2019年9月*ノーマルの気になる催しものリスト

SEPTEMBER

勝手に気になるイベントを並べてみました!
NORMAL's LIST ノーマルの気になる催しものリスト
間違いや掲載お断りのイベントなどあればEメールください。
★=ノーマルスクリーン関連イベント

8/30(金)〜 映画『トミー』 ◎アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか https://www.twin2.co.jp/distribution/%E3%83%88%E3%83%9F%E3%83%BC/

8/30〜9/21 大垣美穂子個展「immortal moment」 ◎KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/immortal-moment

8/31~9/6 映画『ドリームガールズ ディレクターズカット版』『アリー/スター誕生』 ◎早稲田松竹 http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1856

8/31〜9/8 ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」 ◎Ex Theater Roppongi http://www.ex-theater.com/contents/schedule/list/201909/

8/31、9/1、9/3〜8  サエボーグ『House of L』 ◎愛知県芸術劇場大リハーサル室 https://aichitriennale.jp/artwork/A64.html

9/4〜8 あいち国際女性映画祭2019 ◎ウィルあいち など https://www.aiwff.com/2019/

9/6(金)〜 映画『アス』 https://usmovie.jp/

9/7(土) 映画『女は女である』あいち国際女性映画祭2019 ◎ウィルあいち https://www.aiwff.com/2019/

9/7(土) 詩の朗読:ヤリタミサコ倉田めば「見えないものたちの声」 ◎兵庫 ameen's oven https://ms-my.facebook.com/events/492701577957908/

9/7(土) 映画『STANDARD』上映会&トークイベント ◎宇都宮 STUDIO P5 https://twitter.com/STANDARD0907TCG?s=17

9/7〜9 映画『さらば、わが愛/覇王別姫』 ◎早稲田松竹 http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1791

9/7 & 8 THE M/ALL 2019 (なみちえ/ GEZAN/ GOTCH/ 行松陽介/ Mars89/ suimin/ NTsKi/ MARI SAKURAI/ MIRU SHINODA/ Machina/ ermhoi/ あっこゴリラ/ ENDON) ◎渋谷 WWW/ WWW X/ WWWβ/ GALLERY X BY PARCO https://www-shibuya.jp/schedule/011463.php

9/8(日) シンポジウム「日本におけるハームリダクションを考える」 ◎聖心女子大学4号館/ 聖心グローバルプラザ3F https://www.mdm.or.jp/news/15513/

9/8 & 14 映画『カルメン純情す』 ◎川崎市市民ミュージアム https://www.kawasaki-museum.jp/cinema/18700/

9/9(月) HIVチェック(検査キット無料配布) ◎Community center akta https://hivcheck.jp/teiki/

9/9(月) トーク 佐久間裕美子水野祐「日本の中のマリファナ」 ◎下北沢 本屋B&B https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01j97k10g95sa.html

9/13(金) 台湾カルチャーミーティング(陳雪/ 松浦理英子/ 李琴峰) ◎台北駐日経済文化代表処台湾文化センター https://jp.taiwan.culture.tw/information_34_101125.html

9/13(金) パーティー ワイフWAIFU ◎青山 蜂 https://twitter.com/wife_waifu

9/14〜20 AKISHIKA design T-shirts pop up store ◎ラフォーレ原宿 https://www.instagram.com/akishika_design/

9/14〜23 イメージフォーラム・フェスティバル2019 ◎シアター・イメージフォーラム、スパイラルホール http://www.imageforumfestival.com/2019/pre.html

9/16(月) 映画『何度でも忘れよう』しばたたかひろ (イメージフォーラム・フェスティバル2019 東アジアエクスペリメンタルコンペティション2) ◎シアター・イメージフォーラム http://www.imageforumfestival.com/2019/pre.html

9/20(金) シンポジウム「オルタナティブ映画にとってのプラットフォーム:対抗としての地域性、協働性」 ◎シアター・イメージフォーラム http://www.imageforumfestival.com/2019/pre.html

9/20(金) 映画『エイス・グレード』 ◎ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント他、全国ロードショー http://www.transformer.co.jp/m/eighthgrade/

9/21(土) J Triangular『Kyoto Makai: Ghostly Japan』上映、オープンスタジオ ◎京都芸術センター https://www.kac.or.jp/events/26754/

9/21〜23  関西クィア映画祭 ◎大阪・とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ https://kansai-qff.org/2019/

9/21~11/17 バスキア展「メイド・イン・ジャパン」 ◎森アーツセンターギャラリー https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/basquiat/index.html

9/22(日) Queer Visions 2019 ◎同志社大学・寒梅館クローバーホール http://normalscreen.org/qv19

9/23(月) シンポジウム 映画『プリズン・サークル』(坂上香 新作)から考える ◎早稲田大学 http://outofframe.org/_src/511/URA_fly.pdf?v=1563429090914

9/26〜29 映像展示「THE WHOLE WORLD IS WATCHING 女性/アート/エイズ/アクティヴィズム」J Triangular ◎community center akta http://normalscreen.org/events/triangular

9/27(金)〜 映画『WEEKEND ウィークエンド』 ◎YEBISU GARDEN CINEMA他ロードショー http://www.finefilms.co.jp/weekend/

9/29(日) Living Together のど自慢 ◎スナック 九州男 http://akta.jp/nodojiman/

9/29(日) セクシャルマイノリティフォーラム2019 ◎世田谷区立男女共同参画センターらぷらす http://laplace-setagaya.net/event/396/

9/29(日) 写真展「A Myth of Two Souls 二つの魂の神話 ヴァサンタ ヨガナンタン」 ◎シャネル銀座ビルディング https://chanelnexushall.jp/program/2019/vasantha/

~10/14 展覧会「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」 ◎東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3443.html

? ヴォルフガング・ティルマンスのポスター展 ◎POST店内 https://twitter.com/POST_BOOKS/status/1163714583984390145

〜10/14 恐竜博2019 ◎国立科学博物館 https://dino2019.jp/

~11/11 話しているのは誰? 現代美術に潜む文学(北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子)  ◎国立新美術館 https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/gendai2019/

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その頃、インターネットでは...

・『知られざる結末、アクティヴィストの蜂起』全編 日本語字幕付き! http://normalscreen.org/events/dwa2018
・「Real Story ヴィヴィアン佐藤」監督:深田志穂 https://www.youtube.com/watch?v=rgrugjT8Ga0
・『ある女流作家の罪と罰』(Can You Ever Forgive Me?)映画 デジタル配信 http://www.foxmovies-jp.com/canyoueverforgiveme/
・『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』ドラマ on Netflixなど https://www.star-ch.jp/drama/american-crime-story/
・「ソフトボイルド・マニフェスト」C.I.P. Books 西山敦子 https://i-d.vice.com/jp/article/pajaxg/soft-boiled-is-the-new-hard-boiled

zine RUB Open Call

Zine 参加者募集!

コロンビア出身、台湾拠点のアーティスト J Triangular(ジェイ・トライアンギュラー)が世界各地でつくるzine RUB、11号目となる最新号は日本のアーティストに参加をよびかけます。テーマは「QUEER GHOST」、詳細はこちら!

"The Ghost is a symptom of what is missing" 
この11号ではアーティストに、あなたのゴーストを送ってくださいと呼びかけています。私にとってのゴーストは、29歳でエイズによる合併症で亡くなった友人のRicardo Oleaです。皆それぞれにゴーストはいます。ここでは彼らを可視化し、浮かび上がらせます。このzineでは、彼らの人生を祝おうとしているのです。

                       ——— J Triangular

RUB 11 :  QUEER GHOST

・あなたの作品を提出(最高4つ)してください。それらをトライアンギュラーが選びデザイナーがコラージュしてデザインしページを作ります。

提出できる作品は例えば:
-絵/コラージュ/写真/VHS映像のスチル
-詩/物語/好きな言葉の引用
-ゴーストにまつわる物語(ゴーストストーリーズ)
-クィアストーリーズ
(ゴーストとクィアの両方が扱われた作品は紹介される可能性大)
(ゴーストの解釈は自由なので、例えば、必ずしも人間が関連している必要はありません)

・提出するイメージはすべて白黒/300 dpi/少なくとも短辺が1000 px/ .jpgまたは .png
・クレジットで表記してほしい名前をEメール本文に書いてください。
・提出する作品どうしがすべて関連している必要はありません。
・作品が選ばれた場合には、その他 国内外のアーティストと並んで掲載されます。
・完成したRUBは無料で配布。9月21日に京都芸術センター、9月26日に新宿二丁目のcommunity center aktaで発表され、11月にはニューヨークで行われるRUBの展示でも印刷されたかたちで紹介されます。
・最終的に各ページのサイズはA3になります。

 *トライアンギュラーは日本語は読めませんが、まわりの日本人スタッフとともに作品を読みます。
*過去のRUB:https://rubnewsletter.tumblr.com/  

締め切り:2019年9月14日
提出先:submittorub@gmail.com 

RUBについて:
RUBはニューヨークのクィーンズ区でトライアンギュラーが参加した Flux Factory のレジデンシーで誕生した。遊び心のある前衛的なトーンで挑戦的なテキストや言語をもちいた第一号は、世界からアーティストが参加し、neo-cosmicでnow-waveなそのzineは日々の経験とふかく結びついていた。世界中で無料で配布されるRUBでは、毎号クィアのパイオニアへのインタビューも掲載。過去にはAshley Hans Scheirl (Dandy Dust)やマルチメディアサイバーパンクのシュー・リー・チェンが参加した。

RUBはこれまでにシンガポールアートブックフェア、Queer Zine Fest(シンガポール)、AKI Gallery(台北)、台北現代アートセンター、Printed Matter (LA)で展示された。

J Triangular 展示
THE WHOLE WORLD IS WATCHING
女性/アート/エイズ/アクティヴィズム

2019年9月26日(木)〜9月29日(日)  16:00 - 22:00
community center akta (東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301)
http://normalscreen.org/events/triangular

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HIV犯罪化について知っておくべきこと

日本語字幕付きで公開中のビデオ『知られざる結末、アクティヴィストの蜂起』で言及される
「HIV の犯罪化」についてこちらで説明します。映像はこのページの最後でも鑑賞できます。

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あなたはHIVの犯罪化を
問題に思うはずだ

(ただその事について
 まだ知らないだけ)*

このポスター(タブロイド)は、Visual AIDSがエイヴラム・フィンケルスタイン(Avram Finkelstein)にコミッションしたもの。裏には下記の情報が記載されている。ニューヨークプライドマーチ2018で配布された。

* Courtesy of HIV Is Not a Crime Flash Collective

 

HIV犯罪化について知っておくべきこと
・米国では、1986年に初めて明確にHIVに特化した法律ができてから、HIVに関する公訴が1500件以上あった。

・現在、34の州でHIVに関する刑法に効力がある。

・これらの法の多くは、HIV陽性を相手に明かさないことを有罪とし、HIVと生きる人々は同意のもとの性的行為でも相手にHIVのステータスを告げなければ、起訴され投獄されるリスクをはらんでいる。これらの訴追/起訴は、コンドームの使用、ウイルス量、または現実的な伝染の可能性の有無は考慮されない。

・他の法律では、被告人がHIV陽性の場合、セックスワークに関連する軽罪が重罪へと強まることもある。たとえそれが性的行為の証拠がなかったり、勧誘された場合でもだ。

・HIVに関するこれらの法の多くはエイズ流行の初期に施行されたもので、HIVの感染を防ぐコンドームの有効性や抗レトロウィルス剤、PrEPなど現在の科学的知見を無視している。

・25の州はHIV感染リスクの低い、または無視してよいほどの行動 ーー 噛む、唾を吐くなどーー を有罪としている。唾では感染しない。

・HIVに特化した法律のない州でも、HIVと生きる人々が加重暴行や殺人未遂やバイオテロの罪として起訴されている。

HIV犯罪化を分解する
米国医師会、米国心理学会、全米刑事弁護士会、その他多くのエイズ関連団体はHIV犯罪化に反対の声明をだしている。

連邦政府でさえ、2013年にHIVの犯罪化に反対の姿勢を示した。HIV/AIDSに関する大統領諮問委員会はHIV関連の法の現代化を推薦。司法省は2014年に法改革のためのガイドラインまで提出した。2017年、トランプは諮問委員会のメンバー全員を解雇した。

HIV犯罪化の終結は、HIV関連の法が州ごとに異なることから複雑化している。つまり法の現代化はひとつずつ別々に地方議員とアクティヴィストが協働して行わなければならない。

ミズーリHIV司法連合は、州のHIVに特化した 2つの法を現代化する改正案を提出することに成功。一方、ルイジアナ州の議員らは、現在の法を拡大し、警官に体液を暴露したといわれる人に州は強制でHIV検査を受けさせられるようにしようとしている。これらは、HIVに特化した法が現在も有効な34州のうちの2州での例である。

科学は事実に基づいている。法は先例に基づいている。多くの州では、判例はいまだに1980年代のものに基づき、HIVと生きる人々へのスティグマを強めている。

 


*情報は2018年12月、アメリカ合衆国でのもの。

*右下の【CC】をクリックして日本語字幕を表示してください。
Subtitles: Sho Akita and Hibiki Mizuno

参加団体紹介などはこちら:http://normalscreen.org/events/dwa2018

2019年8月*ノーマルの気になる催し物リスト

AUGUST

NORMAL's LIST ノーマルの気になる催しものリスト
水分とりながら楽しみましょう!
★=ノーマルスクリーン関連イベント

8/1~10/14 あいちトリエンナーレ ◎愛知芸術文化センター、名古屋市美術館など https://aichitriennale.jp

8/2(金)〜 映画『トム・オブ・フィンランド』 ◎ヒューマントラストシネマ渋谷ほか http://www.magichour.co.jp/tomoffinland/

8/2~8/15 京マチ子追悼映画祭 ◎恵比寿ガーデンシネマ https://www.unitedcinemas.jp/yebisu/information.php?info=65767

8/3〜18 平松市聖展「IMPERSONAL THINGS」 ◎京都・BnA Alter Museum https://bnaaltermuseum.com/

8/4(日) 第30回東京学生映画祭 Eプログラム しばたたかひろ ◎渋谷・ユーロライブ https://bit.ly/2XEUskz

8/4(日) NOT ALONE CAFÉ 東京 ◎Dragon Men https://twitter.com/NotAloneCafe

8/4(日) #FREEUSHIKU 外国人収容所の問題に関し緊急街頭アピール ◎新宿東口広場 https://twitter.com/freeushiku

8/5(月) HIVチェック(検査キット無料配布) ◎Community center akta http://akta.jp/information/1141/

