レズビアン ハストリー アーカイブ

ニューヨークのブルックリンにレズビアンの人たちにより始まり現在も続くアーカイブがあることを知っていますか? 1970年代に、他では見つけることのできなかった自分たちの求めるもの、そして自分たちの記録を自分たちで保存するために女性たちがマンハッタンのあるアパートメントに資料をあつめはじめました。やがてレズビアンの経験に特化したアーカイブとしては、世界最大級となります。

今回は、その空間を紹介する短編ドキュメンタリー2本を日本語字幕つきで公開し、2019年に現地で同施設に何度も訪れ調査された菅野優香さん(同志社大学・視覚文化研究やクィア・スタディーズなどを研究)にオンラインでお話していただき、希望者によるディスカッションも行います!(計90分ほどを予定)

詳しくはこちら:https://normal-herstory.peatix.com/

このイベントは、歴史や記憶や保存について考える特集の1つです。

 

 

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レズビアン ハストリー アーカイブ:その歩みを振り返る
(メガン・ロスマン|6 min|2016)©Megan Rossman

歴史が作られる横で消えていく。そう気づいた女性たちが1974年に設立したレズビアン ハストリー アーカイブ(LHA)。男たちの目線で語られてきたヒストリー(his story)ではなくハストリー(her story)。彼女たちのミッションは、レズビアンたちの人生や活動、そしてその証を集め保存すること。そうすることで、先の世代が、自分たちの人生に直に関わる情報に触れることができる環境をつくってきた。本作では、ニューヨークで現在も続くその活動を垣間見ることができる。

ラブレター レスキュー隊
(メガン・ロスマン|7 min|2016)©Megan Rossman

LHAのこれまでをもう一度ふりかえりつつ、共同設立者のデボラがより具体的なエピソードを語る。若い頃に公民権運動に刺激を受けたというデボラは、ストーンウォールの反乱から数年後にアーカイブを設立。アーカイブはアクティヴィズムだ、と語りつつ、ある時は、誰かが失恋した勢いで捨てそうな恋文を “レスキュー” する隊員のようだったと、笑う。

*日本語字幕表示は画面右下【CC】をクリックしてください。

監督プロフィール
メガン・ロスマン
大学在学中からドキュメンタリーの制作をはじめ、これまでに手がけた作品は、世界中の映画祭で上映された。ワシントンポスト紙でメディアジャーナリストとして従事し、2011年にはエミー賞を受賞した。ここで公開した短編作品は、アメリカ国内のLGBTQ映画祭はもちろん、欧州や韓国でも上映され好評をはくした。2019年には、今回公開した短編2作品をベースにした長編映画『The Archivettes』を発表し、LAの大規模なクィア映画祭Outfestなど50以上の映画祭で上映された。ロスマンは、ニューヨーク州立大学パーチェス校で教鞭もとる。

Rossman at the 2017 Princess Grace Awards Gala. (photo by Matt Winkelmeyer/ Getty Images)

Rossman at the 2017 Princess Grace Awards Gala. (photo by Matt Winkelmeyer/ Getty Images)

 
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