Normal Screen and WAIFU will present Lebanon Prism Night, featuring the Japan premieres of the documentary BEIRUT DREAMS IN COLOR and three recent short films by Paris-based Lebanese artist Hadi Moussally. Hadi will appear after the screening in-person! The films will have English subtitles for non-English languages. At GAKU inside Parco Shibuya on April 23, 2024, start from 7:30PM. RSVP here. (RSVP is full and the form has been closed.)
アラブ系クィアの人たちの声を聴く。
短編映画4作品上映 + トークイベント緊急開催!
4月23日 19:30 at GAKU(渋谷PARCO 9階)
予約 https://ssl.form-mailer.jp/fms/b83cc540818331
*満席につき予約受付は終了しました。イベント開始直前に会場に余裕がある場合のみ入場いただけます。
パレスチナで歴史的な大量虐殺が6ヶ月以上続き飢餓も広がるなか、LGBTQへの支持をうたいながらパレスチナにおける侵略や殺害を無視したり覆い隠そうとしたりする政府やグローバル企業が存在しています。
イスラエル政府は「中東唯一LGBTフレンドリーな国」であることをアピールし、暴力や国際法に反して継続する入植(開拓地や植民地に入って生活)を正当化してきました。この「中東唯一」という語り口は、パレスチナのみならず、他の中東諸国やアラブ人・イスラム教徒全てを暗に対比し、「野蛮」「後進的」「同性愛嫌悪的」という印象付けを行い、西洋諸国から中東諸国に対する植民地暴力の正当化に利用しています。このプロパガンダは「ピンクウォッシング」と呼ばれ批判されていますが、その裏でパレスチナのクィアの人々の生活や語りは常に蔑ろにされ、西洋的な文脈で描かれるものとは異なる中東のクィアの人々の体験を見聞きする機会は日本でも非常に限られています。
レバノン*プリズム*ナイトでは、中東で起きていることやそこに住む人の生活をより身近に感じるために、そして一刻も早い停戦を願い求めながら、パレスチナと隣国で歴史的にも繋がりの多いレバノンに焦点を絞り、以下の内容で映画上映とゲストを迎えたトークを行います!映画は全て日本語字幕つきで日本初上映!
BEIRUT DREAMS IN COLOR
クィア プリズム フラッグの発案者でアクティビストでもあるハーメド・スィンノー(Hamed Sinno)は、ゲイであることを公表したおそらくアラブ圏初のロックスターであり、レバノンのベイルートが拠点のバンド、マシュルーウ・レイラー(Mashrouʼ Leila) のヴォーカルと作詞家としても知られている。彼らは中東で大人気のインディーバンドとなるが人気が高まるにつれてヘイト攻撃も増えていった。本作はLGBTQの人々に大きな勇気を与えた彼らの活動と葛藤、そして終幕の背景をとらえたドキュメンタリーだ。彼らの音楽、現地のLGBTQ支援の活動家、カイロのコンサートでレインボーフラッグを掲げたサーラ・ヘガーズィー、そしてファンの声を通し、レバノンやエジプトに住むクィアの人々の様子が活き活きとうつされる。
※本作には自死/自殺への言及がふくまれます。
『ベイルートは今日も鮮やかな夢をみる』(2022年|29分|監督:マイケル・コリンズ|Karaaj Films)
マシュルーウ・レイラーを Spotifyで聴く
HADI MOUSSALLY WORKS
レバノン出身でパリを拠点に活動するアーティストのハーディー・ムーサッリー(Hadi Moussally)が近年制作した短編映画をたずさえ来日!ハーディーさんがコロナ禍初期に一人で迎えた誕生日に古いVHSテープととともに人生を振り返るMV、欧州に生きる自身にのしかかる二重(アラブ系でゲイ)の差別について身支度をしながら冷静に考えるビデオ、謎多き魅惑的な“生物”サルマー・ザホールがこの世界の創造主に慈悲を求める詩的な8ミリの3作品を日本初上映します。上映後にはハーディーさんから直接お話を聴きます。
『ベリーダンス・ヴォーグ』(2020年|5分)
『帽子』(2022年|3分)
『男の華』(2023年|3分49秒






日 時 2024年4月23日(火) 19:30~21:30
会 場 GAKU(渋谷PARCO 9階|東京都渋谷区 宇田川町15-1)
入場料 1000円〜2000円(スライド式|会場にて現金支払い)
予 約 https://ssl.form-mailer.jp/fms/b83cc540818331