8/10~16 『世紀の光』『ブンミおじさんの森』+特別レイトショー『真昼の不思議な物体』 ◎早稲田松竹 http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1705

8/10〜24(火・水 休み) Kaz Senju 写真展 SHINJUKU STORY ◎community center akta http://www.kazsenju.com/

8/10~30 ジャック・タチ映画祭2019 ◎ユジク阿佐ヶ谷 https://www.yujikuasagaya.com/tati2019

8/11(日)、8/12(月)、8/17(土)、8/24(土)  魚座展「眺めのいい部屋」 ◎CRY IN PUBLIC https://twitter.com/cry_in_public/status/1154916161714151424

8/12(月・祝) ニイマリコ生誕35執念記念イベント ゲスト:蛭田竜太 ◎新宿LOFT BAR STAGE https://twitter.com/ninmari

8/14~10/14 展覧会「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」 ◎東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3443.html

8/15(木) 松本俊夫短篇『西陣』『氣 KI or BREATHING』『コミュニティ・ライフ』 ◎国立映画アーカイブ https://www.nfaj.go.jp/exhibition/yukeru201906/

8/15(木) BROCKHAMPTON ◎新木場 STUDIO COAST https://www.creativeman.co.jp/event/brockhampton/

8/16(金) 映画『永遠に僕のもの』 ◎渋谷シネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町など https://gaga.ne.jp/eiennibokunomono/

〜8/18(日) TOKAS-Emerging 2019第1期 ◎トーキョーアーツアンドスペース本郷 https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2019/20190720-6428.html

8/18(日) 第20回東京レインボー祭り ◎新宿二丁目 https://www.2-choume.net/

8/18(日) 講演会「ポーランド美術とフェミニズム」登壇者:アンナ・クテラ(出品作家)、マリカ・クジミチ(美術史家、アルトン財団代表)、アグニエシュカ・レイザヘル(lokal_30ディレクター) ◎東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3443.html

8/23(金)〜 映画『ロケットマン』 ◎全国ロードショー https://rocketman.jp/

8/23(金) 京都みなみ会館リニューアルオープン https://kyoto-minamikaikan.jp

8/24(土)& 8/25(日) 映画『光りの墓』 ◎川崎市市民ミュージアム https://www.kawasaki-museum.jp/cinema/17677/

8/27(火) ライブ:井上エリナ/Karaokemate/鈴木伸明/根岸卓平 ◎大久保 ひかりのうま

8/31(土) サエボーグ(パフォーマンス)『House of L』 ◎愛知県芸術劇場大リハーサル室(B2) https://aichitriennale.jp/artwork/A64.html

〜9/15(期間中の土・日のみ開館) 台湾フリーランサーシリーズ - グラフィックデジナー 小子(シャオツー)展 ◎NIBUNNO https://www.nibunno.com/single-post

〜10/6 高畑勲展「日本のアニメーションに遺したもの」 ◎東京国立近代美術館 https://www.momat.go.jp/am/exhibition/takahata-ten/

© Ichisei Hiramatsu

© Ichisei Hiramatsu

 

その頃、インターネットでは...

・『知られざる結末、アクティヴィストの蜂起』全編 日本語字幕付き公開開始! http://normalscreen.org/events/dwa2018

・『ある女流作家の罪と罰』(Can You Ever Forgive Me?)映画 デジタル配信 http://www.foxmovies-jp.com/canyoueverforgiveme/

・『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』ドラマ on Netflixなど https://www.star-ch.jp/drama/american-crime-story/

・『マインドハンター:シーズン2』 ドラマ on Netflix(8/16〜) https://www.netflix.com/jp/title/80114855

・まずは知っておきたい「芸術実践とジェンダーの平等」について。社会学者・山田創平シリーズ:ジェンダーフリーは可能か? https://bijutsutecho.com/magazine/series/s21/20162

・サマーソニック YouTubeライブ配信(8/16〜18) https://www.youtube.com/user/summersonic

・日本における非正規移民の長期・無期限収容を止めるための署名 http://chng.it/mnMgThTSkb

2019年7月 * ノーマルの気になるイベントリスト

JULY NORMAL's LIST


ノーマルの気になる催しものリスト

気になるイベントを勝手に並べてみました!

★=ノーマルスクリーン関連イベント

~7/3 (水) 「フィーバー・ルーム」アピチャッポン・ウィーラセタクン ◎東京芸術劇場プレイハウス https://fr2019.jfac.jp

7/2(火)〜 「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの」 ◎東京国立近代美術館 https://www.momat.go.jp/am/exhibition/takahata-ten/

7/5(金) 映画『Girl ガール』 http://girl-movie.com/

7/5〜6 & 12〜15 第28回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~ ◎東京ウィメンズプラザホール ◎スパイラルホール https://rainbowreeltokyo.com/2019/program

〜7/6(土) エリック・スワーズ展「私私私 君君君 彼ら彼ら彼ら 我々」 ◎KEN NAKAHASHI Gallery https://kennakahashi.net/

7/6(土) 「フロールに捧げる3つのエクスキー」合田有紀/野村香子/辻本佳/シモーヌ深雪/山中透(DJ LaLa) ◎京都精華大学ギャラリーフロール http://www.kyoto-seika.ac.jp/fleur/

7/6(土) デパートメントH ◎東京キネマ倶楽部 https://ameblo.jp/department-h/

7/6 & 7 映画『A.W.アピチャッポンの素顔』(ジェサップ監督)+『トロピカル・マラディ』(ウィーラセタクン監督) ◎東京都写真美術館 https://t.co/X4kfXxK6Hl

7/7(日) クィア・アニメーション201Q 上映+レクチャー! ◎東京藝術大学 横浜校地馬車道校舎 http://normalscreen.org/events/animation19

7/11 & 13 映画『湖の見知らぬ男』 ◎アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema1907111900/

7/12(金) 映画『トイ・ストーリー4』 https://www.disney.co.jp/movie/toy4.html

7/12〜27 佐藤雅晴 I touch Dream ◎KEN NAKAHASHI Gallery https://kennakahashi.net/ja/exhibitions/i-touch-dream

7/12〜15 TOKYO ART BOOK FAIR 2019 ◎東京都現代美術館 https://tokyoartbookfair.com/

7/13 & 14 映画『サード』 ◎川崎市市民ミュージアム https://www.kawasaki-museum.jp/cinema/17306/

7/13〜26 テレビ映画「ベルリン・アレクサンダー広場」 ◎UPLINK吉祥寺 https://joji.uplink.co.jp/movie/2019/2694

7/13(土) I Am トランス★カフェ ◎コミュニティセンターakta http://akta.jp/

7/13(土) "LOVERS 59" Teiji Lovers Birthday Bash (THE OK GIRLS/ DJ LALA/ 南琢也 (softpad)/ BuBu de la Madeleine) ◎京都・メトロ https://www.metro.ne.jp/single-post/190713a

7/27(土)〜 映画『モンスターズ 悪魔の復讐』(カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2019) http://qualite.musashino-k.jp/quali-colle2019/

7/13〜8/10 サイモン・フジワラ「The Antoinette Effect」 ◎TARONASU http://www.taronasugallery.com/exhibition/current/

7/15(月) エンパクに虹をかける - LGBTQ入門 ◎早稲田大学 小野記念講堂 http://www.waseda.jp/enpaku/ex/8805/

7/15(月) 『クィア・ジャパン』日本初上映 ◎スパイラルホール https://rainbowreeltokyo.com/2019/program/queer_japan

7/20(土) 赤道上のメイド・イン・タイワン 蔡明亮監督の映像芸術 ◎台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター https://jp.taiwan.culture.tw

7/20(土)〜 没後10周年記念 ヤスミン・アフマド特集 ◎シアター・イメージフォーラム http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/2524/

7/21(日) 参議院選挙 https://bit.ly/2xWSUUy

7/21(日) シンポジウム・祝賀資本主義とオリンピック ◎早稲田大学16号館106号室 https://tmblr.co/ZVXF2t2jBL0fZ

7/24(水) ジャネール・モネイ公演 ◎ZEPP DiverCity Tokyo https://smash-jpn.com/live/?id=3159

7/27(土) 「Ini Scene Kami Juga (このシーンはわたしたちのものでもある)」上映会 ◎新宿IRA http://ira.tokyo/event/4894/

7/27(土) 夢見るコリア・アニメーション2019 ◎シネ・リーブル池袋 http://yumekori.jp/

7/27〜8/2  イ・チャンドン監督特集 ◎早稲田松竹 http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1578

6/8(土)~ 世界報道写真展2019 ◎東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3437.html

© David Delafuente クィア・アニメーション201Q 上映+レクチャー!

© David Delafuente クィア・アニメーション201Q 上映+レクチャー!

© Caori Murata クィア・アニメーション201Q 上映+レクチャー!

© Caori Murata クィア・アニメーション201Q 上映+レクチャー!

その頃、インターネットでは...

・『知られざる結末、アクティヴィストの蜂起』全編 日本語字幕付き公開開始! http://normalscreen.org/events/dwa2018

・「セックスワーク・スタディーズ---当事者視点で考える性と労働」本 電子版発売開始 https://t.co/wEioTXwivY

・『ある女流作家の罪と罰』(Can You Ever Forgive Me?)映画 デジタル配信 http://www.foxmovies-jp.com/canyoueverforgiveme/

・『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』ドラマ on Netflixなど https://www.star-ch.jp/drama/american-crime-story/

・『メリーアンシングルトンの物語』(Armistead Maupin's Tales of the City) ドラマ on Netflix https://www.netflix.com/jp/title/80211563

・『The Miseducation of Cameron Post』翻訳出版のためのクラウドファンディング https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/2833

・『HIStory3圏套けんとう~ラブ・トラップ』台湾BLウェブドラマ on ビデオマーケット、Rakuten TV https://tv.rakuten.co.jp/special/history3/

・『Aziz Ansari: Right Now』コメディ on Netflix https://www.youtube.com/watch?v=LJqhSipUuzw

2019年6月*ノーマルの気になる催しものリスト

JUNE * NORMAL's LIST

東京を中心にノーマルスクリーンの今月気になるイベントなどをまとめました!
今月は映画情報多めですが、ストーンウォールの反乱/蜂起から50年ということでプライド関連イベントもありますね。

もし間違いなどがある場合はEメールやツイッターのDMで優しく教えてください。
★=ノーマルスクリーン関連イベント

6/1(土) 映画『リバース・ポラリティ』東京ろう映画祭 ◎渋谷・ユーロライブ​ https://www.tdf.tokyo/lineup2019

6/1(土)〜6/7(金) 映画『ビール・ストリートの恋人たち』『私はあなたのニグロではない』+特別レイトショー『ROMA/ローマ』 ◎早稲田松竹映画劇場 http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/1212

6/2(日) 鯉川なつえ x 野中モモ「スポーツ⇄ジェンダーを見つめよう」 ◎Readin’Writin’ BOOKSTORE https://bit.ly/2VK8M6a

6/2(日) Not Alone Cafe トーク:ジョン・ナファン ◎Dragon Men https://notalonecafe.com/about

6/3(月) 映画『氷上の王、ジョン・カリー』上映+トーク:カナイフユキ、鈴木みのり、平岩壮悟 ◎アップリンク渋谷 https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2019/54025

6/6(木) 映画『クイーン・オブ・アイルランド』 ◎京橋・国立映画アーカイブ https://eufilmdays.jp/lineup/entry-23.html

6/7(金)〜13(木) 映画『ガーデンアパート』石原海(UMMMI.) レイトショー ◎テアトル新宿 https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/movie/0572700.html

6/7(金) エリック・スワーズ展「私私私 君君君 彼ら彼ら彼ら 我々」 ◎KEN NAKAHASHI Gallery https://kennakahashi.net/

6/8(土) 映画『太陽の糸』 ◎川崎市市民ミュージアム https://www.kawasaki-museum.jp/cinema/17306/

6/8(土) シンポジウム:学問の自由とジェンダー研究 ◎ICUダイアログハウス https://www.facebook.com/events/466189257458145/

6/8(土) 映画『Happy Birthday Marsha!』上映+畑野とまとレクチャー ◎台東区・Purx https://purxinfo.tumblr.com/

6/9(日) akta 2018年度 活動報告会 ◎コミュニティセンターakta http://akta.jp/information/1890/

6/11(火) 映画『氷上の王、ジョン・カリー』公開記念 ジョニー・ウィアー登壇 ◎新宿ピカデリー https://www.uplink.co.jp/iceking/

6/14(金) パーティ「ワイフ」 ◎青山 蜂/ Aoyama Hachi https://www.facebook.com/events/375043629884506

6/14(金)〜 7/12(金) ヒューマンライツ&リブ博物館〜アートスケープ資料が語るハストリーズ ◎京都精華大学ギャラリーフロール http://www.kyoto-seika.ac.jp/fleur/past/2019/0614mhrl/index.php

6/16(日) 第54回 Living Together のど自慢 ◎スナック九州男 http://akta.jp/nodojiman/1904/

6/16(日) 映画『セノーテ』世界プレミア、小田香トーク ◎愛知芸術文化センター https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000094.html

6/22(土) トーク「ウーマンズダイアリーってなんだったんだろうミーティング」 城田亮介、鈴木洋子、塚本まこと、山元彩乃、あかたちかこ ◎京都精華大学iC-Cube http://www.kyoto-seika.ac.jp/fleur/past/2019/0614mhrl/index.php

6/23(日) 映画『アウトフィチュメンタリー』 ◎静岡県三島・CRY IN PUBLIC http://normalscreen.org/events/outfitumentary

6/27(木)〜7/7(日) 舞台『プラータナー:憑依のポートレート』ウティット・ヘーマムーン×岡田利規×塚原悠也  ◎東京芸術劇場 シアターイースト https://jfac.jp/culture/events/e-asia2019-pratthana/

6/28(金)& 29(土) RED ROOM “Bon Voyage!” ◎YCC ヨコハマ創造都市センター https://yokohamacc.org/redroom/

6/29(土) 映画『メジャーさん!』 ◎東京ウィメンズプラザ 視聴覚室 https://stonewall.peatix.com/

6/29(土) 『Over』創刊記念トークイベント:鈴木賢×小倉東 a.k.aマーガレット ◎明治大学駿河台校舎 リバティータワー3階 https://peatix.com/event/699187

6/29(土) 映画『愛と法』 ◎あいパル 上戸田地域交流センター(戸田市) ◎Antenna books & cafe ココシバ(川口市) https://todapi.info/life/aitohou/

〜6/29(土) アキラ・ザ・ハスラー + チョン・ユギョン「パレードへようこそ」展 ◎OTA FINE ARTS http://www.otafinearts.com/jp/exhibitions/2019/post_125/

〜9/1(日) スペインの現代写実絵画―MEAM ◎千葉市・ホキ美術館 https://www.hoki-museum.jp

6/30 (日)~7/3 (水) 「フィーバー・ルーム」アピチャッポン・ウィーラセタクン ◎東京芸術劇場プレイハウス https://fr2019.jfac.jp

その頃、インターネットでは...

