世俗的な人間の世界に連れ戻 す。

吳梓安/ウー・ツィアン
実験映像作家。異質なイメージや音やテキストを操り、 ナラティブと自己の構築について問う。近年は、主に Super 8や16mmフィルムの技術を使う。一方、アナ ログとデジタル技術、そしてその2つが両立したヴィ ジュアル作品や再生産にも関心をよせている。本プロ グラムのキュレーター。

名付けられるもの(待以名之的事物)
黃亞歷 |2010|カラー|16mmからデジタル変換|14分|台湾
本作は、聞いたものと見たものの間にある視覚的 な詩と、因果関係に基づかない官能的な流動性の 上に構築されている。詩的なイメージを幾重にも 絡ませていきながら、モノを生の状態に戻し、観客 の意識をモノの細部にまで誘導することで、現実世 界のモノに定義されている実用性や機能性を捨て る。

黃亞歷/ホアン・ヤーリー
インデペンデント映像作家。イメージと音の繋がり
に 関心をもつ。近年は、日本統治下の台湾についてのド キュメンタリーに関わり、歴史調査と考察をドキュメ ンタリーというメディアを通し現実を解釈する可能性 を探っている。そして、台湾、アジア、世界の関係を反映 しようとしている。監督、プロデューサー、撮影を手が けた2015年の長編ドキュメンタリー『日曜日の散歩 者 わすれられた台湾詩人たち』はダゲレオ出版により 日本でも配給された。

移動された?(被移動的嗎?)
葉覓覓 |2012|カラー|16mm & super 8mmからDV変換|11分|台湾
本作は、移動している状態、移動させられている状 態をテーマにしている。人が自分を運ぶために船 を作るとき、人が後ろ向きに歩き始めるとき、神々 が人を導いて地球を歩むとき... 途切れのない移動 の中で、誰もが誰かの「遠い人」になることは出来 るのだろうか。

葉覓覓/イエ・ミミ
台湾人の詩人であり映像作家。国立東華大学の文芸 学科とシカゴ美術館附属美術大学の映像学科で MFAを取得。彼女は3冊の詩の作家であり、彼女の詩 の映像作品は国際的に展示されている。言葉とイメー ジをコラージュすることで、詩とイメージの制作の境 界を無くすことを目指した新しい景色を作り出してい る。彼女の作品の本一冊分の厚さにわたる翻訳がオラ ンダ語と英語で存在する。

リフレクト(Reflect)
許岑竹 |2010|カラー、サイレント|16mmからデジタルビデオに変換|4分|台湾、米国
この映画は、時間による変化と監督のシュー・チェ ンチュが住む場所で観察した光と反射をテーマに している。映画に感じられる親密さは、個人的な場 所で撮影されたことや、そこで起きる些細なことに 因るだけでなく、監督自らが撮影、手加工、編集と いう制作のすべての過程に、直接関わっていること に由来する。制作後半の段階では、映像素材の中 にある隠れた意味合いを発見し、それを利用して 新鮮なビジュアルファブリックに織り上げるため、 個々のショットの本来のリズムを崩して、それらの 間にある模様、形、色調の共鳴を探した。これは手 作業で加工した映画である。

許岑竹/シュー・チェンチュ
1985年生まれの実験映像作家。台湾の国立清華大 学で原子力化学の理学士号を取得し、サンフランシ スコ・アート・インスティチュートでMFA(美術修士号) を取得。 日本の作家とも交流がり、2019年の来日時には、 Spice Filmsとイメージフォーラム映像研究所のイベ ントで作品の上映とフィルムを使ったワークショップ を行なっている。

瞬。光
曾莉珺 |2017|カラー&白黒|35mm / dolby SR|20分|台湾、オランダ、ポルトガル
フェルナンド・ペソアの『不穏の書』の個人的な観 察と、彼の100年前のリスボンの都市ガイドに触発 されたこの映画は、時間についてのオーディオ・ビ ジュアル調査であり、時間の異なる視点、時間の経 過、経験、心、空間における時間のズレを研究した 視覚的な詩である。時間の流れは、現在と過去の間 の会話と接続によって生み出される。

