本編配信中!
日本語字幕つき本編を公開しました!(12月10日)
配信は上記の日本初上映後(12月3日)にこのページで公開します!
みんな何かの病を抱えている
Visual AIDS
Day With(out) Art 2023
Everyone I Know Is Sick
HIVとその他の病や障害をつなげる世界から集まった映像5作品、日本初上映 + 配信
HIV、COVID-19、メンタルヘルス、加齢など様々な体験を見つめる短編ビデオ作品集【Everyone I Know Is Sick】
ニューヨークのアート団体Visual AIDSはこの映像集で、HIVや障害を例外的なものとしてではなく、一般的な体験として考える機会を与えてくれます。
アーティストたちは、今なお続く複数のパンデミックと闘っているこの世界において、障害や病気をもつ人々の知識と専門性を全面におしだしています。
参加アーティスト/ タイトル
ドリッサ・メディーナ & アナニアス・P・ソリア(アメリカ)
「ヴィエヒート/エンフェルミート/グリート(老人/病人/叫び)」
サンフランシスコ・ベイエリアのアーティストであり移民でもあるアナニアスが、民俗舞踊「ダンサ・デ・ロス・ヴィエヒートス(老人の舞)」を踊る。「老人の舞」のルーツであるメキシコのミチョアカン州で生まれたアナニアスは、彼のスピリチュアリティ、HIV由来の長年の障害、そして世界における居場所探しというレンズを通して、伝統舞踊の振付を解釈してゆく。
アーティストについて
ドリッサ・メディーナ(she/her)とアナニアス・P・ソリア(he/him)は、アーティスト・コレクティブ「グリート・ヴィエヒート」の現メンバーである。グリート・ヴィエヒートは、メキシコの民俗舞踊「ダンサ・デ・ロス・ヴィエヒートス(老人の舞)」の再解釈を通して、クィアな形で世界を修繕することを目指している。メディーナはテキサス南部の境界地帯出身の映画作家、ライター、オーガナイザー。「ヴィエヒート(老人)」像を健康、HIVの歴史、クィアな未来についての対話を行うための器として用いる研究・創造プロジェクトを立ち上げた。プロジェクトの初回である本作においては、動き、音楽、ダンスを通した変容的エネルギーの表現に関心をもつ多分野越境型アーティストのソリアと組む。
ドロシー・チュン(香港)
「心雑音」
「心雑音」は、映画作家チュンと香港に住む若者ディーンとの間の詩的な対話である。ディーンは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックの初期を先天性の障害およびHIVと共に生きた経験を振り返り、日常的に繰り返される医療上の困難に相対する「自己」の感覚を語る。
[アーティストについて]
ドロシー・チュン(she/her)は香港を拠点に活動する映画作家、アーティスト。「個人的なものと政治的なもの」「記憶と忘れやすさ」という2つの視点から、アイデンティティとホームの概念を追究するアートを実践している。彼女の映像作品は、クンストインスティテュート・メリー(旧・ヴィッテ・デ・ヴィット現代美術センター)、アイ・フィルムミュージアム、コルゾ劇場など世界中で展示されたほか、ロッテルダム国際映画祭、リーズ国際映画祭、ソウル国際女性映画祭、南方影展、クィア・リスボン映画祭などの映画祭にも出品されている。
ボー・ゴメス(カナダ/フィリピン)
「僕の整えたベッド」
本作における「ベッド」は、単なる病や孤独の場ではなく、慰めとエージェンシーの生きる空間である。HIVと共に生きる2人のフィリピン人男性が語る物語を通して、あまねく広がるパンデミックのさなかにおけるケア、回復、そして豊潤性のあり方が探られる。
[アーティストについて]
ボー・ゴメス(he/him)はモントリオールおよびトロントを拠点とするヴィジュアル・アーティスト。クィア性とコミュニティの立ち位置という文脈において、文化越境的ナラティヴにまつわる概念や困難、対話にインスピレーションを受けたアート実践を行う。自らの作品の礎であるイメージ制作を、個人の経験と集合的経験を繋ぎ合わせることで、共に学び、養い、刷新する道を拓く導管と見なしている。VUフォト、アートスペース・ギャラリー、ギャラリー44 センター・オブ・コンテンポラリー・フォトグラフィー、リールアジアン国際映画祭、トロント国際映画祭、クリティカル・ディスタンス・センター・フォー・キュレーターズなどの様々な場で作品展示を行ったり、イメージアートとコミュニティ構築実践にまつわる対話に参加したりしている。