・『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』(The Assassination of Gianni Versace: American Crime Story) ドラマ Netflixでも配信 https://www.youtube.com/watch?v=ga7BnG0n98A

・エス・デブリン TED Talk https://www.ted.com/talks/es_devlin_mind_blowing_stage_sculptures_that_fuse_music_and_technology

・『メリーアンシングルトンの物語』(Armistead Maupin's Tales of the City) ドラマ on Netflix https://www.youtube.com/watch?v=R63GxIGAaZw

・『The Miseducation of Cameron Post』翻訳出版のためのクラウドファンディング https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/2833

・『ある女流作家の罪と罰』(Can You Ever Forgive Me?)映画 デジタル配信 http://www.foxmovies-jp.com/canyoueverforgiveme/

2019年5月*ノーマルの気になる催しものリスト

May in Tokyo

NORMAL's LIST
東京を中心にノーマルスクリーンの今月気になるイベントなどをまとめました!
情報を追加することもあります。
間違いなどがある場合はEメールやツイッターのDMで優しく教えてくれると嬉しいです。

5/1(水) LGBT×貧困→ ハウジングファースト2019 ~虹色ハウスの実践報告~ ◎なかのZEROホール西館3F https://lgbthf.tokyo/2019/04/05/246/

5/1(水) 畑野とまと「知らなければいけない ゲイプライドの原点!」 ◎高円寺pundit' http://pundit.jp/events/4080/

5/2(木) ワークショップ「トランスジェンダーとHIV/エイズ」 ◎新宿区戸塚地域センター5F  https://ptokyo.org/news/10886

5/2(木) トーク「世界は日本をどう見てる?まきむぅとともに学ぶLGBT」 ◎AiSOTOPE LOUNGE https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01iy80106frgi.html

5/3(金) 映画『林こずえの業』+蔦哲一朗トーク+燻製パーティー ◎渋谷ターンテーブル https://bit.ly/2Phsg0i

5/3(金)〜9(木) 菅野恒平 写真展「Sunset Studies」 ◎南青山 Sundries http://www.sundries-antiques.com/

~5/6(月) 志賀理江子「ヒューマン・スプリング」展 ◎東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3100.html

5/6(月) 19時からHIV検査キット無料配布 ◎Community center akta https://hivcheck.jp/

5/9(木) 映画『青春神話』『愛情萬歳』(台湾巨匠傑作選2019) ◎新宿 K's Cinema http://www.ks-cinema.com/movie/taiwan-kyosho2019/

5/9(木)〜29(水) ガビィ・メッシーナ写真展「グレイトウーマン」(Grandes Mujeres) ◎インスティトゥト・セルバンテス東京 https://gaby-messina.peatix.com/

5/10(金) 映画『藍色夏恋』(台湾巨匠傑作選2019) ◎新宿 K's Cinema http://www.ks-cinema.com/movie/taiwan-kyosho2019/

5/10(金) 映画『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』 ◎シアター・イメージフォーラム https://sunpoday.com

5/11(土) #FREEUSHIKU vol.2「ここにいるすべてのひと、ここにくるすべてのひと」新入管法/収容所/移民の権利 ◎渋谷 LOFT9 https://freeushikuweb.jimdofree.com/

5/13(月) TVドラマ『POSE』 ◎FOXチャンネル https://tv.foxjapan.com/fox/program/index/prgm_id/21709

5/17(金)〜 映画『コレット』 ◎TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて https://colette-movie.jp/

5/18(土) 「Neoplasia2」 Hirakish / Minchanbaby / ALMA / DJ HONEYPANTS / 1-DRINK / speedy lee genesis ◎WWWβ https://www-shibuya.jp/schedule/011102.php

5/23(木) 京極朋彦/永田桃子 ソロダンス ダブルビル公演 ◎祖師ヶ谷大蔵 カフェ ムリウイ https://kyo59nagata.peatix.com/

5/23(木)〜31(金) 3日連続トーク「韓国で見つけた、アートブックとZINEの世界」 ◎ポポタム http://popotame.net/?p=2550

5/24(金) 山本芙由美「アジアのろうLGBTQ支援を考える ~フィリピンでの活動調査でみえたこと~」 ◎国際交流基金 本部2階 https://jfac.jp/culture/events/e-grant-and-fellowship-fellow-seminar-2019-1/

〜5/26(日) 六本木クロッシング2019展:つないでみる ◎森美術館 https://www.mori.art.museum/

〜6/29(土)  アキラ・ザ・ハスラー + チョン・ユギョン「パレードへようこそ」展 ◎OTA FINE ARTS http://www.otafinearts.com/jp/exhibitions/2019/post_125/

© Kohey Kanno 菅野恒平「Sunset Studies」

© Kohey Kanno 菅野恒平「Sunset Studies」

 


その頃、インターネットでは、、、
ユーリー・ノルシュテイン傑作選 「25日・最初の日」on 無料動画GYAO! https://gyao.yahoo.co.jp/player/00569/v08711/v0828500000000528373/
・ポッドキャストミュージカル『Anthem: Homunculus』 https://luminarypodcasts.com/listen/john-cameron-mitchell-and-bryan-weller-topic/anthem-homunculus-luminary-exclusive/
・『The Miseducation of Cameron Post』翻訳出版のためのクラウドファンディング https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/2833
・『レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-』(Knock Down The House) ドキュメンタリー on Netflix https://youtu.be/_wGZc8ZjFY4
・『僕の家族のすべて』(All In My Family)ドキュメンタリー on Netflix https://youtu.be/lXiSr8I39fM
・『ボクらを見る目』(When They See Us)ドラマ on Netflix https://youtu.be/YyoSErErnCE

2019年4月*ノーマルの気になる催しものリスト

APRIL
2019年4月
気になるイベントを勝手に並べてみました!
ノーマルスクリーン初めての1週間上映もあるよ!

★=ノーマルスクリーン関連イベント

4/1(月) 〜7(日) 「Love Bucks」ミランダ・ジュライ ◎TOKYO ART BOOK FAIR / Ginza Sony Park  https://www.ginzasonypark.jp/program/010/

~4/5(金) 『偏愛ビジュアリスト 東海林毅ショートフィルム選』レイトショー ◎池袋・シネマロサ https://shoji.themedia.jp/

4/5(金) カナイフユキ×少年アヤ×野中モモ トークイベント ◎下北沢 B&B http://bookandbeer.com/event/20190405/

4/6(土)~4/19(金) クリス・マルケル特集 2019<永遠の記憶> ◎渋谷ユーロスペース http://www.pan-dora.co.jp/ChrisMarker/

4/8(月)HIVチェック(検査キット無料配布) ◎Community center akta http://akta.jp/information/1141/

〜4/27(土)「Sing」 海老原靖 展 ◎新宿三丁目 KEN NAKAHASHI https://kennakahashi.net/

4/12(金) fancyHIM Shibuya Takeover -Juliana Huxtable, MikeQ, HUNGRY, DJ POIPOI, PELI ◎渋谷 Contact https://www.redbull.com/jp-ja/music/events/fancyhim-shibuya-takeover

4/12(金)〜 映画『荒野にて』 ◎ヒューマントラストシネマ渋谷他 全国順次ロードショー https://gaga.ne.jp/kouya/

4/13(土)〜19(金) ★映画『アウトフィチュメンタリー』日本初上映 ◎シアター・イメージフォーラム http://normalscreen.org/

4/14(日) Hand in Hand 2019 Tokyo アジア・レインボー合唱フェスティバル ◎なかのZERO大ホール https://www.hih2019tokyo.org/

4/19(金) 映画『ある少年の告白』 ◎TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー http://www.boy-erased.jp/

4/20(土) 映画『ソヴァージュ』 ◎アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema1904201215/

4/28(日)& 29(月) 東京レインボープライド ◎代々木公園 https://tokyorainbowpride.com/

© K8 Hardy OUTFITUMENTARY

© K8 Hardy OUTFITUMENTARY

2019年2月*ノーマルの気になる催しものリスト

* NORMAL's LIST *

東京を中心にノーマルスクリーンの今月気になるイベントなどをまとめました!情報を追加することもあります。
間違いなどがある場合はEメールやツイッターのDMで優しく教えてくれると嬉しいです。
★=ノーマルスクリーン関連イベント

2019 February

1/26〜 映画『チャンブラにて』 ◎新宿武蔵野館 http://ciambra.musashino-k.jp/

1/31(木)~ 2/17(日)映像展示:飯名尚人・溝端俊夫『大野一雄について・日常を巡るインタビュー・ドキュメンタリー・フィクション』◎横浜赤レンガ倉庫1 号館 http://www.dance-media.com/videodance/zokei/

2/1(金)~3/3(日) ケネス・アンガー「アイコニック・メモリ展」(金・土・日 開館) ◎恵比寿・スクールデレック芸術社会学研究所 https://www.sgurrdearg.com/exhibitions/kenneth-anger-iconic-memory/

2/1(金)~2/13(水) 金子國義 展 ◎渋谷 Bunkamura Box Gallery http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/box_190201kaneko.html

2/1(金)~2/14(木)映画『13回の新月のある年に』&『第三世代』 ◎アップリンク吉祥寺 http://www.ivc-tokyo.co.jp/fass2018/

2/2(土)〜 映画『ゴッズ・オウン・カントリー』 ◎シネマート新宿、シネマート心斎橋、センチュリーシネマ他 http://finefilms.co.jp/godsowncountry/

2/4(月)〜2/18(月) 『ESCAPE』刊行記念 箕輪麻紀子原画展 ◎青山ブックセンター本店 http://www.aoyamabc.jp/fair/escape/

2/7〜9(土) 生産性・愛・身体 ICUモダンダンス部 at TPAM ◎国際基督教大学 ディッフェンドルファー記念館 https://www.tpam.or.jp/program/2019/?program=productivity-love-body

2/8(金)~2/24(日) 第11回恵比寿映像祭「トランスポジション 変わる術」 〈12(火)、18(月)休館〉Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions https://www.yebizo.com/jp/information/

2/10(日)& 11(月) ワークショップ:川口隆夫|ボディ・スカルプチャ・ワークショップ「大野一雄について」&上映「ラ・アルヘンチーナ頌」◎横浜赤レンガ倉庫1 号館 http://www.dance-media.com/videodance/zokei/yokohama.html

2/12(火)テーブルカンファレンス「映像と身体、そして教育」パネリスト:砂連尾理、砂山典子、吉開菜央、川口隆夫、飯名尚人 ◎横浜赤レンガ倉庫1号館 http://www.dance-media.com/videodance/zokei/yokohama.html

2/13(水)バリー・ジェンキンス登壇&上映『ビール・ストリートの恋人たち』 ◎TOHOシネマズ シャンテ https://longride.jp/bealestreet/event.html

2/13(水) 短編映画『Just Be Gemma』 上映&ディスカッション ◎カナダ大使館 http://rainbowreeltokyo.com/2018/just_be_gemma

2/15(金) 不産主義 テーリ・テムリッツ at TPAM ◎KAAT神奈川芸術劇場 https://www.tpam.or.jp/program/2019/?program=deproduction

2/15(金)〜 佐藤雅晴「死神先生」◎新宿三丁目KEN NAKAHASHI Gallery https://kennakahashi.net

2/15(金)〜 映画『女王陛下のお気に入り』 ◎全国ロードショー http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/

2/15(金)〜 映画『盆唄』 ◎テアトル新宿 http://bitters.co.jp/bon-uta/

2/16(土)★ 短編映画『老ナルキソス』上映&レイチェル・ダムールのドラァグショー ◎下北沢Darwin Room https://t.co/SdRwodYrTC

2/16(土)~2/18(月) ケニス・アンガー『マジック・ランタン・サイクル』(レイトショー) ◎早稲田松竹映画劇場 http://wasedashochiku.co.jp/

2/18(月) 毎週月曜日19時より、匿名 無料HIV check ◎新宿二丁目コミュニティセンターakta http://akta.jp/information/1141/

2/22(金)〜24(日) オペラ『金閣寺』◎東京文化会館 大ホール http://www.nikikai.net/lineup/kinkakuji2019/index.html

2/22(金)〜3/4(月)『水谷千重子50周年記念公演』 ◎明治座 https://www.meijiza.co.jp/news/20180605/

2/22(金)〜 映画『サタデーナイト・チャーチ -夢を歌う場所-』 ◎新宿ピカデリーほか http://saturday-church.com/

2/23(土)★ドキュメンタリー映画『怒りを力にーACT UPの歴史』上映&牧村朝子、マーガレット、秋田祥トーク ◎下北沢Darwin Room https://t.co/SdRwodYrTC

2/23 & 24(日)LOURAN ジュエリー展示・受注会 ◎渋谷 OZスペース

2/26(火)「散歩19」出演:AD再騰二三夫、キュア尿道院、根岸卓平 ◎高円寺 円盤 http://enbannews.blogspot.com/

大野一雄の記録映像「ラ・アルヘンチーナ頌」(www.dance-media.com/videodance/zokei/yokohama.html)

大野一雄の記録映像「ラ・アルヘンチーナ頌」(www.dance-media.com/videodance/zokei/yokohama.html)

東京エリア以外

2/7(木)〜3/3(日) 「have a nice day , sex worker 番外編 オプション無料展」(期間中 木・金・土・日 開館) ◎大阪・コミュニティセンターdista https://dista.osaka/event/event.php?id=395

2/8(金) ★「バスキアとアーサー・ラッセルの時代 1970年代後半から80年代のロウアー・マンハッタン」 ◎京都・誠光社 http://www.seikosha-books.com/event/4240