曾莉珺/ツァン・リーチュン
1979年うまれ。2007年よりオランダのロッテルダム 拠点。作品は、人生の生命に関わる側面の経験に関心 を寄せている。その全体を吸収し取り入れることは、 彼女にとって探求であり熟考であり、根本的な動力に なっている。ここ数年は、主に16mmフィルムで昔なが らの映画作品を、そして複数のプロジェクションによ るインスタレーションも制作している。

 *** *** *** *** ***

迷い子のリボン:吳梓安(ウーツィアン)自選作品集
Ribbons of A Stray Child: A Tzu-An WU Self-Select Program

知らない世界を覗き込む私は出口を探し求め

左も右も分からないまま立ちすくんだ

< ステートメント >
記憶がなければ人間は一貫したアイデンティティを形成することはできない。そして私たちが観たり作ったりしてきた映画は、それぞれの異なる自己に繋がるリボンや紐である。この作品集は、アーティストとして、そして実験映像作家としての異なる私のコレクションだ。感傷的であったり分析的であったり、混乱していたり捉えどころがなかったり、秘めごとだったり。内向的であったり外に目がいっていたり。自己と世界に対する個人的なヴィジョン、それがいつも私にとっての映画制作の始まりの場所なのだ。

タイトル「迷い子のリボン」は丸尾末広の「少女椿」が原作のアニメ映画『地下幻燈劇画-少女椿』のエンディング曲の歌詞より引用。音 楽 :J・A・シ ー ザ、歌詞 : 丸尾末広 。

吳梓安/ウー・ツィアン :台湾出身。国立清華大学でジェンダーとカ ルチュラル・スタディーズを専攻し学士を、 ニューヨークのThe New Schoolでメデ ィアスタディーズの修士号を取得。作品を 国内外で発表してきた。これまでに、ロンド ンLGBTQ映画祭BFI Flare、ロッテルダム 国際映画祭、ベルリンのExposedクィア国 際映画祭、台北の金穗獎映画祭(Golden Harvest Film Festival)などで上映され、 パリのFestival of Different and Experimental Cinemaでは、審査委員 賞を受賞した。作品は台湾ビエンナーレ、 マニラのメトロポリタン美術館でも展示さ れた。台湾のアーティスト&キュレーター による映像コレクティブThe Other Cinemaのプログラマーでもあり、特集は 台湾のみならず、ニューヨークやパリで上 映。この度、上映の「台湾新実験電影:ひし めきあう地盤の端のこどもたち」は同団体 によるプログラムである。

月句 / 日食
(Moon Phrases / Solar Eclipses)
2018 | 2分46秒 | 16mmをデジタル変換
一ヶ月間、私は窓から月のフレーズを撮影した。撮 影するという行為は、測定する行為でもある。新月、 満ちていく月、満月、欠けていく月、そしてまた新月。 月の満ち欠けは撮影のリズムのように変化していく。 そして、これらの不均一でゆらぎのあるイメージを、 視覚的な音楽のフレーズに構成していく。 午後の日食の記録。ネガフィルムとリバーサルフィル ムの両方のストックを使って、異なるフィルターと多 重露光を使い、覆われた黒い太陽のスケッチを構成 していく。

Quousque eadem?  (日常日長)
(Quousque eadem?(Or A Self-Portrait ) )
2012 | 9分03秒 | デジタル
カメラを持っているということは、見え方の変化、知 覚の歪みを意味する。それは中間の不透明な状態 である。このようにして作られた映像もまた、日常生 活や自分自身への認識のように、そのままでは透明 ではなく、変化しながらも繰り返されるものである が、それを決定づけることは難しく、行き詰まってし まう。 この作品は、あるひとりの人間のホームビデオであ り、個人的なプロジェクトとしてスタートしたもので、 わたしの人生のある段階を表現し、自分のためだけ に制作された。しかし、改めて制作に取り掛かる中 で、当初の目標を変更した。ナレーション、HD映像、 デジタル化されたスーパー8mm映像素材を用いて 再構成し、(擬似的な)ビデオ日記を、視覚、記憶、映 像(再)制作のプロセスの相互関係に対する私の考 察を題材としたビデオ・エッセイへと変貌させる。 引用文献には、エミール・シオラン、ジョナサン・クレ ーリー、陳傳興の名前があがる。

