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Queer Visions 2019

クィア実験映像を上映するQueer Visions を京都で開催します!今年は「時間の痕跡」というテーマのもと、ゲストに90年代から映画を撮り続ける崟利子さん、台湾を拠点にする実験映像作家ジェイ・トライアンギュラー 、ドラァグクイーン/アーティスト/アクティヴィストなどの顔をもつブブ ・ド ・ラ ・マドレーヌさんをお迎えし、上映する作品やそれぞれの活動についてお話をうかがいます。 上映するのは、崟利子さんの2作品、日本では鑑賞機会のすくないヨネモト・ブラザーズがマイク・ケリーと制作した不気味な映像、ここ3年以内に発表された北米の多様な文化とストーリーを垣間見ることのできる短編4本です。


9月22日
13:00 - 18:00(2回休憩あり)

会場:同志社大学 寒梅館クローバーホール
京都市上京区烏丸通上 立売下ル 御所八幡町103

入場料:500円〜1000円
主催:Queer Vision Laboratory|Normal Screen
協力:新千歳空港国際アニメーション映画祭 | C.I.P. Books
* 日本語以外の言語の作品には日本語字幕つき

 
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ゲスト:
崟利子(たかしとしこ)
ブブ ・ド ・ラ ・マドレーヌ
ジェイ・トライアンギュラー




____ プログラム1|崟利子特集 ____ 
上映作品
Blessed ―祝福―』(2001|78分|日本)
【監督のことば】『Blessed ―祝福―』は、前作『西天下茶屋・おおいし荘』のふたりを、再び4年後に訪れた〈ある日〉から始まった映画です。 当初は、その日いちにちの「かなわぬ思い」をかたちにしようと考えていたのですが、その後映像を重ね愛が連なっていくうちに、いちにちだけの切ない思いであったはずのものが、時をとり戻し広がりを持ち、大きく、映画そのものをも変えてしまいました。それは“祝福”という題名に見守られながら、映画が出来上がっていく「不思議」を見る毎日でもありました。 また私は、見ることは匂いや肌の感触と同じく、個人的な感覚(体験)の領域であると思っています。この映画を観る人の気持ちが登場人物の表層の姿でとどまらず、映画を突き抜けて、また観る人の心に戻っていけば良いとも思っています。 私自身、映像の中に、まだ見ぬ自分を見つけることが多々あるからです。
山形国際ドキュメンタリー映画祭ウェブサイトより

夢も見ないで』 (2005|18分|日本)
1994年から2005年に撮影され、異なった空間のイメージが重ね合うように綴 られる。個人上映会「季刊タカシ」の第一回で上映された記念すべき作品。

*上映後に監督の崟利子さんをお迎えしお話をお聞きします。

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___ プログラム2|短編集 Here and Now ___
上映作品
ホール・ワールド・イズ・ワッチング:REACTIVATING THE ARCHIVE』(ジェイ・トライアンギュラー|2019|14分|アメリカ、台湾|日本プレミア)
ジーン・カロルムスト(D.I.V.A. TV)とアレクサンドラ・ユハス(WAVE)が振り返る80~90年代のビデオアクティヴィズム。ケリー・マクゴワンもまた友人でアーティストのクロエ・ズバイロ(1960-2011)のエイズ・アクティヴィズムについて語る。

ジェイ・トライアンギュラー J Triangular|台北拠点、コロンビア出身のクィア詩人、実験映像作家(DIYビデオ作家)、キュレーター、写真家。抵抗、ジェンダー、記憶について多くのアートプロジェクトを行う。いまだ解決されない社会的暴力の歴史、恐怖を植えつけられることによるアイデンティティの破裂、制度化された差別などを詩的に表現する。


ビトウィーン・アス・トゥー』(タン・ウェイ・キョン|2017|5分|アメリカ、シンガポール)
ゲイの息子が外国から死んだ母へ語りかける。
タン・ウェイ・キョン Tan Wei Keong|1984年うまれ、シンガポール出身。個人的なストーリーとファンタジーの世界を通し自身のアイデンティティを探求する作家。南洋理工大学に入学しアニメーションというミディアムに魅了され制作をはじめる。作品はこれまでに世界中で上映され、今作はシンガポール国際映画祭とLAのLGBT映画祭で受賞もしている。2016年には、ANIME-ASEANの企画で日本4都市でのイベントに参加した。


ダイクバー・ネヴァー・ラスト』(ステイシー・メッケンジー|2018|6分|アメリカ|日本プレミア)
アメリカから消えゆくレズビアンバー。サンフランシスコで歌われる別れのうた。

ステイシー・メッケンジー Stacy McKenzie|サンフランシスコを拠点とする監督、撮影監督。商業作品や劇映画に重点をおきつつ、ミュージックビデオの制作なども手がける。ヴァーチャル・リアリティ作品の撮影など多様な活動を行い、本作では撮影も手がける。


ビンダーバン(夜明け)
(アマンダ・ストロング|2018|19分|カナダ|日本プレミア)
カナダ・オンタリオ州郊外。楓の樹液採取の儀式を取り戻す使命をえた1万年生きる妖怪と若い人間を描くストップモーションアニメーション。

アマンダ・ストロング Amanda Strong|北西海岸地域(カナダ、ヴァンクーバー)を拠点とするミチフ語族のインターディシプリナリーアーティスト。シェルダン・インスティテュートでイラストレーションと写真を学んだのち、映画、ストップモーションアニメーション、メディアアート、ギャラリーなどでのインスタレーションを通じて、先住民の歴史、系統、言語、文化の返還/再要求(reclamation)といったテーマに取り組んでいる。

*上映前に『ホール・ワールド・イズ・ワッチング』を制作した J Triangular さんに解説をしていただきます。

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____ プログラム3 ____
上映作品
Kappa』(ブルース&ノーマン・ヨネモト with マイク・ケリー|1986|26分|アメリカ)
日本の河童の言い伝えにエディプスの神話をメロドラマのトーンで絡めることによって浮かび上がる喪失と欲望。2012年に逝去したアーティストのマイク・ケリーが河童を演じ、女優/アーティストのメアリー・ウォロノフも出演している。

ブルース&ノーマン・ヨネモト Bruce and Norman Yonemoto|カリフォリニアを拠点に70年代より活動してきた兄弟アーティスト。マスメディアやハリウッド(特に昼ドラ、メロドラマ、テレビCMなど)が構いてきた文化的神話を解体し書き換えるような作品を数多く手がけてきた。インスタレーション作品の多くは、ポップカルチャーにおける日系アメリカ人アイデンティティの表象の問題化する。兄のノーマンは2014年に67歳で逝去。

*上映後、ブブ ・ド ・ラ ・マドレーヌさんをお迎えし、本イベントで上映される作品やブブさんの幅広い活動、そして現在関心のある事がらや制作中の作品などに関してお話いただきます。

ブブ ・ド ・ラ ・マドレーヌ BuBu de la Madeleine|パフォーマンス《S/N》(ダムタイプ、1994~96)に出演。以降、ソロまたは国内外のアーティストと共同で、映像、パフォーマンス、文章などを発表している。92年のエイズ・ポスター・プロジェクト設立及び99年のSWASH設立に参加。昨年昨年出版された「セックスワーク・スタディーズ」(日本評論社)では第0章を執筆。10月にはアーツ前橋にて新作を発表する。





Images courtesy of Spotted Fawn Productions, Electronic Arts Intermix, J Triangular, Tan Wei Keong, Alex Albers and Toshiko Takashi.