2/11(月)映画『虹色の朝が来るまで』上映 ◎徳島市ふれあい健康館 https://www.topics.or.jp/articles/-/157118

2/12(火)『鉱 ARAGANE』上映&小田香舞台挨拶 ◎大阪・シネ・ヌーヴォ https://www.zisedai-eiga.com/line-up?lightbox=dataItem-iggdr0pv

2/16(土)~3/17(日) Yotta「ヨタの鬼セレブレーション展」 ◎ロームシアター京都 http://culture-project.kyoto/event/organize/detail/34

2/17(日)大須にじいろ映画祭2019 ◎名古屋市・大須演芸場 http://osurainbowfilmfestival.org/

ワイルド コンビネーション:マット ウルフ監督インタビュー

ノーマルスクリーンでは2015年に初めての上映としてマットウルフ監督の長編デビュー作『ワイルドコンビネーション:アーサーラッセルの肖像』(2008)を東京渋谷のアップリンクで上映しました。2018年11月、この作品の発表から10周年を記念し、日本でもDVDが発売されました。この機会にここに2008年に行われた監督のインタビューの翻訳版を公開します。映画とあわせてお楽しみください。

ちなみに、ウルフ監督の新作は、テレビニュースを亡くなるまでの30年にわたり毎日24時間録画し続けた女性マリオン・ストークスのビデオをもとに制作された『Recorder: The Marion Stokes Project』。編集は出口景子さん、音楽はオーウェン・パレットという注目作です。

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Interview with Matt Wolf (2008)

映画では複雑な人物として描かれているアーサー・ラッセルですが、彼について世間が誤解していることや大げさに言われていることはありますか?
死んだ後に認識される文化的人物の「忘れられた天才」という画家の神話のような話はたくさんあります。アーサーを天才とか名もなき伝説のようにレーベルする必要があるのかわかりません。この映画の伝記的な部分から、なぜ彼がまわりの仲間のように有名にならなかったのかが少し分かると思います。ライターで音楽家のデイヴィッド・トゥープがこう言っています「彼は明らかに成功したかった、でも彼にはエンターテイメント業界でやっていける要素がほとんどなかった」 アーサーにはチャンスもあり、挑戦もした、でも様々な理由があり名声とまではいかなかったのです。でも彼はつねに明日をみていた、だから彼の音楽には未来的なものがあるのです。数十年後にファンができたことが僕には理解できます。

関係者へのインタビューや資料映像を掘りおこした後、アーサーについての印象は変わりましたか?
もちろんです。もうこの世に存在しない人物をテーマに映画を制作することは面白い経験でした。今はアーサーについての話を聞き、彼をよく知っているような、深い共感のようなものを感じます。でも同時に、アーサーがこの映画についてどう思うか、彼をちゃんと描写しているか、彼にとってもフェアな内容か、という心配のようなものもあります。彼には会ったこともないのに、まるで彼のことを知っていたかのようです。

制作についてお聞きします。アーサーのファンはつねに彼の資料、特にビデオが少ないと感じているようですが、どうやってこれらの資料を見つけたのですか?
制作の序盤で、僕は長編は無理だと思っていました。なぜならアーサーを蘇らせるほどのビジュアルが残っていなかったからです。それが結果的には制作課題となり、クリエイティブでユニークな方法でアーサーと彼の音楽を表現することになりました。俳優を使い、とうもろこし畑や(NYの)ステタン島行きのフェリー、ウェストサイドなど彼を喚起させるミステリアスな数ショットをビデオとスーパー8で撮影しました。ほとんどフェイクの資料映像です。他にアーサーの人生にまつわる部屋や物をドラマチックに撮影しました。アーカイブ資料の少なさが、面白いビジュアル表現を助長したんだと思います。アーカイブのリサーチとは宝探しのようなもので、幸運にも素晴らしい発見があった。アーサーが何時間もカメラに向かって話している映像は全くなかったけど、資料の少なさが、僕らがしたことをより特別なものにしたと思います。

アーサーの両親についてはどうですか? オスカルーサが彼に与えた影響を感じられましたか?
両親のチャックとエミリーには刺激をもらいました。二人は子供のころに出会い、それ以来ずっとアイオワのオスカルーサに住んでいます。チャックは特に個性的で、映画でも分かると思いますが、笑いの間も最高です。でも2人とも大らかで知的で、インスピレーションがあります。彼らの影響はアーサーにもあったはずです。アイオワの広大な景色と象徴的な光景、特にとうもろこし畑には多大な繋がりを感じていたはずです。チャックが撮ったアーサーがとうもろこし畑にいる写真やトラックと写っている写真が映画にも登場します。

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映画では音楽に合わせ、アーティスティックな映像表現があり、こどもの遊びを直接的、また間接的にイメージさせる場面もありますが、アーサーの何からこれらのニュートラルな表現へと至ったのでしょうか?
気付いてくれてありがとうございます。こういう子供のような経験と遊びを織り交ぜることに努力しました。僕がアーサーと彼の音楽に繋がりを感じるとても大きな理由でもありますが、それは彼がこだわった幼少期の元気さと前向きさと喜びなんです。たまに彼は子供のような声を出し、子供の純朴さと単純さを表現し、またある時はそのことについて直接的に歌います。「こどもたちよ!大人はみんなバカだよな!」と。実際彼は、大人はバカだ!と信じていたのでは、と思います。

アーサーはなぜ曲を完成させることができなかったと思いますか? 完璧主義の苦しみ、というだけだったのでしょうか?
彼の苦しみは分かります。僕もこの映画を完成させるのは辛かった。でも時間が迫っていました。何もないところから何かを作ると可能性も無限大です。そこでうまくやっていくには作る過程に集中することかもしれない。アーサーは深く念入りに過程と向き合っていた。もちろんノイローゼや自己嫌悪に落ちいったりもします。でも彼は音楽を作ることを愛していたんだと思います。完成させることが全てではなかったのです。

監督は過去の作品でもゲイのアイデンティティやアメリカにおけるゲイの経験ついて制作をしています。 アーサーにとって同性愛者というのは複雑な彼の一面にすぎませんが、この映画とあなたの映画監督としての大きなテーマとの関連性はありますか?
『ワイルドコンビネーション』がクィア映画として観てもらえるといいですね。僕が彼に感じる大きな関連要素は彼がゲイであったということで、僕はトム・リーとアーサーのラブ・ストーリーを映画の中心にしました。一方、この映画はゲイカルチャーについてではありません。アーサーとトムはそこまでゲイコミュニティやカルチャーと繋がっていなかったようです。でも、僕は映画監督として、ゲイの伝記やあの時代のゲイの文化人について関心があり、アーサーのストーリーが、その興味と関心の延長線上にあるのです。

なぜ彼の音楽と人物像は未だに、彼が生きていた時以上に人々を惹きつけているのでしょうか?
アーサーの音楽は熱く、とても個人的なものだと思います。歌い手を近く感じ、そして(少なくとも僕の)感情に響きます。計り知れないほどの美と、様々なものも詰まっています。人々は、それが理由で彼の音楽をもっと体験したいというだけではなく、より深い、または感覚レベルでの彼との繋がりを求めているのではないでしょうか。時代を問わないアートを評価するというのはありがちですが、彼の作品はそうなのです。どこでもいつでも聞ける、でもそれらが生まれたのはディスコ、前衛音楽、CBGBが生まれた伝説的な時代というのもとても興味深い。人々が今後もアーサーの音楽を発見し続けるといいですね。

Translation: Sho Akita
2008年: Oscilloscope Laboratories公式資料より

日本版DVDはTANG DENG Co.より発売中!

価格:税込 4,320円(本体4,000円+税)
品番:TANGD011
仕様:カラー/片面2層/MPEG-2/英語(ドルビーデジタルステレオ)/16:9/日本語字幕/リージョン・オール

特典映像等:
・マット・ウルフ監督によるオーディオ・コメンタリー(英語)
・アーサー・ラッセルによるパフォーマンス
・アーサー・ラッセルの葬儀でのアレン・ギンズバーグによるマントラ詠唱
・アーサー・ラッセルが両親へ宛てたテープ・レター(対訳付き)
・イェンス・レークマン、ヴェリティ・サスマン(Electrelane)、ジョエル・ギブ(The Hidden Cameras)、アーサーズ・ランディングによるカバー・パフォーマンス

封入特典:スペシャル・ポストカード

お近くのレコード店で注文または以下のページから購入いただけます。
Sunny Boy Books
BEAMS RECORDS
disk union
HMV&BOOKS
amazon.co.jp
TOWER RECORDS

出版・販売:TANG DENG 株式会社

 

一切行苦。チェン・ティエンジュオの『忉利天』F/T17 中国特集 

舞台芸術の祭典・フェスティバル/トーキョー2017。今年は2014年から続くアジアシリーズで中国が特集された。しかも人気作家を呼ぶのではなく、注目の若手世代(ミレニアル世代)にフォーカスがおかれ、急速に変化する生活、アート、ポップカルチャーも中国から専門家を迎えたトークイベントやコンサートなどを通し紹介された。(例えば、『秋音之夜』と題されたライブイベントではNova Heartなどがパフォームし盛り上がった)

配布資料で、このプログラムのコーディネーターである小山ひとみさんは書いている。中国には「私たちの想像をはるかに超える「違い」が存在している」と。「『中国』というのは当然だけれど、一言では語れないということ。」

F/T17 でも、ジャンルを超えて多くの「違い」を詰め込んだような作品があった。「中国特集」を締めくくった注目のアーティスト、チェン・ティエンジュオさんの『忉利天(とうりてん)』だ。

彼のビデオになった作品を生でみることについて、 Mikikiの記事は「見たい。見たくない。… やっぱり見たいのだ。」と書いている。自分もまさにそういう感覚でチケットを購入した。

 

チェンは本作品で、構成・演出・美術を担当しているが、演劇というよりはパフォーマンスで、実際彼の活動はギャラリーや美術館から発展していったという。

劇場には大きなスピーカーと色々な種類の照明が吊るされ、ステージ上だけ大きなクラブのようでもある。最前列はビニールシートで覆われている…。ステージ前方には白塗りの男?神様? 手が蛇のようになっている。
開演してしばらくすると、下手には琵琶を弾いたり、音がなる人形を使う怖KAWAII風のひと。上手にはDJブース(!)が見える。背景には巨大なX Yという文字(ネオン風)が赤で煌煌としている。そこから徐々に音と光は大きくなり、三人の役者(ダンサー?)がそれぞれに動く。子供が観たら おねしょ確実のトラウマになりそうな世界が広がる。

忉利天とは、仏教の世界にある天界の1つで、欲界(本能的な欲望にあふれた世界)に属する六天の2つ目。三十三天とも呼ばれる、らしい。舞台上は、天国か。いや、自分には舞台上の世界はまるで、地獄からその状況を楽しんでいる3人を地上に引っ張ってきて、何かを再現しようとしているかのように見えた。

中盤、赤い粉で大きな体を真っ赤にしたユー・ハンさんが鎖に繋がれてもがくように下手の通路に降りてきたとき、観客は床をはっているその肉体を落ち着いた様子で座ったまま見下ろした。その瞬間、自分がサディスティックな気分になり驚いた。
その間も服が振動するほどの低音が大音量で鳴り響く。ドイツとかでダークでディープな音と言ったらこういう感じか? 体が勝手にうごく。心地よい。

65分ほどの上演後、出演者全員とチェン・ティエンジュオによる簡単なトークが通訳付きで行われた。チェンは作品には登場しなかった。白塗りをしていたベイオウさん、迫力の琵琶奏者は西原鶴真さん、澄んだ歌声も素晴らしかった大半の音楽担当はアイシャ・デヴィさん。西原さんはチャンとのコラボレーションについて聞かれ、日本語で、(今は)「アジアはなかなか力がないので。アートとか音楽も衰退しているとおもうので、やっぱりヨーロッパとか海外には負けているところがあるので」ネットで見たチェンの作品に衝撃を受けた、と随分と雑な発言をしていたのも気になった。

チェンからは、この作品は本来は2時間あったが、今回はその半分であり説明的なくだりなどを省略し、よりダンス(舞踊)パフォーマン的なものにしたと説明された。出演者も総勢25人を出したかったと発言があり、驚くと同時に納得できた。今回の公演は、どこか間延びしていると感じる部分があったことも否めなかったからだ。時折音楽の方が力をまし、踊る3人のパフォーマーが極端に小さく頼りないものに見える瞬間があった。しかし、もしかするとチェンは日本の観客が知っている、お経をよむ時間のようなものをイメージしていたかもしれない。または、終始座ったままで、ほとんど体を揺すりもしない観客に問題があったのかもしれない。

いずれにしろ、欧州での経験(インタビューで「衝撃だったよ!」と語っている)やインターネットを介した世界的な流行(ビデオにある音、ファッション、平べったい感じのCGや色、強調された“デジタル感”または“インターネット/ソーシャルメディア感”)をごくごくと飲み込み、身体に染み込んだ中国の生活感や学びえたチベット仏教を混ぜて吐き出すような表現(ポストモダン?)をする彼が、今後、げほげほっと吐き出し切ってからがより楽しみだと感じた。皮肉ではなく、このアーティストはそこで果てるのではなく、にやっとする姿が想像できるから。

 
上演後に撮影に協力してくれたチェン・ティエンジュオ。Tianzhuo Chen. Photo by Akari Yamaguchi for Normal Screen

上演後に撮影に協力してくれたチェン・ティエンジュオ。Tianzhuo Chen. Photo by Akari Yamaguchi for Normal Screen

 

F/T17 アジアシリーズ vol.4 中国特集 『忉利天(とうりてん)』
構成・演出・美術チェン・ティエンジュオ
2017年11月10日7:15PM開演
あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)

愛と法とカメラと『Of Love and Law』ワールドプレミア

10月28日、ワールドプレミアでのアフタートーク。(Photo: Normal Screen)

10月28日、ワールドプレミアでのアフタートーク。(Photo: Normal Screen)

2017年10月25日から11月3日まで行われた第30回東京国際映画祭で10本ほどの作品を鑑賞した。そのなかでも、この映画祭でワールドプレミアされた注目のドキュメンタリー『Of Love and Law』は上映後にQ&Aを行った劇場のエナジーに特別なものを感じさせられた。特別なものを観たという観客の高揚感とその映画に出演していた人々と制作者の心地よい緊張感は、映画祭最終日の吉報を予感させた。この作品は上映された日本映画スプラッシュという部門の作品賞を受賞した。