宣(言)病
(宣(言)癖 Disease of Manifestation)
2011 | 9分01秒 | デジタル
本作は、ウェンディ・ブラウンの論文『Resisting Left Melancholy』から始まった議論である。彼女 はウォルター・ベンヤミンの「Left Melancholia」 の概念を応用して、左翼運動/理論の伝統にある 政治的思考や規範をメランコリアの概念として捉え た。そこには失われた対象として見ることができる 思考のthingnessがある。この考えを拡張すると、 人の個人的または集団的な記憶から来る思考の thingnessは病的な執着になる可能性がある。

We can't grow up together
(2010, 2013 | 3分33秒 | 16mmをデジタル変換)
時間の中で失ったものが違うから、わたしたちは一 緒に成長できない。その時は、どうでもいいように思 える出来事も、個人的には重要な節目になるかもし れない。その記憶を語り直し、書き換えることで、無 意味な感情は流れるような記憶に変わり、保存する ことができるようになる。 本作は、幼少期の(偽りの)記憶を元に16mmで撮 影され、空想や象徴的なオブジェによって変容し、 公共の場で上演された。映画の中の要素は、感情と 時間を示すものであり、モンタージュによって、外の 世界と内なる風景が相互に行き交うようになっている。

この世の果ての細々したもの
(World's Odds and World's Ends)
2015 | 12分42秒 | デジタル
観光客の実験的民族誌。チェコの中世の町チェスキ ー・クルムロフでの観光活動の記録。タイムラプスと スローシャッターを用いて、一瞥したときに出会う 道や行動、顔の表情の繰り返しを撮影する。錬金術 のプロセスは、精神力動のメタファーであり、世界の 終わりに、the odds and endsこの世の果ての中 で自由を求める彼らの不運な探求である。

一つの乙女の祈り
(A Maiden’s Prayer)
2017, 2020 | 5分55秒 | Super 8, 16mmをデジタル変換
亡くなった友人の思い出のために制作された作品。 彼の詩によって構成され、日記フィルム、遺跡訪問、 半即興劇場のような彷徨う断片が遠く離れた記憶 の記念品を捏造する。記念すべきものは、あなたの 「メメント・モリ」である。一方、千層もの「ATフィー ルド」(絶対恐怖領域)の中央では、一人の乙女が祈 りを捧げている。魔法サークルに覆われ、誰も届か ない地下室で誰かが祈りを捧げている。「荒廃した 神殿」でも、「鳳学園」でも、あるいは我々の想像上 の共同体でも。その庭から、ゴミのトランクが「一つ の乙女の祈り」を歌っている・・・。
(鄭聖勳(1978-2016)の〈少女的祈禱〉を引用。)

伊人 わたしがずっと想う人
(伊人 Yi-Ren (the person of whom I think) )
2012 | 13分45秒 | Super 8をデジタル変換
この作品は、様々な情報源をコラージュしたラブレ ターである。様々な情報源とは、わたしのスーパー 8mmの日記、カラオケのビデオ、発見された邱剛健 (チュウ・カンチェン|1940-2013) の映画の素材 や詩のことを指す。この映画は、また、邱へのオマー ジュの行為であり、彼をクィアリーディングしたもの でもある。素材を再構築し、操作し、既製品と個人 的なものを一つに溶かす。あるいは、個人的な感情 や経験は、実はすべて誰かやどこかから借りてきた ものなのかもしれない・・・。「私の喘ぎは少しハリウ ッド的なところがある」というセリフが示唆するよう に、私たちの感情は演技や見た映画なしには存在し ないのだから。

スターゲイジング
(觀星 Stargazing)
2017 | 4分44秒 | 16mmを2Kに変換
ニュージーランドでレジデンシーを行った際、晴れて いてもいなくても毎日星空の写真を撮るようにして いた。星の写真は日記のように解釈できる。16mm のボレックスカメラを使って一コマ一コマ星を撮影 し、星の光に一致する光の不均一な衝動が思考とと もに変化していく。この映画は瞑想的なプロセスを 形成するために、関連する思考やインスピレーショ ンと共に、星を見るというウーの日常の儀式を記録 している。テキストでは、アレハンドロ・ホドロフスキ ー、ユージン・タッカー、ジャン・エプシュタイン、アー サーCクラークの言葉が引用されている。

