【赤色で思い出す…】全編公開中!
・画面右下【CC】をクリックして日本語などの字幕を表示できます。
・2024年12月6日に日本初上映したビデオ7作品を配信しています。
開催日 12月6日㊎ 7時開始(6:30開場)
会 場 ポレポレ坐(中野区東中野4‑4‑1 ポレポレ坐ビル1F)
入場料 1000円(1ドリンク代込み|現金のみ)
ゲスト 田中今子さん、福正大輔さん
予 約 https://ssl.form-mailer.jp/fms/2349d3a5839550
30年以上続く企画[アートの(ない)日]にあわせ、ニューヨークのアート団体Visual AIDSにより世界からあつまった映像7作品が世界同時に公開!日本でも東中野で初上映し、トークも行います。
レッドリボンやその他の視覚的な要素を通じて、HIVやエイズは長い間、血液/痛み/悲劇/怒りといった赤色のイメージと結びつけられてきました。『赤色で思い出す… (Red Reminds Me…)』は、観る人にHIVにまつわるイメージや感情の複雑な広がりについて考えるよう促します。
フィリピン、パナマ、アメリカ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギーから集まった作品は、官能性や親密さ、母性や親族関係、運や偶然、記憶や亡霊などについて、パロディ、メロドラマ、演劇、皮肉、ホラーなどの手法を用いて、今日のHIVに関する体験を表現する新たな語彙を作り上げます。
タイトルの「赤色で思い出す...」(Red Reminds Me…)は、活動家/詩人でHIVとともに長く生きるサバイバーであるステイシー・ジェニングスの言葉に由来しています。彼女は「赤は私に思い出させる、赤は私に思い出させる、赤は私に思い出させる…自由であることを」と書いています。ジェニングスは「赤」と「自由」を結びつけ、通常の赤色の連想を反転させ、HIVを生きる複雑さについての新たな考え方を提供しています。
プリズムが光を屈折させるように、「赤色で思い出す...」はHIVを生きる感情のスペクトラムを広げます。悲しみ、悲劇、怒りがこの疫病の一部を定義している一方で、その全体像には深く、ニュアンスがあり、時に矛盾する感情が含まれていることを示しています。
ゲストは、中村キース・ヘリング美術館の主任学芸員 田中今子さんとHIV陽性を公表しながら活躍する俳優の福正大輔さん!
(出演予定だった福田和子さんは今回はキャンセルとなりました)
____ 上映/配信作品 ____
Mariana Iacono and Juan De La Mar, El VIH se enamoró de mi
私に恋したHIV
(フアン・デ・ラ・マー、マリアナ・イアコノ|アルゼンチン、コロンビア)
HIVを持ちながらも自身のセクシュアリティを受け入れ、自身の喜びを取り戻す女性の物語。官能的な表現で撮影され、HIVとともに生きる女性のための性の正義と自律への追求が反映されている。
ソーシャルワーカー、アクティヴィスト、そして母親でもあるマリアナ・イアコノが自身の体験(過去の活動や葛藤と現在の様子)を通し、可視化が進んでいないHIV+の女性の姿と複雑な欲望や感情を映し出し、やがて解放についても描く。イアコノは20年以上ラテンアメリカのHIV+女性のネットワークとの協働してきた。共作者のデ・ラ・マーはコロンビア出身のHIV+の弁護士。
Gian Cruz, Dear Kwong Chi
親愛なるツェン・クワン・チー
(ジアン・クルス|フィリピン)
フィリピン出身のクルスが亡きアーティスト、ツェン・クワン・チーのためにビデオレターを作成し、HIVと共に生きる移民や難民の経験を描く。いくつもの大陸や時代を超えるクワン・チーの遺産は、アジア人の物語が限られるAIDSの歴史のなかで、クルスにとってのよりどころとなっている。
クワン・チーは1950年に香港に生まれ、家族とカナダに移住。後にパリで学び、ニューヨークに落ち着いた。写真作品を発表し注目されたが、1990年にAIDS関連病で逝去。スペインによる植民地の歴史があるマニラで育ちバルセロナでの生活を経たアーティスト/研究者のジアンがクワン・チーの影響を語る。
Imani Maryahm Harrington, Realms Remix
天地 リミックス
(イマニ・マリヤム・ハリントン|アメリカ)
詩とアーカイブ映像のコラージュを通じて、現在にも影を落とし続けるAIDSの過去の記憶と感覚をたどる。
