短編映画『Sweater』

2019年に欧米のLGBTQ映画祭を中心に上映された笑えるショートフィルムをご紹介!

おニューのセーターを着てデートに出かけたコーリーでしたが、、、。

音量上げめでどうぞ。

今回はこちらからお願いし、日本語字幕をつけさせてもらい、さらに質問にも答えてもらいました!鑑賞後にぜひ読んでみてください。

 

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Nick Borenstein | 2019 | 5 min | Color | USA | English





インタビュー with ニック・ボーンスタイン

Q:大変な年になりましたが、調子はどうですか?いつもよりクリエイティブになる作家もいれば落ち込みがちな人や新境地に入ったような人などがいるようですね。ニックさんは、どう過ごしていますか?この状況下で平常心を保つためにしていることはありますか?

クレイジーな年になりましたね。私は1日ずつ2020年を進んでいるという感じです。絶好調な日もあれば酷い日もあり、その中間という日もありますね。2020年には、今と今あるものに集中し感謝することを教えられました。自分はニューヨーカーなので、いつも忙しくあちこち走り回っていました。でも3月からは、じっとしている状況におかれています。ずっと恐怖も感じていますが、本当に必要なものについてじっくり考える時間にもなっています。ヨガやダンスをたくさんして、執筆もたくさんしています。よく友人たちと状況を確認しあい、スペインに住むボーイフレンドとオンラインで一緒に料理をしたりしています。

Q:昨年はダンスを中心としたレジデンシーをされたようですね。ニックさんは、以前からダンサーだったのですか?ダンスと演技と監督はどう影響を与え合い、キャリアとして発展してきましたか?

ずっとダンサーです。でも、映画にダンスを取り入れたのは『Sweater』が初めて。メキシコシティにあるCasa Luでアートレジデンシーをしたとき、長編映画のスクリプトの執筆に集中するはずだったのですが、街のインスピレーションと他の参加者とのコラボレーション、それに自分のダンスへの愛のせいでダンスパフォーマンスをすることになりました。成長できたと感じるような経験だったし、なによりダンスを自分の芸術的表現の大きな部分だということを再認識しました。踊りと演技と演出を融合させることが大好きなのです。これからもっとそういうことをしていきたいとわくわくしています!

 

Q:劇中の音楽もぴったりですよね。この音楽を使うことは撮影前から決まっていたのですか?

ありがとう。楽しんでもらえたようで嬉しいです。この曲のことは実は知らなかったのですが、素晴らしい音楽スーパーバイザーと相談して何百曲も聴いてこの曲を見つけました。ダンスホールやヒップホップのダンススタイルが好きなので、そういうインフルエンスを受けているものを使いたいというのは自分でもわかっていました。うるさくて勢いがあってドキドキさせられるような、つまりキラーダンストラックが欲しかった。リサーチの結果Leo Justi & Brazzabelle ft. Zanillyaの「Swipe It Off」を見つけて、それが完璧だったというかんじです。

Q:長編映画の計画があるということですが、そのことについて教えてください。

ちょうど長編映画を書き終えたところです!誰かを失った悲しみについてのコメディースリラーです。ユーモアとホラーを混ぜて難しいストーリーに光を当てるのが好きなのです。他の短編映画(Sweater、99、Pete Can't Play Basketball)でもそうですが、この長編はコメディで胸を熱くさせつつ、シュールでもあります。それにちゃんとダンスもちょっとありますよ。

 
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Writer & Directer: Nick Borenstein
Producer: Cecilia Delgado

Starring: Nick Borenstein
With: Jonathan Marballi|Evan Hoyt Thompson|Daniel Jaffe|Lauren Ireland|Yedoye Travis
Dancers: Maria Ambrose|Emiko Kondo|Rose Lu|Natasha Markwick|Molly McGee|Maria Luisa Mejia|Saemi Park|Deena Parrilla|Leomary Rodriguez|Dan Santiago|Manatsu Tanaka|Betty Walkup

Cinematography: Marc Katz
Production Design: Kendra Eaves
Choreography: Tiana Hester
Editing: Cecilia Delgado

画像提供 / Photo Courtesy of the Artist

 

アニメーション映画『ADORABLE』

台湾出身で現在はベルリンを拠点に活動するアニメーション作家チャン・チェンス(鍾承旭 Cheng-Hsu Chung)の5分40秒の手描き短編アニメーションをご紹介!