 *** *** *** *** ***

翻訳: 浜崎史菜 | 川上アチカ | 秋田祥

特集: 台湾実験映画・その現在
開催日:2 020年10月3日~9日 会場:シアター・イメージフォーラム
主催: ノーマルスクリーン
助成: 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
協力: シアター・イメージフォーラム | The Other Cinema Collective | 吳梓安 | 小山ひとみ | loneliness books

2020年10月 * ノーマルの気になる催し物リスト

6/2〜10/11 展覧会「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」 ◎国立国際美術館 http://www.nmao.go.jp/exhibition/2020/danh_vo.html

9/5(土)〜10/4(日) 映画「小田香特集2020」 ◎ケイズシネマ http://www.ks-cinema.com/movie/odakaori2020/

9/19(土)〜 映画『セノーテ』(小田香新作) ◎ケイズシネマ http://aragane-film.info/cenote/

9/19(土〜 10/18(日) KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭 https://www.kyotographie.jp/

9/19(土)~11/13(金) 台湾巨匠傑作選2020(ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督四部作など) ◎ケイズシネマ http://www.ks-cinema.com/movie/taiwan2020/

9/21(月)~11/30(月) 「Tomへの頌歌」​展(TOM OF FINLANDに影響を受けた日本人作家による展示、参加予定作家:田亀源五郎、三島剛、Jiraiya​) ◎中目黒The Container http://the-container.com/

9月28日(月)~2021年1月15日(金)展示「Inside/Out ─映像文化とLGBTQ+」  ◎早稲田大学演劇博物館 http://www.waseda.jp/enpaku/ex/10407/


10/2(金)〜 映画『エマ、愛の罠』(ガエル・ガルシア・ベルナル出演、チリ映画)  ◎シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラスト有楽町、kino cinémaなど http://synca.jp/ema

10/3(土) 映画『ルチャリブレの女王 カサンドロ』(イメージフォーラム・フェスティバル2020 )◎スパイラルホール  http://www.imageforumfestival.com/2020/program-h

10/3(土)〜10/9(金) 台湾実験映画・その現在(2つのプログラムを交互に上映!)
【迷い子のリボン:吳梓安(ウーツィアン)自選作品集】【台湾新実験電影:ひしめきあう地盤の端のこどもたち】 ◎シアター・イメージフォーラム  http://normalscreen.org/events/taiwan2020

10/6(火)~12/6(日) 展示「性差(ジェンダー)の日本史」 ◎国立歴史民俗博物館 https://www.rekihaku.ac.jp/outline/press/p201006/index.html

10/9(金)〜 映画『ワンダーウーマン1984』 全国ロードショー https://warnerbros.co.jp/movies/detail.php?title_id=56777&c=1 ▶︎延期

10/9(金)〜 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』 ◎新宿ピカデリーほか全国ロードショー http://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/

10/10(土) 映画『最も過酷な年』オンライン上映会(ドキュメンタリー、上映後にVlada監督のQ&Aセッションxn) https://mostdangerousyear.peatix.com/

10/10〜10/30 『TOKYO TELEPATH 2020』(遠藤麻衣子新作) ◎シアター・イメージフォーラム https://www.kuichi-tech2020.com/

10/10~14 「ハイブリッド・クラフト展-クラフトの新たな未来」(台湾文化センター+国立台湾工芸研究発展センター共同開催、計27組の作品を展示) ◎AXIS Gallery https://axisinc.co.jp/building/eventdetail/859

10/16(金) 『風たちの午後 デジタルリマスター版』上映(「Inside/Out ――映像文化とLGBTQ+」記念プログラム) ◎早稲田大学小野記念講堂 http://www.waseda.jp/enpaku/ex/10594/

10/16 ~ 10/18 ダムタイプ 新作パフォーマンス「2020」上映会 ◎ロームシアター京都 https://rohmtheatrekyoto.jp/event/60156/

10/17 ~24 『I Am Hereー私たちはともに生きている―』(GID/トランスジェンダーにフォーカスをあてたドキュメンタリー映画) ◎CINEMA Chupki TABATA https://coubic.com/chupki/719830

10/17~11/21 fumiko imano個展「somehow somewhere sometimes at some place for some reason」 ◎王洲KOSAKU KANECHIKA https://kosakukanechika.com/exhibition/somehow_somewhere_sometimes_at_some_place_for_some_reason

