『アバウト・フェイス:ある黒人プロデューサーの進化』
Thomas Allen Harris
トーマス・アレン・ハリス:監督およびChimpanzee Productions 代表。同社は人間の条件を彩る体験、アイデンティティ、家族、スピリチュアルな世界をユニークなオーディオビジュアルで表現する制作会社。これまでにホイットニー美術館のバイアニュアル展に参加、グッゲンハイム財団やサンダンスインスティテュートのフェローシップにも選ばれている。最近はPBS局の全米黒人番組協会が製作した番組『AfroPoP』にも登場した。『TwelveDisciples of Nelson Mandela 』(2005)は高い評価を受け、世界各地で上映されている。拠点はニューヨーク。
『ストーンズ&ウォーター・ウェイト』
Mykki Blanco
ミッキー・ブランコ:
ライター、レコーディングアーティスト。ノイズラップの詩人として『From The Silence Of Duchamp To The Noise Of Boys』という本を発売し名を広め、それ以来ヒップホップ界におけるクィアアーティストの先駆者的な存在。ネット上では、ミックステープ『Gay Dog Food』や「Kingpinning」のビデオなどが人気。過去にはビョークとツアーをともにし、トリッキーやベースメント・ジャックスとはレコーディングを行っている。2016年にはデビューアルバム『MYKKI』を発表し、高く評価された。『タイム』誌ではHIVとともに生きることを公にしている。現在は国際的に活動し、多くをポルトガルのリスボンで過ごしている。
『ラビリンス 1.0』
Tiona Nekkia McClodden
ティオナ・ネキア・マクロデン:キュレーター、ヴィジュアルアーティスト、映画作家。作品では人種、ジェンダー、セクシュアリティ、社会的評論の交差する場所を探求および批評している。 マクロデンの映画や作品であつかわれるテーマは、再び記憶すること(re-memory)。 最近は、アフリカの人々のディアスポラに共通する考え、価値、信念などに関心があり、これらを“Black mentifact” と呼んでいる。作品が探求するのは、映画や時間ベースの作品やものを内側から視るためのツールとしてのブラックコミュニティにおける相互主観性である。 ペンシルベニア州フィラデルフィアが拠点。
『おやすみ、キア』
Kia Labeija
キア・ラベイジャ:HIV/AIDSのための意識向上や、その受容、アクティヴィズムといったことをポートレートやパフォーマンスアートで刺激するアーティスト。作品はコミュニティ、政治、アート、アクティヴィズムが交差する場所を探求している。ヴィジュアルアーティストとして、ポートレートで実際に起こったことを劇的または映画的につくり込み、会話のきっかけを作ることで扱う題材とその空間の複雑さを鑑賞者に提示。社会的・政治的な発言をしている。 基盤はパフォーマンスで、彼女はヴォーグを踊りコミュニティを中心に活動するハウス・オブ・ラベイジャのメンバーである。拠点はニューヨーク。
『100ボーイフレンズ・ミックステープ(デモ)』
Brontez Purnell
ブロンテス・パーネル:サンフランシスコ・ベイエリアで10 年以上にわたり出版、パフォーマンス、キュレーションを行っている。主な刊行物は『Fag School』『The Cruising Diaries』『Johnny Would You Love Me If... (My Dick Were Bigger)』。また、バンドThe Younger Lovers のフロントマンを務め、ブロンテス・パーネル・ダンスカンパニー(BPDC)も設立。ソフィア・ウォンと始めたこのカンパニーでは、破壊的パンクロックと即興的フリージャズを組み合わせた作品を作り上げた。メンバーには様々な領域のアーティストが存在する。イラストの入った新作本『The Cruising Diaries』では、彼の原点であるDIY文学とパフォーマンスが引き続き見られる。
『ダイアナのヘアーエゴ・リミックス』
Cheryl Dunye & Ellen Spiro