劇作家としてAIDS危機の体験を女性の視点から表現してきたハリントンは、アーティスト、文筆家としても活動してきた。本作では、彼女が何十年も住むサンフランシスコで見たり参加した運動や表現を振り返っている。そこにはHIVと生きた/生きる友人や同僚との個人的な話が登場し、それらが関係し合い、過去と現在の境目がぼやける。彼らを悼む側面が大きいが、同時に彼らの強さ、彼らとの繋がりの強さを敬う作品でもある。
David Oscar Harvey, Ambivalence: On HIV & Luck
アンビバレンス:HIVと運について
(デイヴィッド・オスカー・ハーヴェイ|アメリカ)
HIV感染が対処の可能な状態でありながらも、現在の文化がHIVの過去の暗い側面にこだわり提示し続ける、という難しい体験を扱っている。この作品はHIVを新たな視点で捉えることに関心を持ち、HIVとAIDSの図像と幸運の象徴を融合させた一連の視覚的な語呂合わせ/言葉遊びを提示する。
フィラデルフィアを拠点に活動するハーヴェイは、自身がHIV検査時に感じた「私は幸運だ」という曖昧な感情と向き合う。HIVを医学的なものではなく感情的な体験として捉え、この時代にHIVと生きることの喜び、ユーモア、“退屈さ”までをも表現する。
Nixie, it’s giving
it’s giving
(ニクシー|ベルギー)
ホームビデオ、記録映像、幻想的な風景を通して、子供の世話(caregiving)と死にゆくコミュニティの介護(caregiving)のつながりを探求する。AIDS危機の歴史と現在をDNAに受け継ぐHIV感染者が、新しい命を育むとはどういうことなのかを問いかける。
トランスフェム(transfemme)でHIV+でベルギーのAIDSコミュニティでアクティヴィストとしても活動するアーティスト/ライターのニクシーは、本作でトランスジェンダーのアクティヴィスト、クロエ・ズバイロが90年代のニューヨークで活動していた映像(ティーンに性別移行について説明する姿やステージでパフォーマンスをする姿)を自身のパートナーや子供の世話をする映像と物理的に(同じ画面で)重ねている。
Milko Delgado, El Club del SIDA
エイズクラブ
(ミルコ・デルガド|パナマ)
作品名はセンセーショナルなテレノベラ(昼ドラ)のエピソードに由来し、HIVとAIDSにまつわる強くスティグマ化されたイメージをあらためて全部巡るような作品。ドキュメンタリー、ホラー、コメディといった多様な表現を用い、ミルコ・デルガドが人生で向き合ってきた様々なAIDSとの関係を探る。
実際にAIDSは、“モンスター”や恐怖の対象としてドラマや映画やコマーシャルでも描かれてきた。本作の終盤ではデルガドのホームビデオ的な映像で、社会により埋め込まれた恥や固定観念からの解放、そしてステータスに関わらず連帯が必要であるというメッセージが語られる。
Vasilios Papapitsios, LUCID NIGHTMARE
明晰ナイトメア
(ヴァシリオス・パパピツィオス|アメリカ)
監督のパパピチオスは本作を「神経ダイバージェントでHIV陽性のホモの視点から、我々を病ませる環境でいかに治癒ができるのか(できないのか)についての瞑想」と表現している。オートフィクションとマジカルリアリズムを組み合わせ、メンタルヘルスと慢性病をめぐる物語をユーモラスに再構築する。
主人公は、映像制作のプロとしてもアメリカのロサンゼルスで活動するアーティストのパパピチオスが演じる男。蔓延する「古代からのウィルス」蔓延のニュースが流れるなか、隔離された部屋で幻聴や妄想に苦しんでいる。HIVはこの作品の中心ではないが、既存の問題として描かれ、米国内の保険や医療サービスの不均衡な状況を示唆するセリフもある。
本プログラム審査員の一人、アリー・A・ムハマッドさんによるイントロダクション文章はこちら:https://normalscreen.org/blog/dwa24intro
*映像は日本語字幕つき
*トークには手話通訳あり
開催日 12月6日㊎ 7時開始(6:30開場)
会 場 ポレポレ坐(中野区東中野4‑4‑1 ポレポレ坐ビル1F)
予 約 https://ssl.form-mailer.jp/fms/2349d3a5839550
主催 ノーマルスクリーン|TOKYO AIDS WEEKS 2024