〜10/18(日) 展示「オリンピックと寺山修司」 ◎三沢市寺山修司記念館 https://bit.ly/3nbyWOj

10/19(月) 和田彩花×鈴木みのり「フェミニズムの可能性と限界(?)」 『私の未来は私が決める!vol.4~和田彩花リモートトーク企画~』(六本木 蔦屋書店) ◎オンライ https://store.tsite.jp/roppongi/event/art/16214-2108520930.html

10/19(月) トランス・ポートレート展 トークイベント(小林美香) ◎オンライン https://forms.gle/ixjCGTDqqQXEH8D1A

10/19 〜25 美術展「トランスポートレート」(林詩硯 lin shih yen 寺田健人 kento terada) ◎ルーニィ247 finearts https://www.roonee.jp/exhibition/room1/20200911114202

10/23(金) 「ドイツとオーストリアにおけるジェンダー研究」(立教大学ジェンダーフォーラム|講師:ジャスミン・ルカト、デュッセルドルフ大学助教授) ◎オンライン Zoom http://s.rikkyo.ac.jp/100661d

〜10/25 「Embrace」ポーレ・サヴィアーノ写真展(トランス、ノンバイナリーの人々ポートレイト) ◎ギャラリーエフ http://www.gallery-ef.com/j.htm

10/30〜 11/7 第21回東京フィルメックス ◎有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日比谷 https://filmex.jp/

10/30(金) シンポジウム「Queer Visions in East Asia―アジア人文学からクィアを考える」 ◎京都大学国際科学イノベーション棟 https://ukihss.cpier.kyoto-u.ac.jp/2253/

10/31~11/9 第33回東京国際映画祭 ◎六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほか https://2020.tiff-jp.net/ja/

その頃インターネットでは、、、、

・『ろう者たちのキャンパスライフ』(Deaf U|ドキュメンタリー番組)on Netflix https://youtu.be/hr3wwPh5uKs

・ドキュメンタリー『BLACKPINK ~ライトアップ・ザ・スカイ~』(10/14〜) on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/81106901

・「ロミオの青い空」全話がYouTubeで無料公開(日本アニメーション) https://youtu.be/JKSmdSrliMk

・『アジア三面鏡2018:Journey』(アジア・オムニバス映画製作シリーズ第2弾 国際交流基金アジアセンター|11月30日まで期間限定で無料配信) https://jfac.jp/culture/news/n-asian-three-fold-mirror-2-streaming

・第17回ラテンビート映画祭オンライン化プロジェクト クラウドファンディング https://motion-gallery.net/projects/lbff2020

・本「我和我的T媽媽(同性愛母と私の記録・仮)」翻訳出版のためのクラウドファンディング( Thousands of Books) https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/4012

・トランスフォビアへの抵抗とトランスインクルーシブなフェミニズムのためのリソース集 https://transinclusivefeminism.wordpress.com/

・『Disclosure』サム・フェダー監督によるここだけのQ&A映像! https://note.com/normalscreen/n/nfdecae60be22

・『ボーイズ・イン・ザ・バンド』(2020年リメイク映画) on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/81000365

・『制作・出演陣が語るボーイズ・イン・ザ・バンド』 on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/81332757

・『ディック・ジョンソンの死』(キルステン・ジョンソン監督新作ドキュメンタリー)on Netflix https://www.youtube.com/watch?v=wfTmT6C5DnM

短編映画『Sweater』

2019年に欧米のLGBTQ映画祭を中心に上映された笑えるショートフィルムをご紹介!

おニューのセーターを着てデートに出かけたコーリーでしたが、、、。

音量上げめでどうぞ。

今回はこちらからお願いし、日本語字幕をつけさせてもらい、さらに質問にも答えてもらいました!鑑賞後にぜひ読んでみてください。

 

日本語字幕表示:右下の【CC】をクリックして[日本語]を選択
Nick Borenstein | 2019 | 5 min | Color | USA | English





インタビュー with ニック・ボーンスタイン

Q:大変な年になりましたが、調子はどうですか?いつもよりクリエイティブになる作家もいれば落ち込みがちな人や新境地に入ったような人などがいるようですね。ニックさんは、どう過ごしていますか?この状況下で平常心を保つためにしていることはありますか?