シェリル・デュニエ& エレン・スピロ:シェリル・デュニエ:1990 年代に巻き起こった“クィア・ニューウェーブ” で若くして現れた映画/ビデオ作家。デビュー作『ウォーターメロン・ウーマン』は先ごろ制作20 周年を迎え、アウトフェスト映画祭のレガシープロジェクト(カリフォルニア大学LA校)により修復された。これまでに手がけた映画はHBO局の『Stranger Inside』など15 本以上におよぶ。2016 年にはグッゲンハイム財団のフェローに選ばれ、映画芸術科学アカデミーの会員にもなった。現在はサンフランシスコ州立大学の映画学校で教鞭をとり、エヴァ・デュヴァネイがクリエイターのOWN局のドラマ『Queen Sugar』の監督の1 人でもある。拠点はカリフォルニア州オークランド。
『大西洋は骨の海』
Reina Gossett
レイナ・ゴセット:アーティスト。2017 年、バーナード・カレッジ女性リサーチセンター(BCRW)の「アクティヴィスト・イン・レジデンス」に選出。パフォーマーでありアクティヴィストだったマーシャ・P・ジョンソンの短編映画『Happy Birthdayマーシャ!』をサーシャ・ワーツェルと共同で監督。また、MIT 出版局が2017 年10 月に刊行したトランスの人々のアートと文化的産物についてのアンソロジー『TRAP DOOR』では編集者として参加。長年コミュニティオーガナイザーとしても活躍するゴセットは、人権団体シルビア・リベラ法律プロジェクトやクリティカル・レジスタンスでメンバーシップ管理者として従事した。拠点はニューヨーク。※2018年7月に名前をトルマリン(Tourmaline)に改名。本文内では映像に合わせ旧名を使用。
28th Day With(out) Art: ALTERNATE ENDINGS, RADICAL BEGINNINGS
『知られざる結末、斬新な幕開け』はVisual AIDSの 28回目となるDay With(out) Art/アートの(ない)日のプロジェクトです。Visual AIDSはキュレーターにエリン・クリストヴァールとヴィヴィアン・クロケットを招き、今でも蔓延するHIV/AIDSの影響をうけるアメリカの黒人の人々の声を主役にした作品をプログラムしました。選ばれた8人のアーティスト --- ミッキー・ブランコ、シェリル・デュニエ & エレンスピロ、 レイナ・ゴセット、トーマス・アレン・ハリス、キア・ラベイジャ、ティオナ・マクロデン、ブロンテス・パーネル --- が斬新な短編ビデオ作品を発表しています。
ブラックコミュニティには顕著なHIV/AIDSの影響がありながら、その経験はアートや歴史の大きな語りからよく除外されています。2016年、アメリカ合衆国全体で新たにHIV陽性を診断されたうちの44%がアフリカ系アメリカ人でした。この状況を考えると、この統計に含まれた人々の生活を意識したストーリーに焦点をおくことは緊急を要するでしょう。
さらに、本プログラムでは全米のブラックコミュニティの中でも語られることの少ないクィアやトランスジェンダーの人々の声を積極的にとりあげようとしています。
これらを合わせて観ることで、普段知る機会の少ない「声」に出会い考えるきっかけになればと思います。
参加アーティスト:ミッキー・ブランコ|シェリル・デュニエ|レイナ・ゴセット|トーマス・アレン・ハリス|キア・ラベイジャ|ティオナ・ネキア・マクロデン|ブロンテス・パーネル
キュレーター:エリン・クリストベイル、ヴィヴィアン・クロケット
Artists: Mykki Blanco, Cheryl Dunye & Ellen Spiro, Reina Gossett, Thomas Allen Harris, Kia Labeija, Tiona Nekkia McClodden, and Brontez Purnell.
Curators: Erin Christovale and Vivian Crockett
本企画に参加のアーティスト全員のインタビュー翻訳とキーワード解説のはいった冊子を発行しました!詳しくはこちら:http://normalscreen.org/dwa-aerb
過去の上映:
2017年12月1日
会場:日比谷図書文化館コンベンションホール|入場料:500円
3回ループ上映(入退場自由)
*ニューヨークのホイットニー美術館でのプレミアと同日に日本語字幕付きで初上映!
2018年8月3-5日
会場:Gallery OUT of PLACE TOKIO (3331 Arts Chiyoda 207号)
連日4回ループ上映+最終回上映後に来場者と対話(入退場自由)
2018年8月19日
会場:同志社大学 寒梅館B1 クローバーホール
Queer Visions 2018で上映+解説:あかたちかこさん(入退場自由)