2014年に大阪のラブホテルを主題にドキュメンタリーを発表した戸田ひかる監督が次の被写体にしたのは、大阪で法律事務所をもち、本の執筆もしている南 和行(カズ)さんと吉田昌史(フミ)さん。彼らを頼る、現代日本の幾つかのマイノリティやマイノリティになってしまった人々が登場する。

冒頭に映るのは東京レインボープライドが行われる代々木公園。大勢のひとで賑わうカップルの手元。監督がアプローチするも、「顔出しムリ」と多くの来場者が言う。それはアウトしていない人が多い、いや、彼らがアウトできない現状を示す。この流れでどのように、イギリスから来た撮影クルーが「日本での生きづらさ」を描くのかな、と思ったのもつかのま、スクリーンには愛らしいカズさんとフミさん夫夫が生き生きと働くすがた。それを支えるのは南さんの母親ヤヱさん。冗談を言いながら、彼らが関わる案件とそれに関わる人々が紹介される。例えば、戸籍をもたないために夢も追えない人々、わいせつ罪で逮捕されたアーティストろくでなし子さんとそれを支えるチーム、国家斉唱での起立を拒否した先生など。カメラはそれぞれの職場や家庭に入り、被写体は裁判所では見せない顔を覗かせるため、ニュースの裏側を見るような面白さもある。

物心ついた頃には周りとの違いや不便を感じながら育ったカズさんとフミさん、そして戸籍のない人々はその状況に適応しながら生活を送っている。一方、同時に紹介される「君が代」のために起立を拒否する先生や ろくでなし子さんは表現について強い意識と意志を持っている。前者の先生は、自分のような人たちがすごい速さでマイノリティになっている、と危機感をつのらせる。自分の言動が抑圧される。自分の存在が消されてしまう。持っていないといけない緊張感がそこにはある。一方、主人公のカズさんとフミさんの私生活からはそういったものは見受けられない。もちろん彼らも自分たちのやりたいこと(手をつなぐ、結婚式など)をやり、助けが必要なひとの力になることで、意志表明や大勢に抵抗をしている。でも、穏やかな彼らの私生活だけでは映画は物足りないものになっていたと思う。

原一男監督の最新作や佐藤真監督作品の編集も手がけた秦岳志さんの編集も巧みで、多くのエピソードをカバーしながらも観客が混乱しないように構成されている。カメラは人々の魅力が伝わる表情を逃さない。映画は彼らが真剣に司法に立ち向かう姿や堅苦しい日本社会の側面を捉えつつ、ユーモアをわすれない人々の笑いを織り込みながら進行する。それは大阪の人が相手や場を想ってしょうもない冗談をいうときの優しさに似ている気がした。そして理不尽なおもいや悔しい思いをくりかえしながらも、国や権力に立ち向かう彼らの原動力が何なのかがみえてくる。登場人物が多く語られる問題も多いため、それぞれの問題や苦悩の深さや複雑さを掘り下げることはここではできない。でも映画はそもそもその問題を語ろうとしているのではない。そういう境遇のなかで生きる人々が強くいられる理由のようなものを映しだそうとし、それに成功している。

終盤、それぞれの問題が少しずつ解決し、映し出される淀川がすがすがしく見える。同時に、カズさんが救えなかったという自殺したゲイの若者の姿を、影をおもう。私たちが救えなかったゲイの若者。

裁判官も落ちたもんやなぁ!といったようなことをカズさんが言い、マイノリティに寄り添えない現代の司法を嘆くシーンがある。この作品は、そういう今だからこそ必要な映画なのかもしれない。『Of Love and Law』は私たちの「日常」を通し、日本に住む人々それぞれが「普通」を問うきっかけを作ってくれる。それぞれが自分の価値観を問えば何かが変わるかもしれない、そんなことを思わせてくれる映画である。

 
向かって右から - 戸田ひかる監督、プロデューサーのエルハム・シャケリファー、編集+プロデューサーの秦 岳志さん、撮影監督ジェイソン・ブルックス、出演の南 和行さん、吉田昌史さん(Photo: Normal Screen)

向かって右から - 戸田ひかる監督、プロデューサーのエルハム・シャケリファー、編集+プロデューサーの秦 岳志さん、撮影監督ジェイソン・ブルックス、出演の南 和行さん、吉田昌史さん(Photo: Normal Screen)

観客の質問に答える南 ヤエさん(Photo: Normal Screen)

観客の質問に答える南 ヤエさん(Photo: Normal Screen)

Of Love and Law』は配給会社・東風により2018年に劇場公開が決定しています!

 

ベトナムで抑圧された生活、育んだ関係をアーカイブするディン・ニュンさん

3週間のタイ・ベトナム滞在の終盤、暑い6月最終週。ベトナムの女性やセクシャルマイノリティの人々のストーリーを形にして伝えるディン・ニュンさんに出会いました。忙しいなか時間を割き説明してもらったその興味深い活動を紹介します。

ニュンは謙虚で自らの肩書きを名乗ることに戸惑いを見せるが、その活動はアーカイブからアート展示のキュレーション、ワークショップの指揮と幅広い。初めて彼女のことを知ったのはリサーチの過程でイギリスのザ・ガーディアンの記事を読んだ時だった。そこには彼女が、ベトナムの抑圧されたレズビアン、ゲイ、トランスジェンダー、バイセクシャルの人々の所有する、とてもパーソナルなものをアーカイブしていると紹介されていた。その記事の話をすると、ニュンは「“アーカイブ”と一言で言ってもとても奥が深い分野で、それをしっかりと理解できているかは分からない」そう言って自身を“アーキヴィスト”というのを拒んだ。

アーカイブはハノイの非営利団体The Consultation of Investment in Health Promotion (健康とジェンダーの平等に向け活動している)の企画として始まり、2009年、彼女はそれをリードする人材として採用された。その目的は“伝統的な家族”を重んじることの多いベトナムで、思いを隠したり隠されてきたセクシャルマイノリティに関する所有物などをアーカイブしウェブサイトで公開すること。企画を進めるにあたりとにかくたくさんの資料を読んだニュン。新聞記事は図書館で探し、キーワードだけでは見つけられない記事も多く苦労したようだ。しかし面白い発見もあり、「1975年以前の記事でとても興味深いものがいくつかあった」と興奮気味に話す。1975年はベトナム戦争が終戦した年である。

ただモノを集めるだけではなく、それを保存し、情報を整理し公開するという大仕事を苦戦しながらも、実際にやりながら学んでいった。誰かからモノが送られてくることは少なく、話をシェアしてくれた人に直接なにかを提供してもらうようにお願いした。2010年にはレズビアンの人々とその友人たち50人で1日限りの展示を行った。「何ヶ月も準備したけど、1日だけ。メディアなどには告知せずレズビアンコミュニティだけが知っていた」と語る彼女の表情は当時を思い出し生き生きとしていた。

しかし団体の予算の関係もあり、やがてプロジェクトは終了。手元に残ったベトナム中から届いたたくさんのモノは、写真や、恋文、父親から叱られる度に腕を刻んだカミソリなど様々だった。一つ一つにあるストーリーの力強さを知ったニュンは、その後も個人でアーカイブを続けた。

アーカイブの重要性を考えるとこんなことを私は思う。同性愛がタブーの場では、同性間の関係がショッキングなイメージとして静止画のようになり、話がそこで止まってしまう。それが社会の知るレズビアンやゲイのイメージになり、複雑なストーリーは消え、当事者の可能性も狭められる。それでも必ず人間にはそれぞれの時間があり、語ることを許されなかった経験だってある。無知な社会では、それが消えてしまう。いや、消されてしまい彼らの存在すら消えてしまう。

メディアや教科書が当事者の様子を伝えるだけではいけない。ニュンは、当事者自らが経験を語ることが何より重要だと考えている。そうしてモノを受け取り整理するニュンの仕事は広がりをみせ、よりインタラクティブなものへと変化していった。

その後、彼女は展示という形態を選び、他のキュレーターたちと協働で企画を催した。ハノイで2015年に行われた展示では、前年始めに始動した企画がいかに七転八倒したかという話を紙いっぱいに図にして説明してくれた。特定の展示物を取り除くように政府から指示があり従ったが展示をするために必要な政府からの許可証は下りなかった。そのため、多くのギャラリーなどをあたったが直前だったこともあり、展示スペースを貸してくれる団体は簡単には見つからなかった。やっと3日間だけ展示できる空間を見つけるもプロジェクトに参加していたキュレーターたちは展示を拒んでしまう。問題は参加した博物館や美術館職員が検閲の厳しい場で教育をうけ、その日常に生きていることにあった。そのためキュレーションに保守的だったのだ。しかしニュンにとって展示をすることこそが重要だったため、そこで屈するわけにはいかなかった。なんとか、人権問題改善に積極的なスウェーデンの大使館に助けを求め、規模は半減したが2時間だけ展示を行い、のちに内容をさらに調整し、ベトナム芸術大学で展示を行った。

2015年3月に行われたその展示は『The Cabinet』と題された。「展示タイトルは“クローゼット”ではなく、“キャビネット”なの」とニュンは、そこについても注意深く考えるようにと教えてくれた。

また、先日ノーマルスクリーンのイベントに参加してくれたグエン・コック・タインさんが主催するQueer Forever!というアートイベントにもニュンは参加している。そこではベトナムのクィアの人々の間で使われる(使われた)隠語をまとめた『Queer Lexicon』(語彙集)というzineのようなものを制作した。 

彼女のユニークな活動はまだまだ続く。
アメリカで始まり多くの国で上演されている『ヴァギナ・モノローグ』に影響を受けたプロジェクトでは、ヴァギナのイラストを性別とわず描いてもらい、それぞれのヴァギナにまつわる経験やイメージを文章で添えたものを集めている。できるだけ多くの人のストーリーを巻き込みたいという彼女の願いからだった。ヴァギナに新しい名前を与えてもいい。女性だけのものという考えを疑ってみてもいい。「話しにくいことはまず描いた方が話しやすくなるから」とアイデアの背景を説明してくれた。シンプルでありながら、人々が個人的な経験を語りやすくなる工夫とアイデアをどんどんと出していく点もさすがだ。

2015年9月からはトランスジェンダーの人々のストーリーの収集にも力を入れ、同時にHIV感染予防につても語る場を作っている。最近は、ハノイの年配の人と会話を重ね、セクシャルマイノリティが集った場所を調べている。そして、街のなかに点在した居場所のなかった人が追いやられたカフェや公園やハッテン場を地図にした。現在は無くなってしまった場所も多く紹介されるその地図は、彼らが生きた証であり、現在にも続くコミュニティまたはコミュニティがあったという記憶や感覚だという。

忠実さが要ではないそのインタラクティブな“記憶の地図”の試作品を触ったとき、ニュンがキュレーターやアーキヴィストという肩書きに違和感を示した理由がすこし分かったような気がした。クリエイティブに会話のきっかけをつくる彼女はアーティストのようだった。

会話は2016年6月27日、ハノイにて行われました。
Photos © Normal Screen


淡く、瑞々しく。ブルックリンで描き続ける、ボリス・トレスのアトリエ訪問。

映画『人生は小説よりも奇なり』でジョン・リスゴー演じるアーティスト、ベン。劇中、彼がブルックリンの屋上で描く、完成しないそれに心を惹かれたひとも多いのではないでしょうか。象徴的な、その絵の実際の作者はボリス・トレス(Boris Torres)。アーティストであり、この映画の監督アイラ・サックスの夫でもあります。

ボリスとアイラには双子がいます。子育てはドキュメンタリー作家&プロデューサーのキルステン・ジョンソン(『シチズンフォー スノーデンの暴露』など)と3人で行い、その姿はニューヨーク タイムズでも大きくとりあげられ、マンハッタンの中心で子育てに励む仲睦まじい様子が知られています。

ボリスの作品には男性がよく描かれ、その線は優しく淡い空気を放っています。しかし同時に、描かれた青年たちからは鮮やかな若々しさが伝わり、大人の被写体からは強さや色気がにじみ出ていて思わず目を奪われてしまいます。彼の作品を生でみると、当然ながら、色へのこだわりもよりわかります。絵の具のセレクト、使う紙の白さ、切り貼りされた色紙も高級品で発色が格別なのです。

ノーマルスクリーンはニューヨーク滞在中に、ブルックリンにある彼のアトリエを訪ねることができました。絵の具の跡ひとつ無いきれいな空間。壁にびっしりと飾られた絵。たくさんの作品に囲まれたなか、彼のバックグラウンドやアトリエ、作品について話を聞きました。

ノーマルスクリーン:出身地はどちらですか?また、いつ頃から絵を描き始めたか教えてください。
ボリス・トレス:エクアドル出身で1985年、僕が10歳のときにアメリカに来ました。そのときに母とこのブルックリンのアパートメントに引っ越してきました。エクアドルにいて2年生くらいのときに先生に絵を褒められて、自分も何かできると自信ができ、それ以来自分で探求しています。ここに来てからは美術の授業がある学校に行き、それから高校はアートに特化したところに行きました。映画の『フェーム』を知ってる?あの舞台になっているラガーディア高校に行き、大学はパーソンズ・スクール・オブ・デザインでした。だから、ずっとアートの勉強をしてアートをやってきたことになります。

ラガーディア高校は有名ですよね。将来を約束するような進学だったのでは?
そうですね。先生がポートフォリオの準備を手伝ってくれました。

中学校に良い先生がいたんですね。
最高の先生だったよ。ジョーンズ先生だ。(会いたいので今でも)よく彼女を見つけたいと思うけどうまくいかない。

その学校もこの辺だったのですか?
そうです。ここから2ブロックの学校で今でもあります。

このエリア(ウィリアムズバーグ)の変化を見てきたんですね。
そうですね。凄まじいよね。この変化には良い点と悪い点の両方があると思います。まだこの部屋があってラッキーだと思います。

この部屋はお母さんの持ち物なのですか?
ここに親戚が住んでいたんだよ。彼らがエクアドルに引っ越すときに引き受けました。僕の叔父が60年代からここに住んで、80年代に彼がエクアドルに引っ越すときに住み始めました。