クレイジーな年になりましたね。私は1日ずつ2020年を進んでいるという感じです。絶好調な日もあれば酷い日もあり、その中間という日もありますね。2020年には、今と今あるものに集中し感謝することを教えられました。自分はニューヨーカーなので、いつも忙しくあちこち走り回っていました。でも3月からは、じっとしている状況におかれています。ずっと恐怖も感じていますが、本当に必要なものについてじっくり考える時間にもなっています。ヨガやダンスをたくさんして、執筆もたくさんしています。よく友人たちと状況を確認しあい、スペインに住むボーイフレンドとオンラインで一緒に料理をしたりしています。

Q:昨年はダンスを中心としたレジデンシーをされたようですね。ニックさんは、以前からダンサーだったのですか?ダンスと演技と監督はどう影響を与え合い、キャリアとして発展してきましたか?

ずっとダンサーです。でも、映画にダンスを取り入れたのは『Sweater』が初めて。メキシコシティにあるCasa Luでアートレジデンシーをしたとき、長編映画のスクリプトの執筆に集中するはずだったのですが、街のインスピレーションと他の参加者とのコラボレーション、それに自分のダンスへの愛のせいでダンスパフォーマンスをすることになりました。成長できたと感じるような経験だったし、なによりダンスを自分の芸術的表現の大きな部分だということを再認識しました。踊りと演技と演出を融合させることが大好きなのです。これからもっとそういうことをしていきたいとわくわくしています!

 

Q:劇中の音楽もぴったりですよね。この音楽を使うことは撮影前から決まっていたのですか?

ありがとう。楽しんでもらえたようで嬉しいです。この曲のことは実は知らなかったのですが、素晴らしい音楽スーパーバイザーと相談して何百曲も聴いてこの曲を見つけました。ダンスホールやヒップホップのダンススタイルが好きなので、そういうインフルエンスを受けているものを使いたいというのは自分でもわかっていました。うるさくて勢いがあってドキドキさせられるような、つまりキラーダンストラックが欲しかった。リサーチの結果Leo Justi & Brazzabelle ft. Zanillyaの「Swipe It Off」を見つけて、それが完璧だったというかんじです。

Q:長編映画の計画があるということですが、そのことについて教えてください。

ちょうど長編映画を書き終えたところです!誰かを失った悲しみについてのコメディースリラーです。ユーモアとホラーを混ぜて難しいストーリーに光を当てるのが好きなのです。他の短編映画(Sweater、99、Pete Can't Play Basketball)でもそうですが、この長編はコメディで胸を熱くさせつつ、シュールでもあります。それにちゃんとダンスもちょっとありますよ。

 
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Writer & Directer: Nick Borenstein
Producer: Cecilia Delgado

Starring: Nick Borenstein
With: Jonathan Marballi|Evan Hoyt Thompson|Daniel Jaffe|Lauren Ireland|Yedoye Travis
Dancers: Maria Ambrose|Emiko Kondo|Rose Lu|Natasha Markwick|Molly McGee|Maria Luisa Mejia|Saemi Park|Deena Parrilla|Leomary Rodriguez|Dan Santiago|Manatsu Tanaka|Betty Walkup

Cinematography: Marc Katz
Production Design: Kendra Eaves
Choreography: Tiana Hester
Editing: Cecilia Delgado

画像提供 / Photo Courtesy of the Artist

 

2020年9月*ノーマルの気になる催し物リスト

Normal’s List
September

8/5 〜9/6 森栄喜展「シボレス | 鼓動に合わせて目を瞬く」 ◎Ken Nakahashi https://kennakahashi.net

8/18(火)—10/11(日)エキソニモ展 「UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンク インターネットアートへの再接続」 ◎東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3817.html

8/22 〜 9/3 カナイフユキ展「フルーツ・オブ・ザ・サンド」 ◎SUNNY BOY BOOKS http://www.sunnyboybooks.jp/event/fruits-of-the-sand/

8/26(水)〜 10/10(土) 竹之内祐幸展「距離と深さ」 ◎PGI https://www.pgi.ac/exhibitions/5899/

8/27(木)~11/29(日) シャルロット・デュマ展「ベゾアール(結石)」 ◎銀座メゾンエルメス フォーラム https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/200827/

9/4(金)〜 映画『行き止まりの世界に生まれて』(スケボーキッズドキュメンタリー、原題:Minding the Gap) ◎新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開 http://www.bitters.co.jp/ikidomari/