 


「愛、差別、自由!」

あるクィアの人が自身のセクシュアリティをクィアコミュニティやカルチャーといったものを通し探求するとき、そこは必ずしもスムーズに自分を受け入れてくれる空間とは限らない。ポルノ、アプリ、夜遊び。すてきな出会いがある一方、そこには時に体型への厳しい視線、ドラッグ、人種差別なども… チェンは、ファンタジーを織り交ぜた形で自身の経験を映像化しています。


チャン・チェンス(鍾承旭 Cheng-Hsu Chung)

台湾で育ち国立台北芸術大学を卒業後、渡英。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートでアニメーションを学び修士課程を卒業。のちに、ベルリンでの生活を始める。彼はこれまでに、ジョン・グラントのミュージックビデオにも参加し、2019年には!!! (ChkChkChk)のビデオ「Couldn't Have Knonw」を制作し監督している。『ADORABLE』は、2018〜2019年にかけて15以上のアニメーション映画祭やLGBTQ映画祭でも上映され高評価をうけた。

 
 
Image Courtesy  of the Artist.

Image Courtesy of the Artist.

ADORABLE
2018

Director: Cheng-Hsu Chung
Music, Sound: Father
Sound Design, Mixing: Joe Farley
Producer: Royal College of Art



短編映画『親子になる』

ノーマルスクリーンではこれからウェブ上でも鑑賞できる作品を紹介していきたいと思います!注目の作家や作品を紹介したり、字幕をつけたり、テーマを立ててそれに関連する作品をこちらで公開したりしていきます。

今回は、欧米の映画祭が注目するカロリナ・マーコヴィツ監督の5作目の短編映画『親子になる』(The Orphan / O Órfão)をぜひご覧ください。2018年〜2019年に世界の映画祭で上映された作品です。主人公は、ブラジルの孤児院で生活するティーンエイジャーのジョナサス。実話をベースに構築された物語です。

 

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Carolina Markowicz | 2018 | 15 min | Color | Brazil | Portuguese

孤児院で暮らす個性豊かなジョナサス(Kauan Alavrenga)。髪を染めたり、口紅を塗ったりする彼は、受け入れてくれる里親をなかなか見つけることができない。そんななか、新たに見つかった夫婦の広い家での生活を始める。

本作品の背景として、ブラジルのトランプと呼ばれる現大統領の存在が考えられる。ブラジルの大統領ジャイール・ボルソナーロは、様々な差別的な発言を堂々とし、息子がゲイだったら「事故で死んだ方がまし」などと同性愛嫌悪も繰り返し明確にしてきた。もちろん、ブラジルでも濃厚な黒人への差別、白人とその他の人々との格差などの根深い問題も改善する兆しがない。本作は、このような政権下におけるブラジル社会の暗喩とも見ることができる。


監督、脚本のカロリナ・マーコヴィツ(Carolina Markowicz)は、ブラジルのサンパウロを拠点に活動し、コマーシャルや短編映画を制作しています。本作は、世界80ヶ所以上の映画祭で上映され、ブラジル作品初の受賞となったカンヌ映画祭のクィア・パルム賞を含む多くの賞も受賞。(主な映画祭&受賞:カンヌ国際映画祭2018 監督週間 短編映画部門、クィア・パルム賞|SXSW映画祭2019、審査員特別賞|ロカルノ国際映画祭2018|トロント国際映画祭2018、ショートカット賞|AFI(アメリカ映画協会)映画祭2019、フレームライン映画祭2019)。また日本では、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019 (SSFF & ASIA 2019)で上映されました。(日本語題『親子になる』はその時のもの)

マーコヴィツは現在、2本の長編作品を準備中。すでに、ロカルノ、トロント、トライベッカなどの映画祭の助成プログラムに選ばれ、支援と注目を受けながら制作が進んでいます。その作品の1つ『WHEN MY LIFE WAS MY LIFE』は、サンパウロ郊外のある家庭で身をひそめるマフィアのメンバーを主人公にしたダークコメディ。もう1本『TOLL』は、ゲイの息子をコンバージョンセラピー(同性愛の“矯正治療”)におくる親を中心にしたダークユーモアのある社会派ドラマになるそうです。

ノーマルスクリーンは日本語字幕制作に関わっていません。
画像提供/ Photos: FiGa Films|Carolina Markowicz

Screenplay Carolina Markowicz
Cinematography Pepe Mendes
Sound AudioInk
Production design Vicente Saldanha
Editing Lautaro Colace
Music AudioInk

参考:
TRIBECA FILM INSTITUTE https://www.tfiny.org/filmmakers/detail/carolina_markowicz
Variety https://variety.com/2020/film/global/luxbox-takes-toll-first-feature-the-orphan-carolina-markowicz-1234626057/
AFPBB News https://www.afpbb.com/articles/-/3167638?pid=19940795

 
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