*満席につき予約受付は終了しました。イベント開始直前に会場に余裕がある場合のみ入場いただけます。
その他
・当日券は空席がある場合のみ販売。
・予約受付は満席になり次第、クローズします。
・会場内では、いかなるヘイト発言や行動は禁止です。
・渋谷パルコのトイレ情報はこちら。
*ピンクウォッシュとは何か。日本にもある?「LGBTQ当事者が、イスラエルの虐殺に声を上げるのは自然なこと」と専門家:https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_660a06d4e4b007c08f9dfb99
主催 NORMAL SCREEN|WAIFU
協力 GAKU|ABOさん|イスラエルのアパルトヘイトと虐殺に反対するクィア有志一同
連絡先 normalscreen@gmail.com
クィアプリズムフラッグ
当日配布した資料の情報:
『ベイルートは今日も鮮やかな夢をみる』
(2022年|29分|監督:マイケル・コリンズ|原題:BEIRUT DREAMS IN COLOR|日本語字幕:佐藤まな|日本初上映)
カイロでのコンサートで、中東最大のバンド、マシュルーウ・レイラーが3万5千人の観衆と体験した興奮。カイロのクィアの人たちを勇気づけた2017年の熱い夜の出来事がこのドキュメンタリーでふりかえられる。
マシュルーウ・レイラーのカリスマ的リード・シンガーのハーメド・スィンノーは、アラブ世界でおそらく初のオープンリー・ゲイのロック・スターだ。2017年に行われたこの巨大コンサートでファンは、巨大なレインボーフラッグを掲げ、幻想的な夜を締めくくった。しかし、その誇りと喜びを表したシンプルな行動が、結果的にバンドとファン、そして他の人々を悲劇的な出来事の連続へと突き進ませることになる。
本作は、受賞歴のあるマイケル・コリンズ、マーティ・シジューコ、ジェームズ・コスタ、サーラ・カスカスが、先駆的なロックバンドと勇気あるファン、そして強硬路線を貫く政治/地域で平等を求め、宗教的過激派と戦うクィアの活動家の今を描く。
10年以上にわたる活動の軌跡を綴った『ベイルートは今日も鮮やかな夢をみる』は、中東のLGBTQをとりまく政治に対する稀有でニュアンスに富んだ考察であると同時に、音楽の力、そして自由を求める普遍的な願望に対する証言でもある。
“The sky is sweeter than the earth! And I want the sky, not the earth”
マシュルーウ・レイラー:
Mashrou' Leila:ベイルート・アメリカン大学で建築/工業/デザインを専攻していた学生で2008年に結成。当初は7人だったが、活動の期間の大半は4人編成で、バンド名は「一夜のプロジェクト」の意。「レイラー」はレバノンをはじめとしたアラブ地域でよくある名前でもある。2022年の活動停止時には、彼らは中東最大のオルタナティブロックバンドになっていた。バンドのリードシンガーで作詞家のハーメド・スィンノーは、アラブ世界で最も著名なゲイのミュージシャンかもしれない。約15年間、バンドのライブは定期的にソールドアウトの成功を収めていたが、それでもメンバーはLGBTQIA+の人々が集うイベントを取り締まる政府機関からの嫌がらせや、聖職者などからの攻撃に直面していた。
2015年と2016年にはヨルダンでのコンサートが中止され、2019年に出演予定だったレバノンのビブロス・フェスティバルでは、教会指導者から「冒涜だ」と非難する電話や殺害予告がソーシャルメディアに流され、「流血を防ぐため」にコンサートは中止された。
バンドでヴァイオリンを演奏していたハイグ・パパズィアンは、ニューヨークタイムズ(2020年)、ガーディアン(2022年)にエッセイを寄稿しクィア当事者として中東での活動や体験について綴っている。
サーラ・ヘガーズィー
エジプトのレズビアン、クィアの政治活動家(ソフトウェア開発者であったとの情報もあり)。2017年、サーラはカイロで開催されたマシュルーウ・レイラーのコンサートでレインボーフラッグを掲げた。エジプトでは合意の上での同性愛関係は違法ではないにもかかわらず、保守的な政治家やメディアは、このコンサートが 「放蕩(ほうとう)、不道徳、性的倒錯を助長している」と攻撃的に主張した。サーラは逮捕され、3ヶ月間拘留された。この夜のコンサート後、エジプト警察が逮捕したとされる75〜100人の中で、唯一の女性だった。2018年1月に釈放されるまで、彼女は刑務所で拷問を受けた。後にカナダへの亡命を認められたが、拷問によるPTSDに苦しみ、さらにトロントのエジプト人コミュニティにも馴染めなかった。コロナ禍が猛威を振るう2020年6月13日の朝、自死。サーラは、2018年にカイロでのコンサートのことを振り返り、ドイツメディアに語っている。「私はあれを計画的に行いました。幸せでした。とても美しい瞬間だったと思います。規範と異なるあらゆるものに憎悪を向け、差異が何を意味するのかについて理解しない社会の中で、自分の存在を叫んだのですから」