9/4(金)〜 映画『もう終わりにしょう。』(チャーリー・カウフマン新作) ◎Netflix https://www.netflix.com/jp/title/80211559

9/5(土) 小田香 上映+トーク ◎池袋コミュニティ・カレッジ https://cul.7cn.co.jp/programs/program_906452.html

9/5(土)〜10/4(日) 映画「小田香特集2020」 ◎ケイズシネマ http://www.ks-cinema.com/movie/odakaori2020/

9/5(土) トーク「Personal is political――わからない”わたし”を探す表現」『Self-Portraits』(Dashwood Books)刊行記念(長島有里枝、カナイフユキ)B&B ◎オンライン http://bookandbeer.com/event/20200905/

9/5(土) 静岡市オンライン講演会「宅コスして真面目に学ぶ多様な性のコト」(石田仁、牧村朝子、米山栞合) 静岡市女性会館

9/5(土) デパートメントH 2099 ◎鶯谷東京キネマ倶楽部 &オンライン https://ameblo.jp/department-h/

9/6(日) 栄喜展示「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」トークイベント(森栄喜、宇野良子、鈴木みのり)恵比寿NADiff a/p/a/r/t ◎オンライン配信(zoom) http://www.nadiff.com/?p=18212

9/6(日) NOT ALONE CAFE ◎ドラゴン・メン &オンライン https://www.facebook.com/NotAloneCafe

9/12(土) 映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』 (墨絵長編アニメーション) ◎全国順次ロードショー https://newdeer.net/ville/

9/13(日) 「セックスワークstudy」(「セックスワークにも給付金を」訴訟クラウフドファンディング関連セッション|亀石倫子、げいまきまき、佐藤真) ◎オンライン http://call4-1year.peatix.com

9/16(水)〜11/1(日) 松下まり子個展「居住不可能として追放された土地」 ◎KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/anokumene

9/18(金)〜 トムオブフィンランド個展「Reality&Fantasy The World of Tom of Finland」 ◎GALLERY X 渋谷PARCO https://art.parco.jp/galleryx/detail/?id=396

9/18(金) 映画『TENET テネット』(クリストファー・ノーラン新作) ◎全国公開  https://wwws.warnerbros.co.jp/tenetmovie/index.html

9/19(土)〜 映画『セノーテ』(小田香新作) ◎ケイズシネマ http://aragane-film.info/cenote/

9/19(土)~11/13(金) 台湾巨匠傑作選2020 ◎ケイズシネマ http://www.ks-cinema.com/movie/taiwan2020/

9/19(土)〜 10/18(日)  KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭 https://www.kyotographie.jp/

9/19(土)〜11/13(金) 台湾巨匠傑作選2020(ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督四部作など) ◎ケイズシネマ http://www.ks-cinema.com/movie/taiwan2020/

9/20(日)~24(木) アジアフォーカス・福岡国際映画祭2020 ◎ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13(キャナルシティ博多内)  http://www.focus-on-asia.com/

9/21(月)~11/30(月) 「Tomへの頌歌」​展(TOM OF FINLANDに影響を受けた日本人作家による展示、参加予定作家:田亀源五郎、三島剛、Jiraiya​) ◎中目黒The Container http://the-container.com/

9/25(金) 映画『マティアス & マキシム』(グザビエ・ドラン新作) ◎新宿ピカデリーほか全国ロードショー https://phantom-film.com/m-m/

9/26(土)~10/12(月) 「中村明日美子20年」展 ◎PARCO FACTORY(池袋PARCO本館7F) https://art.parco.jp/parcomuseum/detail/?id=472

9/26(土)〜10/4(日) イメージフォーラム・フェスティバル2020 ◎シアター・イメージフォーラム、スパイラルホール http://www.imageforumfestival.com/bosyu2020/jp.html

9/27 「私たちが社会を変え続けるために~フェミニズムの今までとこれから~」(ちゃぶ台返し女子アクション) ◎オンライン https://chabujo5th.peatix.com

9/30(水) 映画『美麗少年』(1998年台湾で3人のゲイの少年たちをとらえたミッキー・チェン監督のドキュメンタリー) http://normalscreen.org/events/boysforbeauty

7/17〜10/11 ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」 ◎横浜美術館など https://www.yokohamatriennale.jp/2020/