自分のスタイルやテーマはいつ見つけましたか?
人を描くのがずっと好きで、覚えてないけど12歳くらいのときによくコミックのキャラクターを描いていました。その時は分かってなかったけど、キャラクターが凄くセクシーだったから描いていたんだよね。スーパーヒーローの胸とか筋肉とか…。トレースしたり。今ふりかえって納得いきます。そのまま継続して描いているんです。魅惑的でセクシーな被写体ですよね。のちにポルノ雑誌や映画からも描くようになりました。

はじめからスタイルがあったのですか?
トレースしたり他の制作と合わせたりしながら自分のスタイルを発展させていったのだと思います。どうやって描くかを学ぼうとする過程だったので、当時の方法に影響されているはずです。そうやって学んだのです。雑誌の写真をトレースしたり自分でも写真を撮って制作することもありました。でもよく言うのですが、僕は異なったスタイルを持っています。特に最近は、いろんな描き方を用います。これだけ、というスタイルではありません。違ったスタイルでありながら、僕の作品だと気づいてくれる人がいると凄く嬉しいですね。凄く違うけど、どこか僕を思わせるということは、表面的なもの以上になにかが現れているということです。なにかもっと深いものが。

実際にそういうことはありますか?
たまにね(笑)。僕のことを知っている人がわっかてくれることがあります。

今も新しい手法にトライしていますか?
はい。一番最近は抽象作品だと思います。具象的ではない、自分にとって新たな動きです。

全部同時に進行するのですか?
そうだね。数時間向き合って、毎日なにか完成させるのが好きです。

どうしたらそのモチベーションをキープしたまま、規則正しく制作できるのですか?(苦笑)
自分のスケジュールがすごくいいんです。このアトリエには毎日5時間ほどいます。5時間フルで制作するわけではなく、まず他のことをするうちに、「今日も何か作るぞ!」と調子がでてきて、まるで工作の時間です。雑誌をみたりイメージや写真を探したりします。たとえばある日、ペインティングはしたくなく、紙で何かをつくりたいと思いました。翌日だったかもしれないけど、切り貼りして何かを作りあげました。だから自分の気持ちをあげる方法はいくらでもあります。退屈に思ったことはありません。なにか違うことにトライするのが好きなんだと思います。

仕事が終わってからここに来ると思うのですが、そのときもテンションはあがりますか?
はい。帰って来たらまず休みます。学校で美術を教えていて、50人近いティーンエイジャーを相手にしているのでとても疲れます。莫大なエナジーを必要とします。なので、まずここに来てちょっとテレビを見たり、食事をしたり少し寝たりします。そうするとなんでもできるような気がするくらい調子がでます。

それから毎日なにか完成させるのですか?
だいたいね。週に3作くらいかな。週末はここに来ません。完成できない時は次の日に仕上げます。

作品にモデルはいるのですか?
いるときもあります。例えば以前、友人のジャックとピーターの家に行き、写真を撮らせてもらいました。裸になってもらいベッドやキッチンなどいろんな空間で撮影し、1枚を選びました。キッチンの写真がすごく好きでペインティングにしました。他にはミシェル・ロペスというHIVと生きる非白人女性のための活動をする女性のペインティングも制作しました。場所は公園のイメージがあったので公園で撮影をしました。他にも人の家に行って撮影もします。人のポートレートもたくさんありますね。

アイラとの仕事はどうでしたか?明確なビジョンや指示をだしてくるのですか?
初めは、実験的な感じで『Keep the Lights On』のオープニングクレジットをアートにする考えがあって... あのオープニングの絵はすべて僕の作品です。実験的にどんな感じになるか試し、ユニークな結果になりました。あれはゲイの映画だし、クィアなペインティングをたくさん入れて凄くいいものになったと思います。2回目は『人生は小説よりも奇なり』でこれは全く違う経験でした。アイラに、ジョン・リスゴー(のキャラクター)の描く絵を頼まれたのですが、キャラクターはアーティストなのでとても細かい指示がでました。スタイルから何までとても細かった。その過程を楽しめませんでした。劇中の最後の作品はとても重要ですよね、だから特定の状態でなくてはならず、その状態とは未完成だったり…。

屋上のシーンの絵ですよね?
そうです。長期間その絵と向かい合い5枚かもっと制作したのですが、アイラは「違う、これはこうじゃないとダメだ、こっちはこうで」という感じで。結果は気に入っていますが、あそこに行き着くまでとても大変でした。

撮影現場でも描きましたか?
すべて準備していました。最後のペインティングだけは3バージョンも用意されていました。完成しているもの、未完成のものと... そうえいば彼は最新作(『リトル・メン』)で、僕が子供のころに描いたものを使っています。部屋のシーンの背景で映るだけですが、そのいくつかは僕のもので、子供たちと描いたものもあります。

地下鉄で撮影されたビデオ作品もありますよね?
セクシーな男たちを以前から撮影しています。以前はバーで年に数回流していました。今でもやります。撮影して、インスタグラムにあげると大勢ライクしてくれるんだけど、毎回インスタグラムに削除されるんです。むかつくよね。クソだよ。なんでもありみたいな状況なのに服を着たセクシーな男が電車に乗ってる姿はどういうわけかダメらしい。保護したいんだろうけど、女性や子供はモノのように客観化しているし、なんでも撮影していいけど、男はダメというわけです。変ですよね。

ニューヨークやニューヨークの男たちはインスピレーションになりますか? サブウェイはいろんなな意味でいろんなな人にとってインスピレーションだとは思うのですが。
これは僕がサブウェイを毎日利用しながら、この街で成長したことと関係があります。電車の中にはセクシーな人がたくさんいるから、イケメン鑑賞にぴったりな場所です。見たいだけ見ていい。道だとすれ違うだけだけど電車だと、目の前に美しいひとがいたらアピールしてもいいし… 緊張感がいいよね。なんというか、お互い見始めたりしますよね。女性が男性を見たり、男性が女性を 見たりなんでもいいんです。そういうことをビデオのシリーズではやっているのです。覗き見する状況、見ること、そしてその瞬間をキープするような感じです。僕が撮影した男たちは(撮影することで)永遠にキープできます。僕が男たちを見る瞬間のフッテージです。カメラは彼らの顔から体を捉え… それを編集します。

移動中に絵は描きますか?
描きません。描けないんです。旅行先でも無理です。ここに慣れすぎているんでしょう。以前エクアドルに作品を制作するためにいきました。そういうときはできます。でも旅行中はできないし、絵のことは考えません。ただ… 子供もいるし…。

お子さんはいくつですか?
もうすぐ5歳です。2人とも遊ぶことしか頭にないので絵を描かせてくれません。

それか彼らのために描く…
ほんとにそうなんです。それはたくさんやります。僕が描けるのを知ってるので「あれ描いて、これ描いて。次はこのトラック」という具合です(笑)。

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2016年10月29日、ブルックリンのウィリアムズバーグにて。
会話は英語で行われ、一部割愛しています。

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All photos by Normal Screen/ All the illustration works in the pictures are by Boris Torres.
http://boristorres.tumblr.com/

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先陣切るzine、ホーチミンのVănguard

今年6月、バンコクとホーチミンとハノイを訪れ、各地でアーティストやキューレーターと面会した。

ホーチミンを訪れた際に、私の頭にあったキーワードはクィアコミュニティとアートコミュニティだ。この2つは、ノーマルスクリーンのコアとなるものであると同時に、ベトナムは社会主義国であり、その政治的抑圧により「表現」の制限の影響をもろにうけているからだ。

例えば、2013年、ハノイの薬品工場跡地に作家やクリエーターが自然発生的に集まり、制作をしたり、店を開いたり、パーティが行われた。Zone 9 と呼ばれ、セクシュアリティや育った環境を問わず、多くの人を惹きつけた。しかし、その様子が政府の目にとまり、60以上の団体が強制退去を命じられ、Zone 9 は年をこす前に閉鎖されてしまった。今でも、実験的な芸術関連のイベントは大きく告知されることはない。

インターネットをブラウズするだけでは片寄った情報が多く入り、ホーチミンの街を歩くだけでは明確に見ることのできない現状。それを少しでも肌で感じるために実際にギャラリー訪問をしたり、カフェにいるゲイやレズビアンの人々に話しかけることで状況を把握しようとした。

アートシーンで言えば、ホーチミンではThe Factoryという新たなアートスペースが注目を集めていた。4月にオープンしたばかりで、内部にはまだ完成していない箇所もありわくわくさせられる。街の中心から車で20分ほど離れたエリアにあり、その近くにはアーティストサポートやレジデンシープログラムなどで注目をあつめるSan Artという団体のビルもある。アーティストのディン・Q・レが創始者である同団体だが、政府の圧力により今まで8回にわたって行われてきたプログラム「San Art Laboratory」を今年一旦休止、事実上終了した。それでも団体は若手アーティストのサポートに尽力していた。今後の展開が気になるが、また彼らが政府に目をつけられないように慎重に応援する必要がある。一方、ゲイコミュニティはどうだろう。セクシャルマイノリティに関して「ハノイよりもオープン」といわれるホーチミン。繁華街には、“ゲイバー”と示されてこそいないものの、ゲイやレズビアンの人たちが多く集う週末のパーティやビールだけを出すカジュアルなバーやカフェもある。しかし「毎日ゲイ」の場所というのはハッテン場など以外少ないようだった。(ハノイにはゲイバーがあった)もちろん、Institute for Studies of Society, Economy and Environment (iSEE)やThe Consultation of Investment in Health Promotion (CIHP)のようなアクティブに活動する人権団体も存在する。しかし、アートとクィアの人々が交わる場所、クィアカルチャーやコミュニティは存在するのか?

ホーチミンでそれは、Zineという紙を通し存在、または姿を現そうとしていた。そのzineの名は『Vănguard』。パンクカルチャーに見られる(見られた)デザインが特徴的なこのzineの発起人エイデン・グエンにハノイ1区で人気のカフェ「i.d Cafe」で会うことができた。

エイデンはホーチミン生まれ、アメリカのボストン育ち。『Vănguard』は2014に始まった。ニューヨークの大学に在学する頃から年に1度3ヶ月ほど滞在し、数年を過ごした。美味しい食べ物、懐かしい友人や親戚に囲まれ、ホーチミンでの生活は魅力あふれていた。しかし、彼がもの足りないと感じ、ホーチミンにとっても必要だと感じたのは、ニューヨークで経験したようなクィア コミュニティだった。

クィア コミュニティ。その定義は様々ながら、ニューヨークには確実にレズビアンやゲイ、バイセクシャルやトランスジェンダーの人々による活動が活発にあった。お互いを支えあい、刺激しあう集まりやパーティー、身の危険を感じずに自らを表現できる場所。それがホーチミンのアーティストにも、そして自分にも必要だとエイデンは感じ、友人で写真家のタィン・マイと『Vănguard』をスタートした。近年、LGBTの権利がベトナム政府やメディアでも議論されるようになったとはいえ、実際にLGBTQのアーティストやライターが抑圧を感じず、継続的に、自分たちのために表現する場はほぼなかったのだ。

「ホーチミンではギャラリーやミュージアムに行くという習慣がほとんどの人にない、でもzineだったら街のどこでも誰にでも見られるチャンスがある」とzineという媒体の魅力をエイデンは語る。現在3号まで発行されている『Vănguard』。新しい号が発行される際にはパーティを催し、zineに参加したアーティストや読者や仲間が交流できる場をつくっている。映画やアートに対する検閲が厳しいベトナムだが、自費出版のzineのため検閲を通す必要はない。しかし、自由に表現がされる誌面が、行政に批判されればそれまでかもしれない。パーティでは表紙もコンテンツが見えないようにアルミホイルに包んで販売した。必然的に『Vănguard』はアンダーグラウンドカルチャーとなった。第3号ではクラウドファンディングを行い、スタッフも増え、その延長として現在では小さな映画祭も企画している。

i.d Cafeで甘いアイスコーヒーを飲み終えるころ、エイデンは『Vănguard』をプレゼントしてくれた。直接手に取り大喜びする私に彼が言った。
「表にでてきていないけど、セクシュアリティを見つめるアーティストはホーチミンにはまだまだたくさんいるよ」

エイデン・グエン。2016年6月、ハノイにて。Photo by Normal Screen.

エイデン・グエン。2016年6月、ハノイにて。Photo by Normal Screen.

グラン フューリーと『Ashes』に表れる文字のいくつか

CONTEXT for ALTERNATE ENDINGS

パラパラマンガのように流れる情景に重なる、名前や日付、フレーズの数々がトム・ケイリン自身が企画者の1人でもある「ALTERNATE ENDINGS」で発表した『Ashes』の映像に浮かび上がります。この作品を観る人によっては、その文字はただの記号にすぎないかもしれない。しかし、ケイリンやアメリカのエイズ危機を経験した人やそれに詳しい人にとっては、特定の場所や友人、当時の衝撃的なビジュアルを思い起こさせる特別なもの。この記事では、数点ではあるが、作品中に登場するそれらの日付やフレーズの背景を紹介したい。

なかでも多く登場するのが、エイズアクティビズムをポスターやビジュアルを使い行っていたグループ グラン フューリー(Gran Fury)の作品である。グラン フューリーは、エイズアクティビズムで有名なACT UP(力を解放するエイズ連合を意味する英語の頭文字)から派生したもので、映画監督であるトム・ケイリン自身も主要メンバーであった。アメリカ各地及びフランスでも活動のあったACT UPだが、団体発祥の地ニューヨークでの動きも盛んだった。マンハッタン13丁目のコミュニティセンターThe Centerで行われたミーティングにはアーティストやデザイナーも多く参加し、政府や行政に対する怒りを源に活動していた。ある日のミーティングで、ウィリアム・オランダー(現代アート美術館New Museumのキュレーター)が美術館1階の展示スペースを使って何かしたい人はいないかと提案した。それに関心を示した数名がミーティング終了後に残り、アイデアを出し合った。その成果が現在でもよく知られる「Silence = Death」がピンクトライアングとともに配置された作品『Let the Record Show…』である。1987年7月、この作品はACT UPの名の下に発表、その後も場所を移しながら展示され、グラフィックとしてもポスターやTシャツなどになり、深く記憶されるイメージとなった。

1987 Designer: Silence=Death Project Photography: Fred Scruton at 583 Broadway (The Astor Building), THE NEW YORK PUBLIC LIBRARY DIGITAL COLLECTIONS.