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ハーディー・ムーサッリー
HADI MOUSSALLY:レバノン系フランス人映画作家。パリの2つの大学でFiction Cinemaとドキュメンタリー/Anthropological Cinemaの修士号を取得。2015年に、制作会社 “h7o7” を共同設立。「ハイブリッド」性質を持つ映画や写真の制作と普及を可能にしつつ、ファッション/実験/ドキュメンタリー/フィクションのジャンルの混合を主な目的として活動している。2020年には、世界中の30人以上のアーティストからなるコレクティヴ “Hybrid Wave” を始動した。
本プログラムでの上映作品
『ベリーダンス・ヴォーグ』(2020年|5分)
ハーディーさんがコロナ禍初期に一人で迎えた誕生日に古いVHSテープととともに人生を振り返る。
『帽子』(2022年|3分)
欧州に生きる自身にのしかかる二重(アラブ系でゲイ)の差別/重荷について、身支度をしながら冷静に考える。
『男の華』(2023年|3分49秒)
謎多き魅惑的な“生物”サルマー・ザホールがこの世界の創造主に慈悲を求める。詩人シャルル・ボードレールが著書『悪の華』出版直後に検閲にあった際にウジェニー・ド・モンティジョに送った手紙に触発された8ミリ作品。
全作品日本初上映
日本語字幕:秋田祥
Lebanon Today
-2021年のレバノンの人口は約670万人(世界銀行による情報)。CIA The World Fact bookによる2022年の推定人口:約529万人。
-レバノンの人口の約90%が都市部に住んでいる。(ベイルートはレバノン最大の都市であり首都)
-面積 10,452平方キロメートル(岐阜県程度)
-国は、18の宗派を認識しており、これには5つのイスラーム教派(スンニ派、シーア派、ドゥルーズ派、アラウィ派、イスマーイール派)、マロニート派、および11の他のキリスト教派、ユダヤ教コミュニティも含まれる。
レバノンでは様々な信仰間のバランスをとるため、宗派ごとに閣僚ポストや議席の配分を定めた「宗派主義体制」とよばれる政治体制が敷かれている。しかしこの宗派主義体制と実態にはギャップがあった。建国に大きく関与したクリスチャン諸宗派は権力的マジョリティではあったが、人口動態としてはムスリム人口が大きく増加していると推測され、体制の根本を揺るがす可能性があったのだ。このことが内戦(1975~1990年)の火種となり、ムスリム多数であるパレスチナ難民の迫害・虐殺にもつながった。宗教と政治の絡み合いが性的マイノリティの苦境にも影響を及ぼしていることは言うまでもない
レバノンの刑法第534条(1943年、レバノン共和国)は、フランス委任統治下のレバノンで制定され、性的行為を「自然の秩序に反するもの」として禁止した。これは現在も有効だが、2018年の選挙は国内での変化の兆しを示した。これは、レバノン人が9年ぶりに議会を選出する初めての機会であり、約100人のレバノンの政治候補者が同性愛の非犯罪化を求め、30歳未満の人々にとって初めての投票機会だった。この新規有権者80万人がLGBTQや女性の権利の議論の変化に大きく影響していると考えられる。そして2018年7月12日、レバノンの控訴裁判所は、同性間の合意に基づく性行為は違法ではないとする画期的な判決を出した。
相談窓口
東京いのちの電話(いのちの電話) 03-3264-4343
#いのちSOS(自殺対策支援センターライフリンク)0120-061-338
東京自殺防止センター(国際ビフレンダーズ)03-5286-9090
よりそいホットライン(社会的包摂サポートセンター) 0120-279-338
イスラエルのアパルトヘイトと虐殺に反対する日本のクィアの声
https://queervoicesinjpforpalestine.apage.jp/
参考文献:
「ベイルートは今日も鮮やかな夢をみる」公式資料
ハーディー・ムーサッリー公式資料
Forbes Japan記事「30歳のエジプト人活動家の死 レインボーフラッグを掲げた彼女を追い詰めた拷問」
外務省ウェブサイト
主催 NORMAL SCREEN|WAIFU
協力 GAKU|h7o7|Thoughtful Robot Productions|Karaaj Films|ABOさん|佐藤まなさん|イスラエルのアパルトヘイトと虐殺に反対するクィア有志一同
2024/5/29 配布資料掲載情報を追加
2024/4/20 サルマー・ザホールさんのカタカタ表記を修正
2024/4/12 予約受付終了/マシュルーウ・レイラーとハーメド・スィンノーのカタカナ表記を修正/『ベイルートは今日も鮮やかな夢をみる』説明文に加筆
2024/4/11 冒頭英文中の予約リンクを修正
2024/4/10 ハーディーさんのカタカナ表記を修正
2024/4/9 本ページ公開