6/2〜10/11 展覧会「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」 ◎国立国際美術館 http://www.nmao.go.jp/exhibition/2020/danh_vo.html



その頃、インターネットでは、、、

・ドラマ『ラチェッド』 on Netflix(『アメリカン・ホラー・ストーリー』のクリエイターが贈る、サラ・ポールソン主演) https://www.youtube.com/watch?v=Oy0T3cBE5_o

・ドラマ『Lの世界 ジェネレーションQ』 on Hulu https://youtu.be/tOLgORO17ko

・映画『もう終わりにしょう。』(チャーリー・カウフマンの新作)on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/80211559

・記事「槇原敬之さんも所持、「RUSH」規制は重すぎる? 輸入した男性が「無罪」を訴える理由」 (弁護士ドットコムニュース) https://www.thirteen.org/programs/nyc-arts/

・「セックスワークにも給付金を」訴訟(持続化給付金の風俗除外にした国を訴える裁判)のためのクラウドファンディング https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000064

・『我和我的T媽媽(同性愛母と私の記録・仮)』翻訳出版クラウドファンディング(サウザンブックスPRIDE叢書) https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/4012

・映画『ハワード −ディズニー音楽に込めた物語−』(ハワード・アッシュマンのドキュメンタリー) on Disney+ https://youtu.be/8QxEh4iadnw

・「新型コロナ:住まいを失ったLGBTのシェルターを増やしたい」クラウドファンディング(9月10日 午後11:00まで|LGBTハウジングファーストを考える会・東京) https://readyfor.jp/projects/lgbthf2020

・『Disclosure』サム・フェダー監督によるここだけのQ&A映像! https://note.com/normalscreen/n/nfdecae60be22

・映画『後悔なんてしない』 9月19日(土)まで on Gyao https://gyao.yahoo.co.jp/p/00274/v10652

・映画『モンスターズ 悪魔の復讐』 on Gyao https://gyao.yahoo.co.jp/player/01048/v00181/v0000000000000000324/

・トランスフォビアへの抵抗とトランスインクルーシブなフェミニズムのためのリソース集 https://transinclusivefeminism.wordpress.com/

『Disclosure』監督サム・フェダーによる ここだけのQ&A映像!

6月19日よりNetflixによりグローバル配信された監督サム・フェダー(発音はフェイダー)によるドキュメンタリー『Disclosure トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして
ノーマルスクリーンでは、みなさんから質問を募集し、LA在住のフェダー監督にビデオで答えてもらいました!スペシャル企画!
いただいた質問すべてに回答があったわけではありませんが、フェダー監督から届いたビデオをすべて以下に並べますのでぜひご覧ください!
(映画と本企画の募集要項については以下リンクをごらんください。http://normalscreen.org/events/disclosure

 
 

右下の【CC】で日本語字幕を選択し字幕を表示できます。

 

質問1
この映画を作った理由は?
どのように企画をすすめましたか?

*マーロン・リグスについてはこちら

 

質問2
映画には才能豊かなトランスの人々が大勢登場し素晴らしかったですが、誰を登場させるか人選は難しかったのでは?

 

質問3
映画ではトランスの人々の見るに耐えないようなネガティブな表象もあなたは見せていますが、鑑賞者がそれにどう反応するか心配はありませんでしたか?
なぜそれらを盛り込むことにしたのか、制作時にあのイメージとどう向き合ったのか教えてください。

 

質問4
映画では“可視化のパラドックス”について巧妙に説明されています。腹立たしく複雑で痛々しいことです。
同時にこの映画で、あなたはトランスの人々の可視化レベルをあげているわけですが、理論ではこれはトランスの人々へさらなる危険を及ぼします。
そのことを思い、映画に取り組みながら怖くなることはありませんでしたか?

 

質問5
“可視化はゴールではない”と発言していますが、この先あなたが実現してほしいと思うことは?

 

質問6
私はノンバイナリーなので、同じようにノンバイナリーの人々が自分たちの歴史を話す姿も見たかったです。

 

サム・フェダー監督 Instagram >>> https://www.instagram.com/samfeder_1


『Disclosure トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして』について、本企画の募集要項については以下リンクをごらんください。http://normalscreen.org/events/disclosure

 
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本記事はnoteでも公開しています。
https://note.com/normalscreen/n/nfdecae60be22

8月28日 追記