1987
Designer: Silence=Death Project
Photography: Fred Scruton
at 583 Broadway (The Astor Building), THE NEW YORK PUBLIC LIBRARY DIGITAL COLLECTIONS.

THE NEW YORK PUBLIC LIBRARY DIGITAL COLLECTIONS. Date Created 1996 - 1997

THE NEW YORK PUBLIC LIBRARY DIGITAL COLLECTIONS. Date Created 1996 - 1997

翌年1988年、ACT UPとは別にケイリンらがグラン フューリーとして活動を始めた頃には、映画監督トッド・ヘインズも所属していた。彼らは同年に、有名な『Read My Lips』を発表。この作品までオープンだったグループは、意見や人物の出入りが激しく活動が進行しなくなったために、ドナルド・モフィットなど11人のメンバーでフィックスする。なかにはアートと関係のない職種のメンバーもいた。

ビデオの03:12に登場する「Read My Lips」は当時アメリカ副大統領だったジョージ・H・W・ブッシュが共和党全国大会の演説での発言をもじったもの。ブッシュは「しっかり聞きなさい/私を信じなさい」という意味でこう発言し、自身が大統領になったら増税は行わないと訴えた。(この公約は守られなかった)このポスターは、デモ集会の日時などの告知と同時に広まった。ホモフォビアな社会に「このイメージを見ろ!」と言っているようでもある。

Manuscripts and Archives Division, The New York Public Library. "Read My Lips (Boys) (Posted on a brick wall near a fence)" The New York Public Library Digital Collections.

Manuscripts and Archives Division, The New York Public Library. "Read My Lips (Boys) (Posted on a brick wall near a fence)" The New York Public Library Digital Collections.

Photo: Normal Screen このイメージは「Kissing Doesn't Kill」というキャンペーンでの使用のほうが有名。

Photo: Normal Screen
このイメージは「Kissing Doesn't Kill」というキャンペーンでの使用のほうが有名。

Source: REBELS REBEL by Tommaso Speretta http://www.dazeddigital.com/artsandculture/gallery/18677/4/rebels-rebel-by-tommaso-speretta

Source: REBELS REBEL by Tommaso Speretta http://www.dazeddigital.com/artsandculture/gallery/18677/4/rebels-rebel-by-tommaso-speretta

He Kills Me! / あいつに殺される!」のあいつとは、当時の大統領ロナルド・レーガン。彼は1981年に大統領に就任するが、2期目に入った1985年に記者から質問を受けるまでエイズという言葉すら発言しなかった。この年の終わりには、アメリカ国内で1万人以上がエイズで亡くなっていた。

"This one prevents AIDS." 1989, New York, New York, USA http://aep.lib.rochester.edu/node/44142

"This one prevents AIDS." 1989, New York, New York, USA http://aep.lib.rochester.edu/node/44142

「scumbag」(スカムバッグ)とは卑怯者やくそったれ といった意味があるが、『Ashes』では「KNOW YOUR SCUMBAGS」に対する訳を「ゴムと敵を知れ」とした。その理由は、この言葉が上のビジュアルとともに記憶されたものであり、そこには避妊は信仰に反すると、コンドームの使用を否定していた当時のカトリック教会の高位聖職者の隣にコンドームが並べられているからだ。また英語で精子はカムと呼ばれることもあり、それを入れるバッグ=カムバッグ=コンドームという言葉遊びもあったのだろう。遠くにいる権力者や影響力を持ったものの意見が、自分やコミュニティの生死にも関係していることを批判とユーモア、そしてコンドームを見ることや使用することを日常の光景へと繋げたパワフルなポスターである。物議を醸したこのポスターはベニス・ビエンナーレで発表され、活動はアートとしても認識されるようになった。

もう一つ印象的なグラン フューリーのフレーズがこのビデオに登場する。「4万2千人が死んだ アートだけでは足りない」ダジャレもかっこいい写真もないまっすぐなポスター。そして、この状況を終わらせるために力を合わせて行動しようというメッセージが続く。アートやデザインの力を信じ、活動を続けながらも落ち着きを見せないエイズ危機...

Art Is Not Enough [With 42,000 Dead . . .] / Manuscripts and Archives Division, The New York Public Library. The New York Public Library Digital Collections.

Art Is Not Enough [With 42,000 Dead . . .] / Manuscripts and Archives Division, The New York Public Library. The New York Public Library Digital Collections.

1990年代中頃には、プロテアーゼ阻害剤という薬の登場もあり、複数の薬でHIVの増殖を抑える治療法(HAART療法やカプセル療法と呼ばれる・日本では97年より)がはじまり、エイズに関連する病で亡くなる人の数は急激に減少する。その影響か、アメリカではHIV/AIDSに関する動きや話題、活動がおとなしい時期があった(ALTERNATE ENDINGS企画者テッド・カーはこれを「第2サイレンス期」と呼ぶ)。しかし、ここ数年、またHIV/AIDSについて見聞きする機会が増えた。2010年代前半から、欧米ではエイズに関する複数のドキュメンタリーが制作されたり、展覧会が多く行われた。そんななか、2012年には初めてのHIV予防薬もアメリカで承認され、世界各地に広まり始めた。PrEP(プレップ・暴露前予防投薬)と呼ばれ、ツルバダという薬を1日1錠の服用で感染を予防できるというものだ。それと同時にあらわれた現代らしいフレーズが #truvadawhore(#ツルバダホアー)。ホアーとは軽蔑的に売春婦を呼ぶ際に用いられ、尻軽などの意。そこでPrEPを始め、生でのセックス大好き、を堂々と宣言する人たちがツイッターで用いたハッシュタグだ。(合わせてコンドームの使用も勧められている)

ビデオも終わりに近づき登場するのが「Your Nostalgia is Killing Me」というフレーズ。これはここに紹介したどれよりも認知度は低いと思われる。ビデオでは「お前のノスタルジアにはうんざり」と訳した。これはカナダの団体 AIDS Action Nowの企画 Poster/VIRUS で1980年代前半生まれのアーティストVincent Chevalier とIan Bradley-Perrinが2014年に制作したもの。鑑賞者の捉え方によって、作品の印象が随分違うのではないだろうか。
過去にエイズで亡くなった人々のことを思うことが若いアーティストやHIV陽性者をうんざりさせているということなのか?エイズ危機が忘れられ始めている証拠ではないか? このフレーズからそういった印象も受けるかもしれない。ポスターの中にジャスティン・ビーバーがいる。なぜだろうとよく見ると、ACT UPのTシャツを着ている。記憶もなにも、そのロゴがどこから来たのかすらきっと彼は知らない。

Source: AIDS Action Now

Source: AIDS Action Now

ALTERNATE ENDINGSの上映会を新宿2丁目のコミュニティセンターaktaで開催してもらった後、特定非営利活動法人akta 理事長の岩橋恒太さんがこのフレーズについても興味深い考察をシェアしてくださった。彼もまた1980年代前半生まれ。 「Your nostalgiaの Yourっていうのが誰に向けられているのか関心があります。Yourが医療者にとってエイズとかゲイ、バイセクシャルの生をある種のノスタルジーで言っているのか...。ノスタルジーを感じるというのは哀愁とか郷愁ということだから、自分の生きるっていうこととある種の距離がとれないとノスタルジーは生まれないわけですよね。それができる位置にいる者っていうのが、医療だったり行政だったり、製薬メーカーだったりっていうこともあるだろうし、それを読み替えていけば、ずっと変われない活動をしてきた、エイズアクティビズムに対してでさえも同じことが言えるのではないかなという気がしています。」

#ツルバダホアーやこのフレーズからも感じられるジェネレーションギャップや岩橋さんの言うような哀愁もこのポスターに描かれ問題視されているなら、ここで紹介したイメージから今までの間を空白にするのではなく、自らのことと滑らかに繋げる必要があるはずだ。『Ashes』では時間の流れが描かれている。いくつもの瞬間が今に向かって滑らかに重ねられている。ケイリンがどういう意図で、このポスターを引用したかは定かではない。ただ、ひとつ間違いないこと。それは時間は経っているということ。

 

【参考資料】
- Gran Fury Interview with Douglas Crimp in Art Forum, April 2003
- ニューヨーク公共図書館 アーカイブ http://digitalcollections.nypl.org/collections/gran-fury-collection#/ (グランフューリー関連の画像157枚が閲覧できます)

ベトナムで見えた親密な時間。写真家マイカ・エランのピンクチョイス

2012年5月12日ホーチミン、Tsabelleにお気に入りの下着を少しだけ見せるKim Ngan。2人とも学生、付き合って4年になる。

2012年5月12日ホーチミン、Tsabelleにお気に入りの下着を少しだけ見せるKim Ngan。2人とも学生、付き合って4年になる。

6月にベトナムを訪れた際に、どうしても会いたかったのに不在の写真家がいました。ベトナムのレズビアン、ゲイ、トランスジェンダー、バイセクシャルのカップルの親密な時間を捉えたシリーズ『The Pink Choice』を発表し、2013年の国際報道写真コンテスト「現代社会問題の部(組)」において最高位の賞を獲得したマイカ・エランさん(以下 親しみを込めてマイカ)です。

ハノイで人気のカフェバーTadiotoに飾られた彼女の大きな作品を眺めながら、私が思った先は日本。なんと彼女は国際交流基金アジアセンターのフェローとして千葉県に6ヶ月滞在していたのです(!)。彼女がハノイに帰る日も近づいた8月の終わり、直接会い『The Pink Choice』のインスピレーションや制作過程のエピソードを聞きました。

「ハノイの人も街も大好き」と自らが育った地について語るマイカ。同地の大学で社会学を学び、現在は2歳のこどもを育てながら制作を続けています。
大学を卒業後、彼女は熱心に写真を撮るかたわら、雑誌のフォトエディターとしても活躍していました。そしてある時、カンボジアのアンコール・フォト・フェスティバル&ワークショップに参加しました。その経験が『The Pink Choice』を制作するきっかけになったのです。

そのワークショップでカンボジアのホテルを撮影することにしたマイカ。被写体を見つけるためにリサーチをするなかで、ピンクチョイスというゲイの旅行者向けのウェブサイトを発見しました。滞在先にゲイの観光客向けのホテルがあることを知った彼女は、限られた時間のなか迷う余裕もなく、早速ホテルを訪ね緊張しながらも撮影可能な滞在者を探しました。「部屋が大きくバルコニーがあるからと迎え入れ、ポーズをとり撮影させてくれたカップルがいました。」

2011年、ハノイに戻った彼女は、ゲイやレズビアンを題材にした写真展に訪れる機会がありました。その展示についてこう語ります。「そこで見た作品に良い印象を受けませんでした。被写体が仮面をつけていたり、体の一部だけが写され、ちゃんと顔が見えるものがありませんでした。本名がわかるものもありませんでした。その展示は人権団体によるものでしたが、皮肉にも同性愛者のステレオタイプを助長しているようでした。」

「テレビをつけても、不幸なストーリーや極端なイメージが多く暗いニュースばかりで、もっと日常的な姿を知ることも大事だと思いました。」彼女は自分が想像していた以上に多くの人がゲイやレズビアンの人々に嫌悪や誤解を持っていることも知りました。良い表象もあるけど、まだまだ足りない。そう感じたマイカはリサーチを始め、この主題で撮影を開始をすることを決意します。「人々は同性愛者に寛大になりつつあります。しかし、理解のあるふりをしているだけの人も多い。私の友人にもカップルを見ると拒否反応を表す人が少なくありませんでした。そこでカップルのプライベートな時間を撮影することを決めました。」
ベトナムでは同性カップルの同棲や、同性の結婚式も2015年まで違法とされていました。(現在も合法になったわけではない)

カップルが人の目を気にしないリアルな姿を撮りたい。
そう考えたマイカは、主にそれぞれの自宅を訪ね、まず6ヶ月間ハノイでカップルを撮影し、それからホーチミンでも撮影。被写体となってくれた人たちや人権団体が友達に連絡してくれました。地方でも撮影し、制作は2年に及びました。後半には彼女のプロジェクトの噂は広がり、被写体のほうから連絡をくれたと言います。「カミングアウトのいい機会だという理由で撮影を希望する人が多くいました。このシリーズが展示されるその場所に親を連れて行けば、同時に他の人たちとのコミュニティを知ってもらえる、と。また、いい思い出になるというカップルが大多数でしたが、ある地方では、7年以上連れ添ったパートナーが “ストレート”になって結婚するため別れるので、その前に写真を撮ってほしいと言ってきた人もいました。」

それぞれの親密な時間を撮影するために、まずカメラなしでカップルと会い何度か時間をともに過ごしてから撮影したそうです。そうして時間をかけて撮影されたカップルは計75組、そこから31枚を選び完成としました。申請料が無料だったからという軽い気持ちで応募した国際報道写真コンテスト。同年にはプライドフォトアワードなども受賞、国内外のプライドイベントや写真展、メディアでも紹介されました。

2011年7月12日、ハノイの自宅でくつろぐVu Trong Hung(政府の検査官)とTran Van Tin(社会福祉士)。交際を始めて2年が経つ。

2011年7月12日、ハノイの自宅でくつろぐVu Trong Hung(政府の検査官)とTran Van Tin(社会福祉士)。交際を始めて2年が経つ。

「あれがもし2年早かったら、ベトナムでは少し早すぎて撮影も困難だったかもしれない。これが今だったらよくあるトピックだと気に止められなかったかもしれない。だからタイミングも良かったと思います。」と、謙虚なマイカ。しかし、彼女の言う通り、ベトナム政府はトランスジェンダー、レズビアン、ゲイの人々を取り巻く状況改善のために動き始め、状況は急速に変化しているようです。

さて、そんなマイカが家族とともに千葉に滞在していた理由。それは「ひきこもり」についての新プロジェクトに取り組んでいるからです。同じようなことが世界中であるにしろ、それを表す言葉があるのは日本らしいとのこと。「6ヶ月の滞在では時間が足りなかったのでまた来日したいと思っています。」

優しいオーラに包まれたマイカは、社会学的視点で世の中を見つめ、忍耐強く被写体と向かい合います。会話のなかで、彼女はカメラを使うドキュメンタリストであり、独自の視点をかたちにするアーティストであることを実感させられました。彼女だから受け入れられる場所、彼女だから見える瞬間でありながら、それらは誰とも強い関係のある空間なのかもしれません。

 

この記事の写真は全てマイカ・エランの『The Pink Choice』より。Copyright: Maika Elan
写真の使用を承諾してくれた作家に感謝します。

他計31枚の作品は、マイカ・エランのウェブサイト で鑑賞可能です。ぜひご覧ください。
>>> http://maikaelan.com

 

 

 

もっとオープンマインドになるために。バンコクのウェブ/コミュニティ、クィアマンゴー!

