トウガラシ・アート・コレクティブ + ノーマルスクリーン present
Visual AIDS’ Day With(out) Art 2021:
ENDURING CARE
ケアを続けること、ケアを耐え抜くこととはどういうことか
数十年におよぶこの危機のなか、
私たちはケアをどう持続させられるだろう
ニューヨークの非営利アート団体[Visual AIDS]が1989年から毎年行っているDay With(out) Art[アートの(ない)日]というプロジェクトの2021年版である7つの短編映像集「ENDURING CARE」を、アーティストとキュレーターによる[トウガラシ・アート・コレクティブ]と[ノーマルスクリーン]が日本語字幕と解説の翻訳をして公開!
台湾、イギリス、メキシコ、アメリカなど世界中から集まったこれらの映像では、ハーム・リダクションや刑務所でのアクティビズムの歴史から、抗HIV薬服用による長期的な影響まで、HIVに関わるさまざまな課題に注目します。上映作品の多くは、政府やNPOによる黙殺を指摘する一方で、コレクティブなケアや互いに助け合うことや連帯をテーマとしています。
本プログラムのタイトル「ENDURING CARE」には2つの意味が込められており、ケアワーカーの忍耐力と献身性を称えると同時に、HIV感染者や医療従事者が受け得る被害についても言及しています。「ENDURING CARE」は、医薬品だけで疫病を解決できるという誤った理解に対し、永続的な医療の形としてコミュニティ活動の重要性を提示します。
参加アーティスト:Beto Pérez | Steed Taylor | Danny Kilbride | Cristóbal Guerra | Katherine Cheairs | Abdul-Aliy A. Muhammad & Uriah Bussey | J Triangular & the Women’s Video Support Projec
・画面右下【CC】をクリックして字幕を表示できます。
・4本目『The Mersey Model』には注射針でドラッグを使用するイメージが現れます。
Steed Taylor, I am... a Long-Term AIDS Survivor
『私は... 長期エイズサヴァイヴァー』
複数の声を通して、長期エイズ生存者であることの難しさや、多くの高齢の生存者が直面する予期せぬ健康問題について探求する。
スティード・テイラー (he/him) 公共空間やギャラリーで作品を発表するアーティスト。アメリカ全土で展示経験あり。http://steedtaylor.com/
Beto Pérez, In the Future
『未来では』
政府の汚職や薬の盗難・略奪が蔓延しているために治療を受けることができないメキシコのHIV感染者の話を紹介する。
ベト・ペレズ (he/him) ドキュメンタリー映画作家、テレビプロデューサー、文化団体Coarco (メキシコのトラスカラ州)共同設立者。HIVと生き、自身をjotoと認識している。http://coarco.org/betoperez.html
Cristóbal Guerra, Nobleza(s) de Sangre
『高潔な血』
プエルトリコでHIVと生きるアーティスト2組のインタビューの断片が1990年にAIDS発症により亡くなったボリクア(プエルトリコ人、プエルトリコの先住民)の詩人マヌエル・ラモス・オテロ(Manuel Ramos Otero)の姿を呼び起こす音声/映像と融合する。ゲラは自身のアートにも影響を与えた、翻訳不可とみなされているマヌエルの作品を見つめ直す。
クリトバル・ゲラ (he/they) プエルトリコ出身のインターディシプリナリー・アーティスト。ホーム、カリビアン、クィア、属することといったアイデアについて探究してる。http://www.cristobalguerra.com/
Danny Kilbride, The Mersey Model
『マージー型ハームリダクション』
英国内で初の注射針交換プログラムである[マージー型ハームリダクション]の導入を1986年にイギリスのリバプールで支えていた公衆衛生役員のジョン・アシュトン教授にインタビューする。
*注射針でドラッグを利用するイメージが現れます。
ダニー・キルブライド(he/him) リバプール拠点のコミュニティ映画作家。Thinking Filmファウンダー。http://www.thinkingfilm.co.uk/
Katherine Cheairs, Voices at the Gate
『門で聞こえる声たち』
女子刑務所の牧歌的な風景と、HIVエイズを患う有色人種の現役・元受刑者による、過去と現在の詩やエッセイ、インタビューなどを対照的に提示する実験的なドキュメンタリー映像。
キャサリン・チアーズ (she/her) ニューヨーク拠点の映画作家、教育者、アクティヴィスト、コミュニティアーティスト。https://www.instagram.com/kat_cheairs/
J Triangular, The Women's Video Support Project
『女性のビデオサポートプロジェクト』
台湾に住む女性たちが、カメラを使ってストレスや偏見を違う形に整理/編集し、HIVとともに生きる経験を共有するために作られた共作の映像プロジェクト。台湾におけるHIVへのスティグマが強いため、本作に登場する3名は仮名で出演している。
Jトライアンギュラー (she/her) コロンビア出身、台湾拠点の実験映画作家、マルチメディア詩人、キュレーター。https://jtriangular.com/ |http://normalscreen.org/events/triangular
Abdul-Aliy A. Muhammad and Uriah Bussey, #Medstrike: Confronting the Non-Profit Industrial Complex
『#メッドストライキ:非営利産業複合体と対峙する』
2017年にフィラデルフィアのLGBT向け診療所Mazzoni Centerに対して、アブドゥル=アリー・A・ムハマッドが行った投薬ストライキ(自身の投薬治療を中断)と、それに先立つブラック&ブラウン労働者組合(BBWC)によるダイレクトアクション・キャンペーン(直接行動)の記録。
アブドゥル=アリー・A・ムハマッド (they/them) フィラデルフィア出身のライター、オーガナイザー、ブラック&ブラウン労働者組合 共同設立者。https://www.instagram.com/mxabdulaliy
ユリア・ビュッシー (they/them) フィラデルフィア西部のコブス・クリーク地区出身。ノンバイナリーで、アーカイヴを使うヴィジュアルアーティスト、教育者。
今年のプログラム参加作家は、公募と審査を経て選ばれた。審査員は、アイヴィー・アルシー、ジーン・カルロムスト、トーマス・アレン・ハリス、マシュー・ロドリゲス。
*後日、作品と作家の詳細を公開予定です。
Visual AIDS(ヴィジュアル エイズ)
1988年にニューヨークで創設された世界で唯一アートプロジェクトを通してHIV予防とAIDSに関しての意識向上を目的にした現代アート団体。さらにHIV/AIDSと生きるアーティストのサポートと作品やAIDSムーヴメントへのアーティスティックな貢献の保存を行う。
もっと読む:http://normalscreen.org/blog/visualaidstowa
トウガラシ🌶・アート・コレクティブ
(アリウェン、平河伴菜、ルーシー・フレミング=ブラウン)は、先進国の都市部を中心に発達している芸術文化の世界に対して、その「中心」に収まらない表現活動を展開するアーティストに注目し、展覧会やイベントの企画を行います。
2021年12月1日、東京の曳舟で本作の上映と作品の感想やアートやケアや違いについて話す小さな会をひらきました。 イベント協力:Juan Felipe Botero (Offline Ventures) | Rafa A. Balboa (Studio Wasabi Architecture) | Ewelina Skowronska (ONA Project Room)
主催:Visual AIDS
日本向け配信主催:Togarashi Art Collective | Normal Screen
字幕:Hanna Hirakawa | Sho Akita
協力:TOKYO AIDS WEEKS 2021
写真:Courtesy of Visual AIDS
更新情報
・2021年12月8日、本サイトを公開
・2022年1月25日、ステートメントを公開、本ページに追加