カート・ウェストン(アメリカ)
「光を失う」
「光を失う」は、長年のAIDSサバイバーであり、サイトメガロウイルス性網膜炎で視力を失ったアーティストが、この世界に留まろうと苦しくも藻掻く様子を映し出す。実験的なセルフポートレートである本作は、分解され断片化されてゆくアーティストの身体を感じさせるとともに、視力喪失、長期にわたるHIV感染、そして数十年服用し続けた抗レトロウイルス薬の累積的影響を描き出す。
[アーティストについて]
カート・ウェストン(he/him)は主に写真分野で活動するアーティスト。1991年にAIDSと診断され、1996年にその類縁疾患であるサイトメガロウイルス性網膜炎で法定視覚障害者となった。一時期は顔および全身に赤紫の病変(カポジ肉腫)があったため、AIDS患者であることが分かりやすい状態だった。彼の作品は、可視性と障害にまつわるこの経験、HIVとAIDSをめぐる文化的スティグマの検証、障害をもつ体、死、そして喪失を映し出す。ウェストンの写真はヒューストン美術館、現代写真美術館、ナショナルAIDSミュージアムのコレクションに加わっているほか、ジョン・F・ケネディ・センター(ワシントンDC)、バークレー美術館(カリフォルニア州バークレー)、オレンジカウンティ・センター・フォー・コンテンポラリー・アート(カリフォルニア州サンタアナ)などで展示された。
ハイウラ・フェルナンデス & リリ・ナシメント(ブラジル)
「あの子はAID$」
「あの子はAID$」は、1990年にHIVをもって生まれたブラジルの活動家・アーティスト、リリ・ナシメントの物語である。限られたイメージやイデオロギーがAIDS産業に浸透している中、リリはHIVと共にある生をめぐるナラティヴを押し広げようと尽力してきた。
[アーティストについて]
リリ・ナシメント(they/them)はトランスパーソナル心理学者、コラムニスト、アーティスト。ブラジルでHIVおよびAIDSと共に生きる子どもたちを研究し、また彼らと活動している。アートと臨床の交差点で、詩的かつ政治的な存在の可能性を呼び起こす試みを行っている。
Beau Gomez, This Bed I Made| Dolissa Medina and Ananias P. Soria, Viejito/Enfermito/Grito (Old Man/Sick Man/Shout)| Dorothy Cheung, Heart Murmurs| Hiura Fernandes and Lili Nascimento, Aquela criança com AID$ (That Child with AID$)| Kurt Weston, Losing the Light, 2023. Commissioned by Visual AIDS for Everyone I Know Is Sick
Day With(out) Art 203主催:Visual AIDS
日本語字幕つき配信主催:Normal Screen
日本初上映
第37回日本エイズ学会学術集会・総会(京都)の市民フォーラム《+People 2023+ HIV感染症がつなぐ人々 ~今に生きる40年の歴史とこれから》で本作特別上映とトークが行われます!
15:30-17:00
ビジュアル・エイズ短編映像集《Everyone I Know Is Sick》上映
【併映】台湾でHIVと生きる女性と韓国のゲイ男性の声を届ける2作品
18:00-20:30
ダムタイプ《S/N》記録映像上映とトーク
《HIV/エイズ40年の歴史とこれからを知る・考える・つながる》
12月3日 15:00~
京都・龍谷大学響都ホール校友会館(アバンティ9階)
※ホールへの入場には当日15時より受付にて配布する整理券が必要です。
詳細:https://www.c-linkage.co.jp/aids37/
主催:第37回日本エイズ学会学術集会・総会
企画運営:第37回日本エイズ学会市民フォーラム実行委員会