主にレズビアンやバイ、トランスの女性やクィアをターゲットにした『Queer Mango』というキャッチーな名前の情報サイトがバンコクには存在する。ちょうど私がバンコクを訪れたときに1周年を迎えたQueer Mangoはオープンマイクのイベントを開催していた。その名はワン ナイト スタンドならぬ「ワン マイク スタンド」。
場所は先日のバンコクアートスペースでも紹介したバー&ギャラリーJAM。タイ語と英語両方の言語で進行するイベントに訪れた人々の肌の色は様々。
いわゆるアマチュアナイトで、2時間以上にわたり、詩の朗読や音楽のパフォーマンスが行われた。気がつけばバーに入りきれないほどの人で大盛り上がり!メッセージ性の強い作品から笑えるものまで参加者個人のバンコクまたはタイでの経験を見聞きする貴重な機会となった。

バンコクには、ゲイ男性向けの情報サイトやイベント/スペースは多いが、ゲイ女性向けのものが極端に少ない。そこで2015年に イタリア出身のイラリアとバンコク出身のナディーンがQueer Mangoを開始した。「クィアの女性による情報サイトが選んだイベントを紹介することで、LGBTフレンドリーかどうかが分かり、そこに行くかどうかとかで悩む必要がなくなるでしょ。」イベント終了後にナディーンが語ってくれた。
「タイのLGBTの生活は徐々に良い方向には向かっているかもしれない。でもタイの政府は民主主義によって構成されていない。だから、パートナーシップ条例が出たとしても、同時に表現の自由が保障されていなければ、それが何を意味するのか、将来も見据えて考えなければいけない。裕福で恵まれていれば、それでも弁護士を雇ってすべてスムーズに物事がすすむかもしれないけど、貧しい人にはそんな余裕はない。だから法によって守られる権利がある。皆がそういうことに関心を持つようになってほしい」

Queer Mangoは政治的なコミュニティでもある。そして政治的でありながら楽しむこともできることを教えてくれる。新しい人に会い、コミュニティもできるかもしれない。彼らはバンコクのLGBTQ団体のために写真展や映画の上映会のチャリティイベントを行ったり、出張で通訳もするそうだ。
「タイには国外の人もたくさん住んでいる。Queer Mangoは様々な人の交差する場でもありたい。包括的でもありたい。だから、queerという言葉を使いながらそういう考え方も紹介している。英語の情報も重要だと思う。タイ語が分からないタイ在住者で、この街のLGBTが抱える問題や苦悩を理解したいと考えている人もたくさんいる。」クィアコミュニティでありながら「オープンである」ということは難しい。この夜も、オープンマイクでは異性愛者の白人男性が女性を見下すジョークを軽々と口にしていた。それでも会場のマジョリティを占めた女性たちは、負のエナジーを爽やかに断ち切りムーブオン。イラリアとナディーンのパフォーマンスで幕を閉じた。

バンコク以外での活動も考えているのか聞いた。「チェンマイで『レインボーパパヤ』って団体を作ってもいいかもね!(笑)でも今はバンコクのコミュニティに集中したい。」2016年末には国際レズビアンゲイ協会世界会議(ILGA World Conference)がバンコクで行われ世界中から700を超える団体が参加する。それに向けて、Queer Mangoがどのようにウェブサイトを盛り上げイベントを催すのか。いろいろと企んでいるらしい。「私たちはパーティーメーカーではない。何かするとき、理由とともにするのよ。もっとオープンマインドになるためにね。」

イラリアとナディーン。 2016年6月、バンコク。Photos by normal screen.

イラリアとナディーン。 2016年6月、バンコク。Photos by normal screen.

ばたつく青春 『どこでもないところで羽ばたいて』監督グエン・ホアン・ディエップ インタビュー

9月15日からに行われるアジアフォーカス・福岡国際映画祭2016の「ベトナム大特集」で長編映画『どこでもないところで羽ばたいて』が上映されます。

映画はハノイの大学に通う女性フエンが、妊娠してしまうところから始まります。彼氏の気持ちも経済力も不確かなため、フエンは中絶を考えます。しかし、その資金はなく、さらなる行動を迫まられます。不安に押しつぶされそうな日々のなか、不思議な年上の人、たくましく生きる友人に触れフエンは成長するように見えますが...。「羽ばたく」というよりは、まさに飛べない鳥の「flapping」:バタバタとするフエンの姿が、深みのあるトーンで描かれます。

ベニスで初公開され、トロント、釜山、日本ではあいち国際女性映画祭や大阪アジアン映画祭でも上映されたグエン・ホアン・ディエップ監督の長編デビュー作。その制作過程における苦労や運命的なめぐりあわせについてハノイで聞きました。
(以下、ネタバレありです。)


見ごたえのある俳優が出演していますね。若い俳優のキャリアを考えると、主人公フエンはリスキーな役柄であると思います。フエンを演じたグエン・トゥイを見つけるのに苦労したのでは?
面白いことに、私は彼女が13歳のときに一緒に仕事をしています。私が監督をしていたテレビドラマで、彼女は主役でした。それがきっかけで彼女はとても有名になりました。当時彼女は子供だったので家族とも話し、学業に専念するように勧めました。随分前のことですが、後にこの映画のプロジェクトが始まり、ベトナム中でオーディションをしました。私は役のイメージに合った彼女を思い出しました。しかし、まだ15~16歳の彼女では若すぎると感じました。このキャラクターは自らを壊してしまうほど重いものを抱えています。ということはこのキャラクターは俳優をもダメにしてしまう可能性がある。なので私は彼女を呼んで脚本の朗読を手伝ってもらうだけにしました。実際に演じるというものではありませんし彼女もそれをわかっていました。しかし、その時には資金の問題で撮影はできず、それから2年近く待たなくてはなりませんでした。そして2013年、撮影開始が二週間後と迫ったときです。主人公を演じる予定だった女優がパーソナルライフに問題があり、セクシャルなシーンに関して突然、不安と不快を感じると言い出しました。このとき、私たちはすでにこの女優と2年間準備をしていました。

怖気付いたということですか?
理解はできます。だれでもこういう役には不安を感じるはずです。しかし、これは私の初長編だったこともありやることも多く、この女優の問題にあまり時間を費やせませんでした。丸1日彼女と話しましたが、彼女の問題は家族を巻き込んだものと分かり、彼女を主役にはできないと思いました。そして長時間に及んだ会話を止め、気づいたときにはグエン・トゥイ(監督の発音ではトゥエン)に電話をしていました。そして言いました「私にとってとても重要な映画があって撮影が2週間後に開始するけど、参加する気持ちはある?もしスケジュールがあいていれ早速とりかかるわよ」と。彼女は驚き私もびっくりしていました。自分が彼女のことを長い間考えていたことにそのとき気づいたからです。

始めから彼女が念頭にいたのですね。
そういうことですね。それに資金集めに時間がかかり気がつけば彼女は18歳近くなっていました。もう小さなこどもではありません。彼女に脚本を送り、2年前に初めてこの脚本を読んだのは朗読を手伝ってくれたのも彼女だったと気づきました。しかも彼女はセリフを覚えていました。撮影クルーと私にとってももうひとつ特別だったのは、私たちは彼女が小さい頃にドラマで一緒に働いていたことです。撮影監督も美術監督も衣装さんもメイクさんもみんな当時のままで、彼女が私たちのもとへ帰ってきたようで感慨深くなりました。ロケーションで撮影テストをした際には、私が求めていたものを感じ、遠くへ行ったいた娘が成長して、美しく強くなって帰ってきたよううでした。誰も女優を代えた理由は聞かず、とても自然に受け入れられました。うまく説明できないけど彼女は勘に優れ、才能と魔法を持っているのです。演技を心配したこともない。実際には演技のクラスも受けたことがないし、モールに行ってシネコンで映画を観るようなベトナムの今時の子です。映画祭やアートにも無関心。典型的なハノイの女の子なのです。大学では経済を専攻し、演技と全く関係のないことをしています。

オーディションを経て感じたベトナムの若い俳優の今について教えて下さい。
ベトナムの若い俳優は優れていて好きですが... 私は自分の映画にはニューフェイスを起用したいと思っています。主人公が新人で観客が驚くくらいがいいのですトゥイは新人というわけではないけど、テレビドラマのときとは別人です。それに私も驚いたくらいなので誰にでも衝撃を与えると思いました。一方、今の若い俳優はキレイすぎるとも感じています。それぞれの美があるはずですが同じように見えます。例えば、ある俳優が印象的だと感じ候補者にあげます。それからオーディションを続けると、みんなその子と同じメイクと髪型をしていることに気づきました。流行りなのかもしれないので、それはそれでいい。役に合わせて変えればいい。でも、自然の美をもった子がいるのになぜ誰かを変える必要があるのかと考え、後者を探し、見つけました。もう一つは、今の若い世代にはテレビ、映画、舞台などに参加する機会が多くあるので、経験もあります。でもそのスキルはポップカルチャー的で、例えば、みな同じように泣くのです。もちろん全員ではないですが... もっとも受け付けられなかったのは韓流スタイルの演技です。タイっぽいのもありました。別にいいのですが、そのスタイルを変えようとも思いません。演技の勘があり、私を涙させ笑わせ驚かせるほどの才能がいるからです。またベトナム大学の学生の演技は古いスタイルが多く、わざとらしい部分もあります。私は自然で、かつ魅力的な子を探していました。

本作はベトナムでは配給されていますが、反応はどうでしたか? 
ポジティブだったと思います。でも関係者には、この映画で収益をあげるのは難しいと言われていました。しかし、若い観客がたくさん来てくれました。この映画は若い人のためにあるのかもしれません。でも発表する前は若い観客はイメージできていませんでした。なぜなら、若い人の多くはロッテなど韓国資本のシネコンに行きハリウッドや韓国映画を観ますよね。でもある日、劇場を見に行くと若い人で満席でチケットを買うために3時間以上並んでいる人もいました。すごくびっくりしました。

こういう映画が求められていたのでしょうか?
ベトナムの劇場をまわり、映画を上映してもらうように話しましたが、映画はいいけど大衆には受けないと断られました。その反応も理解できます。だから私はインデペンデントの配給の道を選び実行しました。今は堂々とベトナムのインデペンデント映画の配給についても知っていると言えます。

やはり大変でしたか?
大変だと思うと大変です。経験もなく、売るためではなく人々に観てもらうために頑張ったのでやりがいがあった。でも次のプロジェクトでは逆に、配給を真剣なビジネスとしてできる、私の映画が好きな人と組むのもいいかもしれません。

劇中、トランスジェンダーのキャラクター、リンが登場しますね。劇中でリンはまるで厳しい現実を直視している唯一の存在のようにも見えます。これには特別な理由があるのでしょうか?
2004年か2005年にトランスジェンダーの人々についてのテレビドキュメンタリーを制作しました。ホーチミンに向かい、被写体を見つけ撮影を開始ました。こういったトピックをテレビのドキュメンタリーで扱ったのは初めてだったと思います。そのとき、トランスの人々に刺激をうけ、自分が長編フィクションの映画を作るときにはトランスのキャラクターを書くと決めました。彼らに会えたことに感謝しています。彼らはとても個性的で、喜びや才能であふれています。同時に、彼らは深い悲しみを抱え、悲観的でもありました。彼らのことが大好きでした。私の映画のなかのリンはその時の記憶からできていると思います。それにリンは男と女どちらかだけというよりは両方です。私はリンの性別を明言できません。ただ、リンなのです。名前も性別をはっきり持ったものではありません。ただの名前です。

劇中の象徴的なものも印象的です。丸みのある形や水や、内と外を表すものも頻繁に登場していたように思います。
私はこの映画を女性の物語として構想しています、女性の世界です。ですので、色や形、文化的な象徴、ベトナムの女性文化を取り入れようと努力しました。私のうちにある女性性は冷たく、水です。太陽はなく、とがってもいません。丸みのあるものです。そして雨が降り、晴れていません。月の光る夜で昼ではありません。そこから、主人公の世界を求めロケーションを探しました。泡や色や濡れた感覚、雨や水です。時折、電車などまっすぐで硬いものも現れるので、余計に丸みのある街灯やお椀、雨も多いのです。

映画はヨーロッパからの資金も受けていますが それはやはり国内に充分な資金調達ができなかったからでしょうか?
状況によってちがうのですが、今回は他に術がなかったからです。今は違うかもしれません。脚本を書き始めた2009年ごろマーケットで出資者を見つけるために時間をかけました。時間はかかったけどそれも変えられない運命です。次ははそんなに時間をかけたくはないですが。5年は長すぎます(笑)ベトナムでは映画やアートへの助成はなく、しかも私は資本から離れてインデペンデントで活動しています。国営のスタジオや大手のスタジオにも声をかけませんでした。彼らからはなにも期待できなかったので国外に行くしかなかった。ひとつ気になることで言っておきたいことですが、ベトナム国内に、私が国外だけをターゲットにしていると誤解している人がいることです。アジア人の監督として欧米で求められるもの(セクシャルなイメージやエキゾチックなイメージなど)を意識しているというのです。傷つきました。今の私は以前よりもタフになったので大丈夫ですが、そのときはとても辛かった。映画祭のことを考えながら脚本を書くことなんてありません!資金を得るために脚本を調整することもありません。資金が必要だったら他の方法があるし、もし支援者が現れればそれは私たちが理解し合えたからです。お金目当てではないし、そういう共同製作は嫌いです。客層を意識して脚本を書くこともありません。ビジネスを否定しているのではないけど、私のやることではないということです。明日死ぬかもしれないのに、映画祭や支援者を意識しながら脚本を書くなんて考えられません。

 

映画プログラマーのMarcus Cuong Vuとグエン・ホアン・ディエップ監督。2016年6月にハノイにて。Photo by Normal Screen.

映画プログラマーのMarcus Cuong Vuとグエン・ホアン・ディエップ監督。2016年6月にハノイにて。Photo by Normal Screen.

『どこでもないところで羽ばたいて』2014年/ベトナム・仏・ノルウェー・独/98分
原題:Đập cánh giữa không trung/ 英題:Flapping in the Middle of Nowhere